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新旧プリンター比較 2018年末発売のプリンターを旧機種と比較する （2018年8月23日公開）
キャノンのPIXUS TS8230  はPIXUS TS8130の純粋な後継機種というべき製品だ。見た目が、上位機種PIXUS XK80やPIXUS XK70と同じ本体となって大きく変わったが、機能面ではどういった違いがあるか細かく見ていこう。
PIXUS TS8230 はPIXUS TS8130の後継という位置づけで、販売開始時の価格も同じ30,880円だ。では、プリントの基本機能である、画質と速度、印刷コストを比較してみよう インク構成や印刷解像度、ノズル数や、インクカートリッジ、印刷速度は全く変わっていない。インクカートリッジに関しては説明が必要だ。一昨年発売のPIXUS TS8030では371/370番インクカートリッジを使用しており、大容量インク（371XL/370XL）と標準容量インク（371/370）が利用できた。当然大容量インクの方が印刷コストは低かった。去年発売のPIXUS TS8130では381/380番インクカートリッジとなったが、標準容量インク（381/380）と小容量インク（381s/380s）の2種類となり、大容量インクは顔料ブラックのみ用意された。標準容量と小容量では標準容量の方が印刷コストは低いが、全体的に印刷コストは上がってしまった。今年は新たに、染料5色にも大容量タイプが用意されることとなった。つまり全色で大容量、標準容量、小容量が選べるようになったのだ。ただし、371/370番の時とは異なり、大容量インクと標準容量インクでは印刷コストに差はない。つまり、交換の手間が少なくなるというだけだ。印刷コストがそのまま大容量になったので、カートリッジ価格は高めで、従来よりあった顔料ブラックは1,630円、染料5色は各1,740円となり、全色そろえると1万円を超えてしまう事となった。なお、PIXUS TS8130でも今回発売の大容量インクを利用できるため、単にインクカートリッジのバリエーションが増えたという形となる。ちなみに、L判写真の印刷コストなどは、前述のように大容量インクを使用しても同じだ。一方、A4カラー文書の印刷コストが9.6円から9.9円に上がっているが、これは使用するインクカートリッジの組み合わせによるものだろう。PIXUS TS8130が発売された時点では大容量インクは顔料ブラックしか存在しておらず、大容量の顔料ブラックと、標準容量の染料5色を利用した印刷コストだったのだ。PIXUS TS8230 は、全色で大容量、または標準容量にそろえて印刷した場合の印刷コストなのだが、L判写真では同じなのにA4カラー文書では少し高くなってしまうようだ。逆に言うと、PIXUS TS8130でも大容量または標準容量にそろえた場合、同じく9.9円になると予想される。
とPIXUS TS8130の給紙、排紙機能を比較してみよう。基本的な給紙、排紙機構は変化していない。給紙可能枚数も同等だ。また、前面給紙カセットは普通紙のみという制限も変わらない。使用できる用紙サイズも名刺サイズからA4サイズまでというのも同等だが、SNSなどでよく見かける「ましかく写真」をそのまま印刷できるよう、新たに89×89mmの用紙に対応した。従来も127×127mmの用紙には対応していたが、より小さなサイズにも対応した形だ。また、オリジナルマグネットシートにも対応したが、これはPIXUS TS8130でも使用できるため、単なる純正用紙のバリエーションの追加に過ぎない。
続いて、PIXUS TS8230 とPIXUS TS8130のその他のプリント機能を比較してみよう。自動両面プリントや自動電源オン／オフなどの機能に違いはない。唯一、CD/DVD/BDレーベルのトレイ差し込み口を利用した「オリジナルネイルプリントシール」に対応した点が違いだ。
のスキャン機能もPIXUS TS8130から違いは無い。解像度なども同等だ。
PIXUS TS8230 とPIXUS TS8130のダイレクト印刷機能を比較してみよう。いずれもSDカードから印刷できるという点は変わらない。各種デザイン用紙をプリンタ単体で印刷できる機能も、写真を利用したカレンダーと、14種類の定型フォームは同等だが、PIXUS TS8230では新たに「組み込みパターンペーパー」に対応した。カラフルなパターン模様を全面に印刷できる。スクラップブックの台紙やブックカバーなどに利用できるという。
続いて、PIXUS TS8230 とPIXUS TS8130のスマホ、クラウド対応を比較しよう。まず、対応端末に関してはAndroidのバージョンが4.1ら4.4、iOSのバージョンが9.0から10.0になっているが、これは本体の発売時のアプリの対応バージョンなので、現在のアプリの対応バージョンは両機種ともAndroid 4.4／iOS 10.0以上となる。また、新たにスマートスピーカーに対応、音声操作でナンプレや塗り絵、レポート用紙、チェックリスト、五線譜などを印刷できる。ただし、これはPIXUS TS8130も対応したため、PIXUS TS8230の進化点ではない。同じく、「PIXUSトークプリント」というアプリも追加されたが、こちらもPIXUS TS8130でも利用できる。LINEを利用した写真印刷方法だ。プリンター本体に表示されるQRコードから、PIXUS TS8230をLINEの友達に追加する。あとは写真をトーク画面から送信するとプリントされる仕組みだ。
PIXUS TS8230 とPIXUS TS8130のコピー機能は同等だ。機能の追加・削除はない。
とPIXUS TS8130の操作パネルやインタフェース、本体サイズなどを見てみよう。本体は、PIXUS TS8130の下位モデルと似たデザインから、PIXUS TS8230では上位モデルPIXUS XK80や去年のPIXUS XK70と同じデザインとなった。全体的に角が丸まっていたPIXUS TS8130から、角張ったデザインに変更され、また継ぎ目が少なくなったため、全体的にすっきりした印象に変化した。カラーバリエーションもブラック、ホワイト、レッドの3色というのは同じで、前面、側面、天板から、前面給紙カセットや背面給紙トレイのカバーまで同じ色なのはPIXUS TS8130と同じだが、PIXUS TS8230では、SDカードスロット部とその逆側（前面給紙カセットの左右）だけシルバーとなっている。デザインが大きく変わった一方で、液晶サイズやタッチパネル操作、角度調整が可能な点などは同じだ。対応インタフェースや対応OSも変わらない。本体サイズは奥行きが5mm小さく、高さが1mm大きくなったが、目で見てわかるほどではないだろう。PIXUS TS8230 はPIXUS XKシリーズの本体デザインに変化したため、見た目は大きく変わった。一方、機能面での進化は非常に小さく、大容量インクが新たに用意されたものの、旧機種でも利用でき、しかも印刷コスト面では得にならないというなんとも微妙な状況だ。同じくマグネットシートプリント対応とスマートスピーカー対応、LINEを利用したPIXUSトークプリントは、今年からの新機能だがPIXUS TS8130でも利用できる。89×89mm用紙とオリジナルネイルプリントシール対応、組み込みパターンペーパーの印刷に対応したマイナーチェンジモデルといえるだろう。（H.Intel） 【今回の関連メーカーホームページ】 キャノンhttp://canon.jp/ 
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