巨神ゴーグ
  GAIL側戦車デザイン  
 永野護氏
  デザインメカキャラ大全
 
 
主人公『悠宇』達の敵となる国際コングロマリット(複合巨大企業)GAIL側のメカとして戦車のデザインが複数存在する。
  
 
 
 180ミリ自走砲「モッキンバード(GH-1005K)」の細部設定
 
[機体の概要]
ガイルで使用されている戦車で、メルカバ・エクスワィヤーと比べると比較的シンプルなデザインである。
メイン設定は安彦氏によるものであるが、車体内部・操縦席などの設定画を永野氏が担当した。 2013.1.8追記 

 
他の戦車と比べて整地での最高速度が40kmと他の機体に比べて遅いのがこの機体の特徴。(エスクワィヤーは110km)
機体自体の大きさに対して砲身が大きいことから戦車と言うよりも移動砲としての役割を主としたデザインであると思われ、実際に永野氏による設定画にも同様のコメントが確認できる。
「○演出、作画様非常に砲塔のため重くなっているため行動はにぶいのです.」 [諸元表]
「自走砲はあまり目標に近い所にいては危険ということだけです」 [設定画自走砲について]
「自走砲もしくは野砲.可農砲(キャノン砲)は.見えない所から遠くのあるものを破壊するために存在します.つまり.自走砲自体では何の役にもたちません.ヘリコプターや歩兵観測兵に着弾をおしえてもらって、修正して目標に当たるようにします.艦砲射撃や迫撃砲と同じ使用法です.もちろん見える町や橋などにも砲撃できます.」 [設定画自走砲について]
「自走砲はデカイ砲をのっけるので装甲もうすく機動力も戦車の1/2くらいです.しかし対戦車はよほど近づかないと戦車をこわすことはできません.原則として自走砲は高地にじんどるのが一番です」 [設定画自走砲について]
 
この機体の武装については諸元表に詳しく掲載されており、クルップ社の「FL-39.加農砲.180mm」であるとのこと。

加農砲・・・・キャノン砲の漢字での表記
この砲身は取り外しが可能で、劇中では取り外された砲身がゴーグを使用されるという設定がある。 
通常の戦車とは異なり、砲身の下に10発程度の砲弾が入る長方形のマガジンが付き、取り外す際はこのマガジンも付随して取り外される。

 
高所からの砲撃がメインであるこの機体ではあるが、一応対戦車戦も可能であるらしい。
「自走砲は、デカイ砲をのっけるので装甲もうすく機動力も戦車の1/2くらいです.しかし対戦車はよほど近ずかないと戦車をこわすことはできません.原則として自走砲は高地にじんどるのが一番です」 [設定画自走砲について]
 
戦車の操縦方法について「対空戦車ドライバーズコクピット」シートに詳細が解説されている。 
この操縦方法については1983年当時戦車の情報が公表されていなかったために永野氏は想像で描いたらしい。 
操縦方法が普通の車と同様にハンドルで行うとは思っていなかったと後に述懐している。
「メルカバIIとかIIIとか出る以前ですから、当時戦車のこと知ってる人いなくて、大変でしたね。近代戦車の内部は極秘情報ですから、レーザーサイト回りとか操縦席回りとかの情報がないんですよ。レオパルドIIとか公開されたの、この後だからなー、苦労しました。いま見たら笑えるでしょう。現在はハンドルになってるなんて知らねーよそんなもの(笑)」 [ISSUE・OUTLINE]
 
  
[名称について]
設定画には「180MM自走砲 GH-1005K」とだけしか名称が書かれていないが、諸元表によるとこの機種には「モッキンバード」という形式名称であるらしい。
形式名称については有名な「メルカバ・エスクワィヤー」などが知られており、機体の固有名称を指すものと思われる。
 
「モッキンバード」の語源とはスズメ目の鳥である「マネシツグミ」もしくは「エレクトリックギター」が考えられるが、永野氏の趣味趣向から考えると後者ではないかと思われる。
ギターの形が上からみた戦車のシルエットと若干似ていることからこの名前を付けたのかも。
 
 
[掲載資料について]
この自走砲の設定画は「全身が3種描かれた設定画」 「自走砲内部の設定画」「自走砲操縦席」 「自走砲の射撃時の解説」の4点が確認されている。
そのうち「全身が3種描かれた設定画」のみ永野氏のサインが書かれておらず、実際に永野氏が描いた設定画であるかは確認できていない。
 
佐藤元氏のサイト
GENPの昭和〜平成4年のメカニックデザイン」に、戦車類のメイン設定画は安彦氏が担当した旨記載されている。 2013.1.8追記
永野護氏はそれ以外の補足的な設定画を担当したのみであると判明した。 
   
この他にも、自走砲の「砲身関連の設定画」も存在する。
砲身上部にゴーグのスイッチが描かれていることから、自走砲の設定画ではなく、ゴーグ専用改造180ミリ砲の設定画としてこのサイトでは分類する。

 
この機体の設定画自体は6/30〜7/5の期間に書かれていたらしい。
これらの日付やサインは今のところ書籍での掲載は確認できておらずスタッフ用に配布された配布用資料での確認のみである。

 

設定画

自走砲内部
 
永野氏による自走砲の解説用設定画で、左上に(解説)くわしくは設定を参照の事.と書かれている。
描かれているのは自走砲の内部で、車長とローダー(装填手)が座る座席周りの作画参照用の設定画で、かなり詳細に書きこまれている。
 
この設定画では砲塔内で車長とローダーは隣接している。
ただし、この自走砲の乗員数は諸元表によると乗員は3名となっており、実際にこの他にもドライバーの設定画が別に描かれており、
他の場所(設定画のローダー側の下にスコープが3つ付いている事からローダーの下に配置)にドライバーのシートがあることがわかる。
この設定画のローダーのシートの斜め下辺りにもドライバーズシートのある場所が文字で書かれている。
 
索敵用の望遠鏡は車長側についていることから索敵は車長が行うと思われる。
ローダー側には弾道計算コンピューターがついており、車長が射撃指示を出し、ローダー側が射撃設定を行うことが設定画から読み取れる。
 
