孟母断機   篆書  第37回北城書社展出品作
139×70×2
 世に孔孟の道といい儒教を指す。亜聖といわれる孟子(前329〜289)には、教育ママゴンの

母親がいた。孟子が帰って来た時に、母親は糸を績いでいたが「学業はどこまで進んだか」と

尋ねた。「今まで通りです」と答えると母は、刀で織り機を切断した。びっくりして何故ですか?

と問うと、母は「あなたが学問を途中で止めるのは、私がこの機(はた)を断つのと同じです」と

お説教をした。」

 有名な「孟母断機の戒め」である。

 叱られた子供の慎ましさを考えて、篆書としてありふれた小篆で字粒を小さ目に、余白を広め

にして明るく書こうとしたが、どうだったか。
 
 金文53字の中に同じ字が何回も出てくる。孟が6回、子が4回。母や学など3回出てくる字が

4つ、2回の字が7つ。こういうことは、書き難い部類に入るのだが、工夫も何もせず淡々と書こ

うとした。(2002年3月)




作品と解説 
孟母断機
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