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No.19  9月24日

泳いでいるのか?溺れているのか?

この題で自由に書いて良いと言われたのでピンチヒッター、寿子が書きます


清明の健康法は水泳です。

高島平スイミングスクールの古株四天王の一人です。
と言うことで、かれこれ20年余のキャリアと言うことになりますか。

かつて私もいっしょに通っていたので
その英姿が目に焼きついております。

まず準備体操がふるっています。
高校時代に「手長足長」と言われていたというだけある
か細い手足を出来るだけ年寄り臭く
よっこらしょ、と上げ下げします。
「少しは頑張れ、みっともない。
それじゃ、準備体操にならないじゃないか」
と他人のような顔で見ていました。

では、いよいよ、コースロープの張られた
プールに入りますよ。
コースの真中ヘンで四天王の何人かと
長ったらしいお喋りです。
あでもない、こうでもない、と評論がとにかく一人前、
コーチ顔負けなのです。

「それじゃ、ひとつ泳いで見せてよ」
では、いよいよ清明のアメンボ泳ぎの始まりー。

平泳ぎ。足が沈んでいて見えません。
水中で見ていると瀕死の魚が漂っているようです。

クロール。腕が水面から10cmも上がっていません。
背泳ぎ。けっこう上手。スイミングで最初に習ったのがこの背泳ぎだったせいか。

しかしきわめつきはバタフライです。
だいたいバタフライなんていうダイナミックな泳ぎは
清明さんには無理なんじゃないでしょうか。

平泳ぎでさえ下半身が沈んでいるわけですから
バタフライなんかが出来るのでしょうか。
出来ます。

腕をバチャバチャと「助けてくれー」という感じで
掻きますと、いちおう沈まないで浮かび上がります。
しかし、肩が出ません。
違反と言われていないようなので、こういうバタフライもあるのでしょう。

プールサイドで見ると異様な泳ぎ方をしている人が清明さんなので
すぐ分かります。このプールの看板男なのです。

マスターズ大会にはせっせと出場しておりました。
その度に自己新記録を更新しつづけるファイトマンではありますが、
恥知らず、という言葉もあります。
まあ、あまりの下手さ加減ゆえ、始めのうちは上達も目に見えるもののようです。

「コースの真中での立ち話はやめて、もっとまじめにやりなさい」
とコーチに代わって忠告しましたところ
その後は他の人と一見では区別が出来なくなってしまいました。
つまらないことになりました。

本人曰く、
「こんな下手なのがいると皆上手く見える。」
「大会になると何故かお呼びがかかる。
ビりは確定だからみな安心してエントリーできる。」
中には「あんなタコ泳ぎに追いつかれるなんて恥だ。」という人もいた。

そういえばこのごろは大会には出場していないようです。
自己記録が更新できなくなったのかしら。

でも泳いでいます。
とにかくよく続いています。