他にも砲塔内で搭乗員がどのような姿勢で座っているかの図解とシートの下にセットされた非常用発火スイッチの設定画も書き加えられている。
 
なお設定画には「自走砲内部」というタイトルと「くりす83.6/30」のサインが書かれている。
今のところこれらのタイトル及びサインが書かれた設定画が掲載された書籍は見つかっておらず、当時製作スタッフに配布された資料のみでの確認である。
 
(座席のシートに対して)
「戦車は全てそうですがシートの上に立ってハッチから顔を出しているのです」
それで狙撃手に撃ち抜かれちゃうんですね、わかります。

 
 
GH-1005K自走砲 対空戦車ドライバーズコクピット
 
永野氏による自走砲解説用設定画その2で、対空戦車と共用の操縦席についての設定画。
自走砲の操縦席のコンソールパネルとシート周りの詳しい設定画、及び運転手がシートに座ったときの体勢の解説図、コントロールスティックの操作による機体挙動解説図画が1枚のシートに描かれている。
 
タイトルについては左上に(解説)、右上にGH-1005K自走砲・対空戦車ドライバーズコクピットと描かれている。
私が確認した設定画には他の人の字で「運転席は共通です」と書き加えられている。
サインの日付は「くりす.83 7/4」であり、他の自走砲の設定画が描かれた日(6/30)から1週間近く経過している。
ちなみに、その間に対空戦車の設定画が描かれている(7/1)。
 
自走砲内部でも記載したがこのドライバーズコクピットの前面に3つスコープが確認できることから、やはり車長、装填手の下に運転手のシートがあることがわかる。
操縦に関しては運転手のシートの左右にスティックがあり、右側を前に倒すと右折し、左を倒すと左折、両方倒すと前進するらしく、このスティックが左右のキャタピラを駆動させるものと思われる。
 
(コンソールパネルのレバーについて)
「シフトレバー前3、後2段.」
うーんと、これは前進が1〜3速、後進が2速まであるということなのかな?
まぁ、戦車の場合急いでバックしなくてはならない時もあるってことでしょうね。
 
(シートに座る運転手の体勢図について)
「イス傾いてます」
この設定画を見るとかなりイスを傾けて座っていて、かなりのけぞったような体勢になってますね。
これではスコープを覗くときにかなり体勢を戻さなくてはならないと思うのですが・・・。

 
  ●自走砲について
 
永野氏による自走砲についての演出法などが描かれた設定画。
タイトルは右上に「自走砲について」、サインは「くりす」と描かれているだけで日付はかかれていない。
 
主に作中での演出についての説明用の機体簡略図及びそれに付随して非常に多くの書き込み文章が書き込まれている。
書かれている内容は、自走砲の射撃時の砲弾が飛んでいく様子や砲身の挙動、射撃時の砲煙や、自走砲の運用方法、などが詳細に説明されている。
 
(戦車の対戦車・対ゴーグ時の戦法について)
「対戦車.(もしくは対ゴーグ)にはAPという鉄コウ弾を発射します.主に装甲をこわし貫通させるためです.歩兵や建物にはHE、榴弾をうちます.これは当ると爆発して風と破片で物をこわします.」
この書き込みの上には戦車が砲弾を発射する解説図も描かれており、弾道はまっすぐに飛ぶと書かれている。
この描かれている戦車は自走砲のシルエットではなく一般的な戦車の絵が描かれている。
上記解説文は自走砲についてではなく一般的な戦車の運用法についてであると思われる。
その他にも、自走砲砲撃時の砲身の挙動(砲身がバックする)についての解説図も描かれている。
 
(戦車の運用補足説明)
「しかしイザとなると高射砲か対空車砲になったり.戦車も間接照準をやったりしますので参考程度にどうぞ.つまり自走砲はあまり目標に近い所にいては危険ということだけです」
上に書いた戦車についての補足説明で、一般的な戦車も自走砲のような運用もありうる事が書かれている。
永野氏による結論は「自走砲は戦車のように近接戦闘させちゃだめだよー」ということみたいですね。
 
(自走砲の射撃時の砲煙について)
「弾丸のソニックブームでハデにケムリがまい上がります.ぐわーんと上る」
「(発射時に車体の)うしろサスしずみます」
「車体下部よりものすごいケムリが上ります.パッと ←これは戦車も同じ(ただし砲身はバックしない)」
「砲身からはケムリはほとんど出ません」
自走砲の射撃しているしている様子が描かれ、その設定画に上記のカキコミが書かれている。
 
この描写については特にこだわりがあったと見られ、後に安彦氏との対談時にも言及している。
安彦氏「俺が永野くんを知ったのは、「巨神ゴーグ」のときにミリタリーに詳しいヤツが企画室にいるって聞いてね。」
永野氏「ですね。本当にそのとおりですよね。」
安彦氏「軍事オタクって話で。俺はミリタリー方面はさっぱりなので、すぐに来てくれってね。」
永野氏「戦車だけは誰にも負けないぐらいの自信が、当時もきっとあったんでしょうね。」
安彦氏「こうやっていろいろ話したのはそのとき以来だね。いろいろ教えてもらったんだ」
永野氏「それまでは戦車がボンボン!撃ったら煙が出るだけで、でも本当は車体の後ろからすごい砂煙が出て、砲身が同時にガッコンって下がるんですよって。」  [ガンダムエース2002年5月号安彦氏&永野氏対談記事]
 
(自走砲の運用上の中尉について)
「自走砲もしくは野砲、加農砲(キャノン砲)は見えない所から遠くにあるものを破壊するために存在します つまり自走砲自体では何の役にも立ちません.ヘリコプターや歩兵観測兵に着弾をおしえてもらって、修正して目標に当るようにします.艦砲射撃や迫撃砲と同じ使用法です」
上にも書きましたがかなり離れたところから砲撃する為に、実際の着弾点が自走砲からは見えないということですね。
そのため上空のヘリコプターなどに指示をしてもらう様子が設定画として一緒に描かれている。
 
