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No.20  10月1日

            (はな)の誕生日          

次男の娘、つまり私の孫だが、
華はきょう10月1日で満2才になる。
長男の娘の優香に後れること1か月。
めでたいことだ。

10月1日は中国では建国記念日の「国慶節」であり、
10億人以上の人が祝う、めでたい日である。
「おめでたい」のは「バカ」に通ずるとはいえ、
やはり「目出たい」。
1949年10月1日、毛沢東主席は
「中華人民共和国、今天成立了」
と天安門の楼上で宣言した。


美声には程遠い、ややくぐもった低音ではあるが、
ゆっくりと喜びをかみしめるかのような声音だったので、
録音で聞いてもよく聞きとれた。
悪評高い「湖南なまり」も気にならなかった。
それから30数年目、華は2歳になる。

「国慶節」は中国では特別な祝日で
「連休」になる。

華は親子三人で上海に住んでいるが、
連休を利用して

風光明媚な黄山(安徽省東南部)へ旅行するという。
古来、水墨画の題材としてよく描かれた
幽玄な世界だ。

神秘的な自然の恩恵を堪能することだろう。

華は、動作も言葉も積極的で、
失敗を恐れない快活さがある。

肩をいからせ「威張って」歩く。
誰のまねをしたのか

いっぱいしのオアニイサンのように歩く。



 

5月の連休に私と妻とは上海へ行って
息子夫婦と華と束の間の休日を楽しんだ。
「水の都」と評判の蘇州へも一日足をのばしたが
土ぼこりと排気ガスがひどかった。
活気があるといえばそれまでだが
なんとも空気が息苦しいようで
健康に悪影響が出ないように
何らかの対策が必要となるだろう。

中国共産党の第一回代表大会の旧址を
三十数年ぶりに訪れた。
当時のアパートの一室の隣が
立派な展示施設になっていた(写真)。
周辺もそれ相応にモダンな街並みで
ヤングカップルが憩っていた。

上海も人が多く、「人山人海」の休日だったが
やはり空気は清浄とは言い難く
日本の「川崎ぜんそく」のような
健康障害が顕在化するかもしれない。

そんな中でも華はたくましく育ってくれることだろう。
タクシーに乗れば、運転手に
中国語で
「右へ曲がれ」「真っすぐ行け」「お勘定は?」
とデタラメに指示しているくらいだから。