幽界について

 人は亡くなり、この世を去ると幽界に行くといいます。その最初の入り口が中有界とも言われ、あの世とこの世をつなぐ、中間的な一時滞留界に他なりません。ここでは、肉体人間時代にしみ込んだ心のしがらみを整理し、またこれから行くであろう幽界や霊界に順応するように心身状態を調整するところであります。一般的にいえば、四十九日の法要あたりまでには己の定住界へと旅立つわけですが、必ずしもそうはゆかず、いつまでも中有界にたむろする未成仏霊も多くいるようです。

 げに恐ろしきは、現世と他界のありようも悟ることなく他界した未練霊であり、関係のない人々をも巻き添えとするのであります。人間はそれぞれの正しい自己を心がけて生きれば、悪霊とて恐るるにたりませんが、全人生を張りつめて生きるわけにはまいりません。そのためにはいかにしたらよいでしょうか。それにはごく一般的な方法としては、常にその人と行動を共にしている守護霊を活性化しておくことといえましょう。
 守護霊は誰にでもついております。問題はその事実を知らずにいるため、ないがしろにしてしまい、有名無実の状況となっており、その影響力を行使できないようにしてしまっている場合が多いようにも思えます。たとえ目に見えなくても、守護霊の存在を意識して、朝夕に感謝の念を語りかけ、事に臨みその意を守護霊に発信しておけば、絆は深まり、それなりのガードはかためて下さるでありましょう。

 さて、幽界とは幽体を代表として生活する世界であります。幽界には大別して三つの界層があり、下から第一界層、第二界層、第三界層と上方に展開しています。そもそも地球が形成され、諸動物が発生するに伴い、動物魂の輪廻転生が行われるようになった時、初めて形成された他界は暗黒界でした。その後、次第に動物魂も向上し、暗黒界層の上に幽界なる界が形成され、その時点でまずできたのが、他ならぬ第一界層であったのです。
 以来幽界は魂の向上に伴い、第二界層、第三界層と形成されたわけで、人類は後発動物であるがゆえに、半ば向上した魂を受け継いだ形であり、暗黒界はすでに人間には無用の存在となっていたわけであります。したがってこの第一界層幽界が、人間が関わる最低界層であり、その意味では俗に言われている地獄界に比定できるかもしれません。しかし、それなりの生活意識的なものも感じられる世界でもあります。
 そして、幽界第三界層は、いわば現世から旅立つ人々が、最も多く入る界層です。

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