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  作品と解説 19


  魯迅宝塔詩






1902年の4月に魯迅は、官費で日本に留学した。
今から百年前のことだ。

1903伝春から1904年にかけて同宿した学生の記録によれば、
当時の留学生のある人数が
軍事を学んで帝国主義と封建主義の手先になることに反対し、
卑俗な詩を作って揶揄したという。
その中の一つがこの宝塔詩で、
東京の成城学校で軍事を学ぶ留学生を風刺したものだそうだ。

宝塔だからお寺の高くそびえるように書いても良いのだが、
ピラミッドを連想して書いた。


一種のお遊びなので、とり立てる程のものではないが、
時にはこんな余興も許されるかと思う。
今から11年前、ひつじ年の春に書いて、
第26回北城書社展に出品した。



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