(自走砲のその他の用法について)
「もちろん.見える町や橋などにも砲撃できますが、コマンダーが着弾を見て修正していくという形になりましてやはりハデな砲撃になります.戦車も榴弾は発射できますが、戦車はやはり対戦車や装甲を考えなくてはいけないので、初速の速い車体に合った砲をのっけます.が、自走砲は、デカイ砲をのっけるので装甲もうすく機動力も戦車の1/2くらいです.しかし対戦車はよほど近ずかないと戦車をこわすことはできません.原則として自走砲は高地にじんどるのが一番です」
長々と書かれていますが、戦車と自走砲の違いについてのまとめられており、要するに自走砲は戦車が来たらにげろっつーことですね。
非常に詳しく用法が解説されていますが、残念ながらゴーグを観たことがありませんのでこのように実際に演出されたかはわかりません。
そういえばファイブスター物語のAKD地上戦では、エアバレルなどの対戦車を主目的とした機体や騎兵などが活躍していたが、
遠方からの射撃オンリーの機体は見当たらなかったような?
まぁ・・・科学がトンでもなく進んでいるあの世界では、このような使いにくい兵器は存在しないのかもしれませんね。
 
このシートは設定画よりも解説文がメインということもあり、雑誌などに掲載される機会がなかったものと思われる。
現在のところスタッフ用の配布資料以外では確認されておらず、非常に見ごたえがあることもあり、残念ではある。
 

掲載雑誌
コミックボンボン1984年3月号 P406
設定画(完全・一部) 書き込み(完全・一部) タイトル サイン
全身が3種描かれた設定画がいくつか掲載されている(ただしこの設定画が永野氏によるものかは判明していない)
 
 

 対空戦車「エクスプローラー(GAAT-89A1E2)」の細部設定
 
[機体の概要]
通常の戦車と異なり、砲塔に2連装滞空機関銃が装備されている。
 
この戦車が描かれた設定画に永野氏のサインが書かれているのが発見されていないため、永野氏がこの戦車そのもの自体のデザインを行っていたのか判明していない
ただし、対空戦車の演出法が描かれたシートや、対空戦車内部が描かれたシートには永野氏のサインが描かれていることは確認出来ている(当時のスタッフ用設定資料より)。
メイン設定は安彦氏によるものであるが、車体内部の設定画や演出設定を永野氏が担当した。 2013.1.8追記
 
通常の戦車のような大口径の砲身が無い為に対戦車戦(及び対ゴーグ)は難しく、主に戦闘機やヘリなどの破壊を目的としたタイプの戦車である。
ガイル側が飛行機やヘリを相手に戦闘を行うシーンが全く無かったため、この機種の戦車は劇中にほとんど登場しない。
  
この機体は、砲等後部に大型のアンテナが装備されており、内蔵されたコンピューターで自動追尾射撃を行えることが演出解説画に併記されている。
そのような機能を持つ戦車は1983年当時はほとんど公開されていなかった為に資料が少なく、あまり詳しく設定が出来なかったという永野氏の書き込みも確認されている。
「まず、はずすことの無いと言われているコンピューター射撃システムをもっています.砲身が目標を自動的に追尾します.中の人間は見ているだけ。」 [巨神ゴーグメインメカニック集(スタッフ配布資料)]
「放蕩も目標にそって自動的に回ります(地上に向けて発射するともうムチャクチャな威力があります.意外とこっちの使用の方が多かったりして・・)」 [巨神ゴーグメインメカニック集(スタッフ配布資料)]
「この手の戦車は一級機密なので(特にコンピューター)あまりくわしくわかりませんゴメンなさい」 [巨神ゴーグメインメカニック集(スタッフ配布資料)]
 
永野氏が書いた諸元表によるとこの機体のスペックは全長4.5m、車体長7.3m、全高4.2m、全幅3.7mと非常にコンパクトである。
 (ただし砲身を含めない車体長が全長よりも大きいのはどう見てもおかしく、永野氏のミスであったと思われる)
  
エンジンはマイバッハ.MB.873ca501.V12ディーゼルとのことであり、永野氏によるとレオパルドIIと同型とのことである。
レオパルド2・・・1970年頃に西ドイツで開発された当時の主力戦車。エンジンもマイバッハMB 873V型12気筒ターボディーゼルである(wikiより引用)。
 
搭載兵器は対空機関銃のみで、エリコン35m2連装対空機関砲と記載されている。
 (エリコン・・・1983年当時スイスの代表的な兵器メーカー)。
諸元表にはエリコン製と記載されているが、演出法が描かれた設定画は機関銃に「オ(ホ?)ラオースかエリコン機関銃」と併記されている。
ただし、このオ(ホ?)ラオースが何を指すのかは今のところ特定できていない。
 
乗員は3名であり、対空戦車と自走砲のドライバーズコクピットの設定画から運転手が1名、対空砲の設定画から砲等に車長と射撃手の席があることが判明している。

 
 
[名称について]
自走砲同様、この機体にも固有名称が設定されており、「エクスプローラー」という形式名称が諸元表に書かれている。
なお、エクスプローラーの引用元としては「ギブソン・エクスプローラー(ギター)」「エクスプローラー1号(アメリカの人工衛星)」などが連想できる。
永野氏の趣味趣向からおそらく前者ではないかと思われる。
 
  
[掲載資料について]
この機体の設定画については、永野氏のサインやタイトルが書かれたものは書籍では確認できていない。
上記の通り、いくつかの補足設定画についてスタッフに配布された資料のみでサインが書かれているのを確認できている。
  


設定画

(解説)対空砲内部
  
永野氏による対空戦車砲塔内の車長と射撃手席の設定画で、左上に(解説)、右下に「対空砲内部」と永野氏の字で書かれている。
永野氏のサインも「くりす.83.7/1」と設定画シート右下に書かれている。
  
砲塔内の車長たちが座る座席及びコンソールパネルが設定画全体を使って描かれていて、端の方に砲塔外側について補足設定画が小さく描かれている。
  
現在の所、この設定画が掲載された書籍は見つかっておらず、当時製作スタッフに配布された資料のみでの確認である。
  
(砲塔外側設定画の左側天井部に設置された三角型の突起部について)
「左側のはり出しはレーザーレンジのため」
  
(コンソールパネルの上に設置されたモニターについて)
「外部モニター左側のみ」
確かに左側の射撃手のシートのみにモニターが付いていて、車長側には付いていない。
なお、この機体はコンピューターで自動追尾照準を行ってくれるらしいので、射撃手の役割としては射撃のタイミングのみであると思われる。
  
