2008年5月16日、勝鬨橋の見学に行きました。 "open! architecture"というイベントの一環です。
昭和15年に竣工した勝鬨橋は、幻になった東京で開かれる万国博覧会へ入場するための通りとして作られたもです。 中央がハの字型に開く可動橋です。 平成19年6月18日に国の重要文化財に指定されました。
橋のたもとにあるかちどき橋の資料館が集合場所です。 この資料館は、元々橋を動かす電力を制御する場所のようです。
資料館の内部には交流モーターと直流発電機が軸でつながったものが2機置いてありました。 勝鬨橋の橋の上下は直流モーターで行っているそうで、 交流を直流に変換するためのものだそうです。 今ならダイオードで作られた整流器を通せば簡単に直流が作れますが、 昔は機械的だったんですね。
建物の3分の1ぐらいは2階があり、2階には電力制御盤がありました。
黒い鉄板に円形のメーターが並び、ごっついスイッチがいくつも付いていて、
昔のマンガに出てきそうな物です。
何度か修理されているようで、竣工時のオリジナルとは違うメーターが付いているものもありました。
昭和52年までは電気が来ていたそうですが、今は電気が通っていません。
資料館内の説明後に、ヘルメットと安全帯をつけて、橋に向かいました。 歩いてわかったのですが、両側の橋は頑丈ですが、稼動橋部分は結構揺れます。 可動橋の合わさっている部分をみると、橋が降りたときに2つの稼動部分を接続しロックするためのロック機構が残っていました。
橋には4つの塔があるのですが、それぞれ運転室、倉庫、宿直室、見張室と役割が分かれています。
資料館から一番近い場所が運転室になります。
まずは運転室に上がって見ました。 運転室にも運転用の装置が残っていました。 運転は全自動でできるように設計されていたそうですが、あまりうまく動かず、手動で操作されていたそうです。 橋をあげる場合、まず電源をオンにし、信号を赤にしサイレンを鳴らして人と車を止め、 稼動橋を固定しているロックを外し、橋を上に上げます。 橋は最初はゆっくり上がりだし、途中早くなり、最後ゆっくり停まるようにできているそうです。 スイッチ類は全て引いて動かすそうです。 壁面の盤の裏を見ると、スイッチを引くとどの回路が動くか、目で追うことが出来ました。
次に、橋の基盤に入りました。
運転室の下に梯子があり、梯子で下に降りることが出来ます。
梯子を降りるときは安全帯に紐をつけて降りました。
下にもぐると、可動橋の軸が見えました。
可動橋は4千トン、バランスを取るカウンターウェイトも含めると8500トンあり、
それだけの重量を軸で支えています。
軸には開閉角度をがかるセンサーが付いていました。
舗装したりすると可動橋の重さが変るので、その時はカウンターウェイトの重さも変えていたそうです。
橋が降りたときの自動車などの活荷重は別に支える点があります。
更に下に下りるとモーターなどの機械と、テニスコード大の空間がありました。 水面下1.5mぐらいに位置しています。 車の走行音でかなりうるさい場所です。 大きな空間は、橋が降りたときにカウンターウェイトが入る空間です。 カウンターウェイトの一部が床に置きっぱなしになっていました。 1つ100〜130kgぐらいあるそうで、手ではもてません。
壁面に橋を稼動させるモーターやギヤがありました。 カウンターウェイトでバランスを取っているので、 橋の重さのわりに稼動用のモーターは大きくありません。 いちを手動で上下させる装置も付いています。 といっても100kgの力で、6時間ぐらいはかかるだろうと言うことで、実用的ではないみたいです。
宿泊室側に上がると、橋の軸の脇に小用のトイレがありました。
さすがに今は使われていないそうです。
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