ジェフ・オレンジ ロングインタビュー・4

◆ 曲作りや歌詞について

ジェフ君は曲作りの天才との呼び声も高いですけど、大切にしてることってありますか?
曲が出来た時に「こんなのもうできないかもしれない、マジックだな」って思うのがいい曲の基準だけどどこを基準に思うかも感覚の問題だからわかんない。イカさない曲はマジックを感じない。ショーで一回やってやめたり、やらなかったりする。

メロがいいとか、そういうことって意識以前にもう当たり前って感じなのでしょーか?

高校の頃からずっと曲先行で作ってたんだけどここ5〜6年は歌詞と曲ほぼ一緒で作るようになった。例えば「イジメタイ」って言葉と同時にイジメタ〜イ♪って曲が出てきたり、だから歌いたいことがなければ曲ができなくなってるのは問題かもしれないけど問題じゃないかもしれない。伝えたいことを曲にするようになったんだよ。・・・誰にとかじゃないよ、曲として。ラブネームつけようぜってテーマが決まって、曲ができてくる。

歌詞はいつもすごく他にはない世界で随所にキラキラやDOKIDOKIが隠されてますね。

言葉は自分で使ったら嫌な言葉、恥ずかしい言葉は使わないでできるだけ普段ぽい言葉でとか、人があんまり使わない言葉とか視点であればいいとはかすかに考えてるかな。

今の方が誰にもわかるような言葉を難しいことしないで使っているのになんとゆーかシャムロックの頃の方がむしろ説明的に聞こえてしまったり。
昔は曲のあとからディレクターとぐちゃぐちゃ考えてすごい直しとかされて、何かこじゃれたイメージが音に乗っかってればどーでもいいかんじ。だから今歌いたい曲ってほとんどなくて、歌いたいことを歌いたい言葉で表現できてなかったしやっていなかったな。今は基本的にラヴソング。君が好きだからってことだよね。

共感する作詞家はいますか?
ん〜、特に誰ってことはないけど、校舎の隅でとかリバウンドを取りに行くあの子みたいなのは好きだなあ。青春が好き。今でも青春みたいな。どうしても大人になると具体的にしなきゃいけなくてそうはいられなかったり、でも歌はなんでもできるんだ。キャロルの歌詞みたいな「君はファンキー・モンキー・ベイベー おどけてるよ」ってなんの意味もない、身も蓋もないのも好きだし、郷ひろみの歌詞作ってた岩谷時子・・・太陽・・夏と太陽とか好きなのかな。他人の曲聴く場合心トキメクとかキラキラしながら胸が痛いってイメージは大好き。だから意識の下でそういうの書こうと思っているとは思うよ。

サウンドも?
サウンドも歌詞も含めてトキメキとDOKIDOKIとのある曲が好きだね。

人に詞や曲を書いたりすることもありますよね?それはまたちょっと違うんですか?
人に書くときは具体的に、○○のどの曲みたいなイメージとか言われたりするからね。ただ今まで曲も歌詞も提供っていうのはSMAP(アルバム「SMAP002」で4曲提供)だけなんだよね。曲だけ提供が基本でそんなにはこだわってないし、向こうが望むものが作れたらいいなと思うだけだな。SMAPの歌詞は全然今自分でも歌えるんだよね。すごいね。

ショーでもたま〜にやってますね。ティーンエイジ感そのまんまで全く違和感無く。
ティーンエイジ感なのかな、今歌いたいのは。純粋感とか?きっとその辺だね。

オレンジズのショー、見たことない人は是非観たらいいなと強く思うのですが・・・
あー、愉快だよね。ショーをやるのはすごい好きだよ。基本中の基本なんだけどアンプにギターつないで音出して歌って、それをみんなが見てて、それはすごく、楽しいことなのね。お客さんが多ければ多いほど嬉しいけど・・・ショーとかライブとかって、見る側だとしてもやる側だとしてもどこかに連れて行って欲しかったり、ふだんの生活ではないどこか行きたかったりするわけ。・・・できれば天国と思えるような空間に。もちろん連れて行くべきなんだけど見る側も・・・ヤル、ヤラレルみたいなのと同じで無反応じゃ・・・ダメじゃん。私は楽しんでるんだ、喜んでるんだってゆーのを表現してくれた方が嬉しいな。

その気になれと。
そう、お互いがその気になってはじめて熱狂できるからこっちもその気で行くんでそっちもその気になってきてくれると嬉しいな。寝てるだけじゃダメなんだよ。全部を任せるなよ。

なんの話でしたっけ。
ショーの話(キッパリ)。未だにほんとに難しい、生ものだなーって思うけどやっぱりCDに入りきらないものもあるじゃんかー。それは是非見に来てください。レコーディングとは違ったマジックが起きる瞬間があるんじゃないかなー?

今後のことを聞かせてください。

最近海外でウケがいい曲を英語で録音したの。それが入ったコンピCDが出る予定です。そのオムニバス聴いたキャピトルレコードからシングル切る話が来て、大ヒット、世界的一発屋!だと愉快だね。目指すはナック!ネーナ!あとは・・・いい曲を作りたい。大まかに言うとどんどん変わっていくグループとずっと同じグループがあるじゃん。たぶんずっと同じなんだよ。ラモーンズみたいな。多少は変わってもいつでも間違いなくそこにいて、その中でいい曲つくっていいアルバムを作っていいショーをやって・・・でももっともっといっぱいの人に聞いて欲しいなーーーっ!!自分では世界的にも日本的にも今唯一無二のすごくいいグループだと思っているからバンバンやっていきたいな。

(2004年夏)