(右側のシートについて)
「こちらが車長側です」
左が車長側であるらしい。ただしコンソールパネル及び操縦桿は左右変わりない(違いは上記モニターの有無)。
  
(コンソールパネル真ん中に設置されたモニターについて)
「まん中のレンジはみどり色.ターゲットパターンについてはGEN君の方がくわしいと思います 各ツマミはコンポーネントステレオを思い出して下さい.」
劇中で頻繁にコンピュータグラフィックが映し出されたモニターが出てきたのは佐藤元氏の影響でしょうね。
  
(シート横のハッチについて)
「コンピューターバンク」
コンピューター装置が収納されているボックスのようです。
  
このシートには永野氏以外の人物の文字で「ガイル対空戦車内」、「自走砲と共通です」などとも書かれている。
  
この「共通」とは何が自走砲と共通なのかはよくわかっていない(自走砲砲塔内の設定画は別に描かれている)。
その横にディフォルメされた戦車が小さく描かれているがこれを描いたのが永野氏であるのかも不明。

 
対空戦車、演出の方へ
  
対空戦車の演出法について描かれた永野氏による設定画で左上に「演出の方へ」、右上に「対空戦車」とタイトルが書かれている。
サインは「くりす」のみで、描かれた正確は日付は不明。
  
対空戦車が機関銃を連射しているシーンが、対空戦車全体・砲塔部&砲身アップ・砲身先端拡大図の3個描かれていて、それぞれに詳細なカキコミが多数書き込まれている。
  
現在、この設定画が掲載された書籍は見つかっておらず、当時製作スタッフに配布された資料のみでの確認である。
  
(機関銃を連射する対空戦車砲身部について)
「オ(ホ?)ラホースかユリコン機関銃」「砲身は交互に前進後退します」
「音はドカカカカカという低音にキキキンという金属音が入ります」
機関銃の挙動及び効果音についてかなり綿密に解説がされています。
  
(機関銃を連射する対空戦車砲塔について)
「スリットより空填きょうがバラバラおちます」
機関銃取り付け部下部に台形のスリットがあって、そこから空になった薬きょうが出てくるみたいです。
「目標に向いています」
砲塔に取り付けられた円形のアンテナについてのカキコミ。
「まず、はずすことの無いと言われているコンピューター射撃システムをもっています.砲身が目標を自動的に追尾します.中の人間は見ているだけ。」 
「砲塔も目標にそって自動的に回ります(地上に向けて発射するともうムチャクチャな威力があります.意外とこっちの使用の方が多かったりして・・・)」
返す返すもこの戦車が登場しなかったのが悔やまれます・・。
砲塔がグルングルン回って乱射するシーンとか見てみたかったですYO。
  
(機関銃を連射する対空戦車について)
「煙は全て後方に流れます(前方には絶対出ない様になっています 目標がけむるので)」
砲身先端からの射撃時のケムリの流れについての解説です。
まぁ、確かにそのようになっているのが理にかなっていると思いますけど風向きとかもあるでしょうし・・(描かれているシーンは戦車が前進しながら射撃しているのでこの描写は正しいと思いますけど)。
「弱カンゆれます」
対空戦車が射撃しながら前進するときの車体の状態についての解説ですね。
「キャタピラの下よりケムリがはい出ます」
こちらは戦車本体の廃棄煙についての解説ですね。
  
(射撃時の砲身先端部について)
「こういう煙の出方はしません」
射撃された砲身先端から弾と一緒に前方に向かって煙が流れているシーンが描かれています。
永野氏によると弾は前方に飛び、煙は後方に流れるという設定であるようです。
  
設定画の下の方に、永野氏の字で「この手の戦車は一級国家機密なので(特にコンピューター)あまりくわしくわかりませんゴメンなさい」とお詫び文?が書かれている。
  

掲載雑誌
コミックボンボン1984年3月号 P406
設定画(完全・一部) 書き込み(完全・一部) タイトル サイン
全身が2種描かれた設定画がいくつか掲載されている(ただしこの設定画が永野氏によるものかは判明していない)
   
 

 小型駆逐戦車「モダーン(MB-775)」の細部設定
 
[機体の概要]
序盤でガイルが使用していた戦車のひとつで、なぜか戦車の後ろにもうひとつ車両が連結されていた
ちなみに、この連結されている車両の中に何が入っていたのか、及び車両が連結されていた目的は判明していない。
 
小型』駆逐戦車の名が示すとおり、車体長(砲身除く)は4.1メートルとかなり小さく、後ろの車体(2.5メートル)を足しても他の戦車よりも小さい。
*自走砲・・・7.3メートル メルカバ・・・9.4メートル
   
武装も、「90mmL7A3ライフル砲」と設定されていることから、あまり高火力な機体ではなさそうである。
諸元表に描かれた演出・作画担当への補足説明項にも、同趣旨のコメントが記載されている。
「この戦車はまちぶせや、かくれてうちます.正面きって戦う兵器ではないのです」 [巨神ゴーグメインメカニック集(スタッフ配布資料)]
 
諸元表には、上記記載以外に全長7.7メートル、全高1.7メートル、全巾2.2メートル 重量(車体重量)11tと設定が記載されている。

 
エンジンは、コンチネンタル製DFV12気筒V型水冷エンジン(ディーゼル)×2と設定され、出力は600PS/3000rpm、最高速度は50km/h(不整地25km/h)。
他の戦車と比べると出力は一番少ないが、自重が軽いこともあり、最高速度はメルカバ・対空戦車よりは遅いが、自走砲よりは速いようである。
コンチネンタル・・・アメリカ戦車のエンジンなどを製造していたメーカー。M4中戦車(シャーマン)などが有名?
 
