2007年12月1日。 テレビで、久地円筒分水の水を抜いたところを見学できると言っていたので、行って見ました。
国登録有形文化財「二ヶ領用水久地円筒分水」は昭和16年(1941年)に作られたもので、 二ヶ領用水から送られてくる水を根方掘、久地掘、六ヶ村堀、川崎掘の4方向に、 耕地面積に応じて正確に分配するものです。 水量をめぐる争いがあったため、正確な分水が必要だった様です。 円筒の中心部から周囲に水を均等に流し、 円弧の長さの比率で正確に分水する構造になっています。 比率と言ってもほとんどが溝口方向の川崎掘に流れています。
昨年、調査したところ、コンクリートのひび割れや穴が発見され、 補修が必要とわかったため、水を抜いて補修することとなったそうです。 水が抜かれたのは作られて以降初めてで、66年ぶりに構造が見えるようになったそうです。
行って見ると、円形のコンクリートの物体がありました。 中心部に向けて仮設の通路が作られていて、中心が覗けるようになっていました。 中心部は四角い深さ8mの穴で、底から上流方向に直径1.5mの穴が2つ開いていました。 1.5mなので何とか歩けそうです。 聞いた話では、昔は、潜って通り抜けたツワモノがいたそうです。
上流の二ヶ領用水をみたら、取水口まで水が来ていませんでした。 どうやら出口の水門を開いて、水面を下げているようです。
取水口と円筒分水の間には平瀬川があり、その下を水を通すようになっています。 この平瀬川はもともと溝口方向に流れていたのですが、 洪水を防ぐために、昭和20年に津田山台地の下にトンネルを掘り、 多摩川へショートカットするように流れを変えた人口の川です。 昭和45年に2本目のトンネルを掘ったため、現在トンネルは2つあります。
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