私の危惧は杞憂に終わった。２対０で勝つとは楽勝といえる

スコアだ。しかし、勝利の伏線は前半の０−０にあった。相

手の攻撃が、三味線を引いているとしか思えなかった監督

の言葉通り、消極的だったことが日本の勝利の遠因だ。　　

前の試合と同じようでは危ないと私は言ったが、後半に

新しいカンフル剤を注入したトルシェ采配が見事に的中

した。私が買っていた森島が先制ゴールを決めたのには

歓喜した。ゴール中央から右へ走り、短い足をよく回転さ

せてゴール左隅へ決めた。森島らしいプレーだ。二点目の

中田のヘッドも、キーパーの足元をねらうという鉄則を実行

した。見事なものだ。中田の本領発揮といえよう。

大会前には日本の左サイドが華やかに論じられていたが、

この二点とも右サイドからの折り返しがアシストになった。

アシストに名前は出ないが二点とも、鈴木の動きが関係し

ていた。陰のアシストとして鈴木をほめるべきだ。もちろん

決めた森島と中田、アシストの市川のプレーは賞賛される。

特に言いたいのは、「ジョーカー」森島を使ったトルシェ采

配の妙だ。精力的に動き回る（それを私は買っている）森島

を後半に起用して成功したわけだ。

火曜日のトルコ戦は厳しいゲームになるだろう。残り１５分

まで、三枚目のカードは切らずに残しておけたら勝ち目も

あると思うが、さてどうだろうか？

昇り調子の日本チームだから、トルコにも勝つだろうが、今

度はサントスの活躍も見てみたい。本当は中山にもゴンゴ

ールを望みたいところだが、アシスト役に回るに違いない。

誰がゲットするか？楽しみだ。