乗員も2名と、他の戦車と比べて1名少ない。
戦車内部が描かれている設定画から、この2名の役割はドライバーとガンナーであることが読み取れる。
 
 
[名称について]
自走砲同様、この機体にも固有名称が設定されており、「モダーン」という形式名称が諸元表に書かれている。
由来として考えられるのは、ギブソンのエレクトリックギターに「ギブソン・モダーン」というものがあり、これが一番可能性が高そうである。
 
 
[掲載資料について]
この小型駆逐戦車についての設定画シートは現在2枚確認されている。
ただし、メインとなる「全身図3点(斜め上俯瞰・斜め前俯瞰・斜め後ろ俯瞰)、不整地走行図」が描かれたシートには、今のところ永野氏のサインや書き込みは確認できていない。
そのため、この戦車を永野氏がデザインしたとは断言できない
 
しかしながら、戦車は永野氏がデザインしたという趣旨のコメントが存在することや、Newtype2002年2月号P23に掲載された小型駆逐戦車の内部設定画に永野氏のサインがある。
このことから、この戦車も永野氏がデザインしたのではないかと思われるのだが・・・。

佐藤元氏のサイト
GENPの昭和〜平成4年のメカニックデザイン」に、戦車類のメイン設定画は安彦氏が担当した旨記載されている。 2013.1.8追記
永野護氏はそれ以外の補足的な設定画を担当したのみであると判明した。
「巨神ゴーグメモリアルワークス」にて安彦氏自身も戦車のデザインを行った旨対談にて言及している(P197) 2014.7.23追記
 
この小型駆逐戦車内部設定画はNewtype2002年2月号に掲載された際は非常に小さかったため、永野氏の書き込みを読み解くのは困難である。
その設定画の一部はアニメック1984年7月号にも大きく掲載されており、こちらは判読可能である。
「巨神ゴーグメモリアルワークス」P147にサイン及び日付が書かれた設定画が掲載された。 2014.7.23追記
  

設定画
 
*小型駆逐戦車内部
小型駆逐戦車のドライバーズブクロック、ガンナーズブロック、ハッチ開放解説図が描かれた設定画シート。
 
Newtype2002年2月号の永野氏と安彦氏の対談記事内にはこれらの設定画が1枚のシートで掲載されている。
設定画と設定画が非常に隙間無く掲載されていることから、第三者が複数の設定画を切り貼り編集したものである可能性も考えられる。
 
設定画のタイトル「*小型駆逐戦車内部」も永野氏の筆跡ではない。
 
ただし、シートの右下に小さく「くりす」と書かれている事からこの設定画を永野氏が描いたことは間違いない。
サインの横に書かれているであろう日付は隠れてしまっており判読できない。
「巨神ゴーグメモリアルワークス」P147にサイン及び日付が書かれた設定画が掲載され、「くりす83.7.8」であると判明した。 2014.7.23追記
  
ドライバールーム(斜め上俯瞰)
「トルコンミッションシフトレバー」
「(オートマチックミッションで車とほとんど同じなのでユウにもあつかえます」
「無線」
「サイドブレーキ」
「後部エンジンユニットのエンジン?はレバー」
運転手の右には車と同じようなオートマ車のシフトレバー、左側にはサイドブレーキが設置されている。
ペダルもアクセルとブレーキのみなので、確かにコレなら子供でも運転できるかもしれないですね。
  
この設定画は拡大されて掲載されているのでNewtype2002年2月号でも書き込み内容を確認できましたが、一文字だけ判読できませんでした。
たぶん「」だと思うんだけど、それでは前後の文章とはつながらないんですよね・・。
「巨神ゴーグメモリアルワークス」P147より「伝導」であったことが判明 2014.7.23追記
  
ドライバーズブロック(正面図)
「ペリスコープ3ヶ」
書き込みはコレだけ。やや大きめの字で書かれているのでNewtype2002年2月号でも判読可能。
 
ガンナーズブロック正面図
(正面パネルは)照準器をかねるペリスコープ」
「ドライバーズシート見えます」
この書込みからガンナーのシートはドライバーの斜め後ろに設置されていることがわかる。
(左側の小さなモニターは)通信モニター」
「サイドコンソールはナナメにハケています」
これらの書込みはアニメック1984年7月号P53に大きく掲載された設定画を確認した。
 
(ガンナーズシート)
「ペリスコープ」
書き込みはコレだけ。やや大きめの字で書かれているのでNewtype2002年2月号でも判読可能。
 
ハッチ開き方
「ドライバー」
上に描かれているのがドライバー用ハッチ、下に書かれているのがガンナー用ハッチということですね。

掲載雑誌
コミックボンボン1984年3月号 P406
設定画(完全・一部) 書き込み(完全・一部) タイトル サイン
全身が3種描かれた設定画がいくつか掲載されている(ただしこの設定画が永野氏によるものかは判明していない)
アニメック1984年7月号 P52
設定画完全一部) 書き込み(完全・一部) タイトル サイン 
不整地走行図が1点掲載されている。
Newtype2002年2月号 P23
設定画完全一部) 書き込み完全・一部) タイトル サイン
小型駆逐戦車内部のシートがそのまま掲載されている。
巨神ゴーグメモリアルアートワークス P147
設定画完全一部) 書き込み完全・一部) タイトル サイン
小型駆逐戦車内部のシートがそのまま掲載されている。
  
 
 主力戦車「メルカバ エスクワィヤー(XM-5MKIV)」
 
[機体の概要]
ガイルの主力戦車で、10話にオドンネル大佐と共に増援部隊としてアウストラル大陸に輸送されている。
 
主力戦車とは名ばかりで、実際はゴーグやガーディアン達にこれでもかってぐらいにボコボコにされます。

作品中のDr.ウェイブの台詞によると、ガイルの最新型の戦車ではあるらしいんですけどね(10話より)。
 
一般的に、永野氏によるゴーグに関する仕事を書籍などに掲載される場合、このメルカバやダイノソアなどが紹介されることが多い。
 
永野氏が書いた諸元表によると、この戦車の全長は10.8M、車体長は9.4M、全高3M、全巾4.8Mで、自走砲よりは小さく比較的コンパクトな様である。
武装も自走砲の主砲が180mmであったのに対して、130mmであるらしく、インメタル製130mm滑空砲で自動装填タイプで、砲弾は完全燃焼形カートリッジ40発とのこと。
ラインメタル・・・19世紀末にドイツで設立された軍事企業。主に火砲などの開発・製造を行っている。同様の企業として「クルップ」社など。
その他に、7.62mmG3マシンガン×2、90mm曲射砲×1、77mmロケットランチャー×6、対戦車ミサイル×3、その他近接兵器数点と非常に多くの兵器を装備している。
 
エンジンは他の戦車がV12ディーゼル1基であるのに対して、この機体はV8ディーゼル2基とまさに主力戦車の名にふさわしいスペックである。
エンジンの設定・・・マイバッハMB997ca511.V8ディーゼル×2プラスターボチャージャー(水冷)×4
 
出力も2100HP/3600rpmと高出力で、整地110km/h・不整地38km/hと他の機体と比べて群を抜いている。
設定画シート(4)に潜水時の設定画が掲載されており、水中潜行も可能であるらしい。
 
 
[名称について]
この戦車の名称は「メルカバ93型」で、エクスワィアーは通称である。
  
諸元表には「メルカバ.エクスワィアー(XM-5MKIV)ZX-400A」と名称が永野氏によって書かれている。
この「メルカバ」という名称の戦車は実際に存在し、イスラエルで使用されている(メルカバとはヘブライ語で騎馬戦車を意味するらしい)。
ただし、いくつかの設定画では永野氏は「メルカヴァ」と表記している。
  
諸元表に書かれた名称にはマーク4と記載されているが、実際のメルカバもマーク1〜4の形式が存在している。
運用時期はマーク1(1979.4〜)、マーク2(1983〜)、マーク3(1990〜)、マーク4(2004〜)である。
デザインもイスラエル軍の戦車に非常に良く似ており、1983年当時存在していたメルカバマーク1を元にデザインしたのではないかと思われる。
ただし、当時は運用されている兵器の情報はほとんど公表されていなかったために、内部などの設定を起こすのに非常に苦労したらしい。
「メルカバIIとかIIIとか出る以前ですから、当時戦車のこと知ってる人いなくて、大変でしたね。近代戦車の内部は極秘情報ですから、レーザーサイト回りとか操縦席回りとかの情報がないんですよ。レオパルドIIとか公開されたの、この後だからなー、苦労しました。いま見たら笑えるでしょう。現在はハンドルになってるなんて知らねーよそんなもの(笑)」 [ISSUE・OUTLINE]  
  
  
[カラーリング]
作品内では機体のボディーカラーは濃い藍色である。
カラーリングに関しては、永野氏自身あまり現行兵器を忠実にとは考えていなかったようで、当時のインタビューでもそのような発言が確認できる。
  
その二十年後には、パンツァーフロントというゲーム作品で戦車のゲストデザインを行った際に、ピンク色の戦車を作品に登場させている。
(ただし、通常戦車はピンク色の錆止め塗料の上にダークイエローを塗るのであるが、それが間に合わなかったという設定ではあるらしいが)
「アニメに出てくる色や形をそのまま作るんじゃなくて、もっと自分のこだわりをもってほしいって思いますね。ぼくみたいにタミヤのM1エイブラムスを黒とピンクに塗り分けて、ヤッターて喜んでいる人間はいないと思うし、メルカバなんてスカイブルーに塗ってみようとかね。いまのAFVマニアって、そんなこと絶対にいわない。でも、自分だけにしか作れないものってあるはずでしょ。ぼくの(エルガイムについての)設定なんか無私してくれていいから、自分のイマジネーションをどんどん広げていってほしいですね。」 [コミックボンボン1984年12月号]
 
  
[掲載資料について]
設定画に関しては
(1&2)メルカバ外観図2点、(3)ハッチ及びリモコン機銃が描かれたシート、(4)各種武装が描かれたシート、(5)運転席周辺図、(6&7)内部解説図2点の7枚が確認出来ている。
この内、(4)Newtype2002年2月号ISSUEOUTLINE巨神ゴーグメモリアルアートワークス(5)ISSUEOUTLINEに完全な状態で設定がシートが掲載されており、永野氏のサインが入っているのを確認できる。
(6)(7)については書籍での掲載は確認できていないが、スタッフ用に配布された配布用資料で確認した。 
  
他のシートに関しても、サインは入っていないが永野氏の字だと確認できる書き込みも見られることから、ほぼ永野氏によるものであると判断できる。

*(4)のシートに永野氏の字で「エクスワィアー(4)」と書かれている。
 
それらの設定画から、この戦車がデザインされたのは1983年6月下旬〜7月上旬であることがわかる。

 

設定画

  
 ●エクスワィアー(4)  (各種.装備)
 
メルカバの側面図、潜水時解説図、迫撃砲使用状況図、滑空砲弾、砲塔後部が1枚のシートに描かれている。
メルカバの設定画シートの中では比較的書籍などへの掲載回数が多い。
その内、Newtype2002年2月号ISSUEOUTLINE巨神ゴーグメモリアルアートワークスにはシート状態のまま掲載され、永野氏のサイン(「くりす83 6/4」)も確認できる。
 
ただしこれらの書籍では永野氏によるタイトルは消されていて、サンライズスタッフによって「各種.装備」というタイトルが書き直されたものが掲載されてている。
永野氏によるタイトルはスタッフ用に配布された資料で確認することが出来「エクスワィアー(4)」であったことが判明している。
  
(潜水時のメルカバについて)
潜水時のメルカバの設定画と各種火器の場所などが解説されている。
「インテーク/エキゾーストシュノーケル」
「キャニングスコープ」
潜水時に機体から水面上に伸びている2本の筒状のものについての書き込みで、排気煙がシュノーケルで水面上に排出されるようになっていることがわかる。
「7.62mm対人用MG42」
砲塔中央に設置された機関銃についての書き込み。
「90m迫撃砲〔片側のみ〕反対側はスモークチャージャー」
砲塔後部の左右に設置されている迫撃砲と煙幕弾の射出口の場所を示した書き込み。
左側の迫撃砲は斜めに設置して砲弾を射出する機構である事がわかる。
ちなみに、迫撃砲は人が砲弾を手で筒の中に放り込むという驚愕のアナログチックなシステムである(このシートに掲載された他の設定画にそのようなシーンが描かれている)。
その人が放り込んでいるシーンの設定画は雑誌等にも掲載されていたので見たことがある人も結構多いかもしれませんね。
「対戦車TOWミサイル3発.もしくは対空マーベリックミサイル」
車体の最後尾に設置されているミサイルランチャーの場所を示した書き込み。
  
(滑空砲弾について)
主砲に使用されている砲弾と発射後に飛び散る様子が描かれている。
「滑空砲弾(ケースレス)」
「重要(発射後燃焼する)」
「発射後飛び散る」
滑空砲弾とは、より遠くに砲弾を撃ち出すために砲弾そのものに噴射ノズルが装備された砲弾のことである。
永野氏が描いたこの砲弾の設定画では、ノズル部が燃焼された後に砲弾が4つに割れて、そのなかからさらにミサイル状の砲弾が飛び出すようである。
  
(砲塔後部について)
砲塔後部のハッチ開放状態、各種火器の詳細図が描かれている。
「スモークディスチャージャー(煙幕)6発」
砲塔後部右側に設置された煙幕弾で、こちらは迫撃弾とは異なり砲身などは無く煙幕弾が6個機体内部に並んで設置されている。
「TOWミサイル」
車体の最後尾に設置されているミサイルランチャーの場所を示した書き込み。
TOWとは「Tube‐launched,Optically‐tracked,Wire‐guided(発射筒で発射され、光学的に追跡され、有線で誘導される)」の略で対戦車ミサイル砲であるらしい(wikiより)。
 
  
メルカヴァ.エスクワィアードライバーズシート回り
  
車体部左側に設置された運転手席周辺が描かれた設定画。
運転席のコンソールパネルと座席について詳細に描かれており、右下にもシートの補足設定画が描かれている。
  
設定画には永野氏の字で「メルカヴァ.エスクワィアードライバーズシート回り」というタイトルと、「くりす83.7.6」と書かれたサインが書かれている。
この設定画はシート全体がISSUEやOUTLINEに掲載されているので、容易に確認することが可能
  
(操縦席前方について)
「奥にトランスミッションがみえます」
操縦席のコンパネの奥らへんを指してカキコミが書かれているが、この設定画ではそのような設備は確認できなかった。
  
(操縦席のペリスコープについて)
「正面ペリスコープはレーザースキャナを兼る.スコープの下のパネルは射撃システム」
操縦席正面に設置されたペリスコープ(潜望鏡)について書かれている書き込み。
他のカキコミにも書かれているが、運転手も射撃を行うことが出来るらしい。
  
(シート前方と側面に設置された小型レバーについて)
「砲塔旋回 引金UP砲身上下」「シートを下げるためのレバー」
「乗員が一人になっても射撃できるようにするためドライバー席にもシステムがあります.」
座席の左右には運転するための大きなレバー状の操縦桿が描かれているが、それ以外にもシートの前方と右側に小さなレバーが描かれている。
前方に設置されたレバーを左右に傾けることで砲塔が左右に旋回し、上下に動かすことで砲身が上下する(トリガーボタンもついており射撃を行う)。
これは被弾などのトラブルにより砲塔内の車長が射撃が不可能なときに射撃を行えるようにと設定しているが、残念ながらメルカバは敵側のヤラレメカであるので、この設定が活かされたシーンが実際に作画されることは無かった。
右に設置されたレバーはシートを下げるためのものであるらしい。
  
(操縦席右側の設備について)
「スペアのペリスコープ入れ」「消火器」
結構色々考えて設定しているんだなーと解るカキコミ。
確かに必要なものばかりです。
 
(シートの左側に設置された小型レバーについて)
「サイドブレーキ」
戦車にもサイドブレーキがあるんですね。
ちなみに足元にフットペダルが二つ描かれているので、それがアクセルとブレーキではないかと思います。
  
(シート後ろのレールについて)
「イスうしろに下る」
シート右側のレバーを引くとレールに沿ってシートが下るみたいです。
 
  
メルカヴァエクスワィアー内部.(1)
  
永野氏が描いたメルカヴァの設定画で、左上に(解説)と書かれた補足用設定画。
砲塔内のローダー(装填手)とコマンダー(車長)のシート回りの設定画が書かれている。
  
シートには、左上に永野氏の字で「メルカヴァエクスワィアー内部.(1)」とタイトル、右下に「くりす.6/21.83」とサインが書かれている。
メルカヴァ(4)の設定画は6月4日に書かれており、2週間程度後に追加で書かれたものと思われる。
  
この設定画は今のところ書籍などに掲載されているのは確認できていない。
当時スタッフ用に配布された設定集にはシートがそのまま掲載されている。
  
主にローダーと車長のシート回り・コンソールパネル、主砲軸部が斜めの視点から詳細に描かれ、それぞれの箇所にその装置の名称などが書き込まれている。
  
(ローダー周辺について)
「リモコン用スコープ」「リモコンMG42」「ボリューム.発射速度を変える」
ローダーの頭上に設置されたマシンガンについての書き込み。
リモコンによる自動狙撃式ではあるが狙撃方向を確認できるスコープと発射速度を調節できる機能があることを読み取ることが出来る。
  
(砲塔頭頂部に設置された丸い排気口について)
「ガス抜き穴」
メルカバ全身の設定画で確認できる砲塔ハッチ付近に描かれている円形の排気口が、砲塔軸部から排出されたガスの排出口であると補足設定されている。
  
(主砲軸部の円筒状の装置について)
「ちゅー退器」「同軸機銃」
主砲のすぐ横に機銃があるらしく、おそらく諸元表に7.62mmG3マシンガン(MG42)が2器あると書かれていること。
このマシンガンが主砲付近もしくは主砲内部に設置されているのではないかと思われるのだが・・。
 
(砲身部の各種装置について)
「レーザーレンジ」「レーザーガイドスキャナー」「防じゅん」
砲身根元部分の長方形のへこんでいる箇所がレーザーガイドスキャナであるらしい。
ちなみにそのスキャナが設置された根元部分は防じゅんと書かれているが、「防盾」と書き、その名の通り敵からの攻撃を防ぐ装甲板を意味する。
  
(車長のスコープについて)
「カニングスコープ」「メインスコープ」「間接/直接用スコープレクチル」
砲塔部から突き出ている三角錐状のスコープのモニターが車長側のコンパネ上に伸びており、車長がこのスコープで目視索敵を行っていることがわかる。
ちなみに「レクチル」とはスコープなどの画面に直接マークされた印の意味で、距離などを示すゲージバーがスコープ上に書かれている。
  
(車長コンパネ部について)
「弾選択システム」「引き金」「安全装置」
「コマンダー用.砲塔旋回ハンドル.上下で砲塔の上下.左右傾けると旋回」
車長の操縦桿に主砲のトリガーが設置されており、コンパネに射出する弾丸を選択できるスイッチが設置されている。
操縦桿はH型の両手で持つタイプで、砲塔の方向も調整できるという設定が書き込まれている。
ちなみに、主砲は滑空砲以外の弾についての設定が確認できていないので、もしかしたら主砲同軸に設置されているらしい機銃との切り替えスイッチであるのかもしれない。
  
(車長席周辺の装置について)
「コマンダーシート」「エスケープハッチ」「3連倉」「非常用発火ボタン」
車長の座席シートが「コマンダーシート」という設定、足元のハッチが砲塔下の操縦席への脱出口であることがわかる。
「3連倉」という書き込みは砲塔軸部に書き込まれており、主砲がそのような機能であるのかもしれない。
他にも、脱出後に鹵獲防止を目的とした自爆装置も設置されている。
  
(車長右側に設置されたコンソールパネルについて)
「メインコンピューター」「(スタビライザー.弾道計算機)」
照準機能を司るコンピューターが別に設置されている。
  
(砲塔旋回機構部について)
「ターレットモーター」「ターレットギア」
砲塔を旋回させる装置の場所について書き込まれている。
 
  
エスクワィアー内部(2)
  
永野氏が描いたメルカヴァの設定画で、左上に(解説)と書かれた補足用設定画。
エクスワィアーの車体部内部とトーションバーアーム(キャタピラ軸ホイールを固定する部品)が1枚のシートに描かれている。
  
シートには永野氏の字で左上に(解説)、右下に「エクスワィアー内部(2)」とタイトルが描かれている。
このシートはタイトルのみで現在永野氏のサインが描かれていないので、この設定画が描かれたのがいつであるのかは不明。
*サインは無いが、書き込みが永野氏によるのが明白であり、内部(1)のシートに永野氏のサインがあることから、この(2)のシートも永野氏のものであると断言できる。
  
ただし上記のタイトルが書かれたシートは書籍などには掲載されておらず、現在の所当時スタッフ用に配布された設定集でのみでの確認である。
  
(車体内部左側面の設備について)
「フェンダー上.工具が入ってる.」 「コンピューターブロック.下部.重油(燃料)」 「色々入る.BOX.下部水タンク」「備品いれ」
車体内部左側に設置されたドライバー席の後ろに設置された設備についての書き込み。
ほとんどが壁に埋め込まれて設置されている。
  
(車体内部右側面の設備について)
「バッテリー.下部は電装機」 「予備砲弾入れ.」
こちらもすべて壁際に設置されている。
ちなみに車体部中央に設置された砲塔基部の右側にちゃんと砲弾を投入できる装填口が描かれている。
  
(車体内部前側の設備について)
「ギアーBOX及びクラッチ」 「エンジン×2 キャブレーターとエアークリーナーしか見えない」
車体前側は部品がぎっちりと設置されている。
「インフォメーション」
運転主席と反対の右側にコンソールパネルが設置されており、、色々な情報が確認できるようになっている模様。
  
(車体内部後ろ側の設備について)
「下部燃料タンク」「シート」
機体後部には向かい合う形で左右に数人ずつ座れるシートが設置されており、戦車兵以外の兵士が車体部に乗り込むことが出来ることが確認できる。
永野氏が描いた諸元表にもエスクワィアーの乗員は、3名+後部8〜12名と設定されている。
「ABC対応システム←A.核.B.ガス.C.化学、エアークリーナー」
天井部にキャリアビークルと同様に汚染物質除去装置が設置されている。
  

掲載雑誌
コミックボンボン1984年3月号 P406
設定画(完全・一部) 書き込み(完全・一部) タイトル サイン
メルカバの設定画が数点(全身図と砲塔後部図)掲載されている(ただしサインなどは確認できず)  
マイアニメ別冊テレビレーダー1984年6月号 P22
設定画(完全・一部) 書き込み(完全・一部) タイトル サイン
メルカバ全身図の設定画が2点掲載されている(ただしサインなどは確認できず) 
アニメック1984年7月号 P54
設定画(完全・一部) 書き込み(完全・一部) タイトル サイン
メルカバの設定画が数点(砲塔後部・コクピッド・全身前面)トリミングされて掲載されている(書き込みは残されている)。
アニメック1985年5月号 P61
設定画(完全・一部) 書き込み(完全・一部) タイトル サイン
メルカバの設定画が数点(砲塔後部・潜水図・全身横面・TOWミサイル射出図)トリミングされて掲載されている。
Newtype2002年2月号 P22
設定画完全一部) 書き込み完全・一部) タイトル サイン
永野氏と安彦氏の対談記事内に設定画が1点(各部装備)で掲載されている(永野氏のサインが確認出来る)。
THE FIVE STAR STORIES ISSUE P100  THE FIVE STAR STORIES OUTLINE P102
設定画完全一部) 書き込み完全・一部) タイトル サイン
2枚設定画(各部装備・メルカヴァ・エクスクワイアードライバーズシート回り)が完全な状態で掲載されている。他にも永野氏によるメルカバに対してのコメントあり。
巨神ゴーグメモリアルアートワークス P148
設定画(完全・一部) 書き込み完全・一部) タイトル サイン
2枚設定画(各部装備・メルカヴァ・エクスクワイアードライバーズシート回り)が一部掲載されている。
 
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