法律学のための知的「データベース」の構築

2022年10月24日
実務の友管理者 山本正名


1 判例データベース
 判例は、法律の条文解釈に重要な指針を与え、法律に次ぐ重要な事実上の法源となっています。「判例は実務を支配」(中野次雄『判例とその読み方』有斐閣・2007年)しているといわれます。ここでの判例は、狭義の判例を意味し、通常、最高裁判所の判決をいいますが、法律の理解や解釈適用・執行にはもちろん、学習や研究、論文執筆等にも役立っています。
 法律実務家・法学生にとって、法律の解説・注釈書とともに、手元に判例データベースがあって、その判例要旨や判決理由のポイント部分がすぐ閲覧できれば、大いに助かります。
 判例データベースは、今日では、ネットを利用した商用のものがいくつかありますが、膨大な量のデータから検索ができ、その判例の解説や評釈等とも紐付けられています。高額の使用料がかかりますが、法律実務家等の判例検索には大変重宝されています。訴訟(参考)資料として裁判所に提出されたりもします。
平岡敦「判例検索サービス最前線」(LIBRA Vol.9 No.9 2009/9)
木呂子義之「判例検索サービス」(NIBEN Frontier 2015/11)
【弁護士が徹底比較!】判例検索サービスのおすすめランキング(StartupDrive 2022/02)

 それが組織や事務所で利用でき、その使用料金とネット利用環境に心配がなければ、必要な都度アクセスして、目当ての判例情報や関連情報を得ることができます。
 しかし、問題は、そこで得られた判例情報等のその後の利用の仕方です。
 必要な判例データが得られたとしても、それで完了するわけではありません。個人的に、学習又は大学のゼミの整理、答案練習、法律実務の処理、あるいはレポート・論文等の執筆、研修・協議会の資料作成等のため、自分流に編集加工を施したり、紙にプリントアウト又は電子ファイルに保存したりして、後々の活用のため整理と保存を図る人は多いと思います。
 その利用の仕方は、人によってそれぞれ違いますが、裁判手続のIT化が急激に進む時代にあって、必要な都度毎回ネットにアクセスして閲覧したり、手元の紙媒体から検索したりする方法だけで足りるかが、まず問題になると思います。


2 IT時代の知的情報活用
 組織内のシステムで得られた法情報も、その活用と成果は、結局、個々人の情報処理・活用力に依存します。法律学習者あるいは法律実務家等にとって、判例情報の入手後の整理と保存、読みやすくするための情報の書式変換、保存・再活用等のための情報処理ツール=個人ソフトは整っているのでしょうか。
 商用の判例検索システムでは、オンラインで大量のデータから検索・抽出し、関連情報まで取得できるメリットは大きいのですが、「検索」が目的のシステムですから、結局与えられたデータ量、内容の範囲内で法情報を入手するという受動的な利用ということになります。自分から新しい有益な関連データを付け加えたり、並び替えや編集加工をしたりできるシステムではありません。
 一昔前なら、紙ベースのカードやサブノートに手書きして自分で判例を収集・整理・分析をしていましたが(木山泰嗣『最強の法律学習ノート術』(弘文堂・2012年))、法律学学習の基本は変わらないものの、IT技術が普及した現在では、ワープロソフトに書き込み、整理していく方法が多くなっていると思います。しかし、それでもデータの検索や抽出、並び替え、書き換え等の処理が思うようにいきません。
 利用する側では、IT時代にふさわしく、パソコン(何らかの電子処理ソフト)を駆使し、そのデータを編集加工し、パソコン内蔵の自己作成の資料データとも紐付けし、しかも迅速・簡単に呼び出せる仕組み、つまり、個人用の新しい法情報活用システム(電子学習ノート)、自分流の「知のデータベース(knowledge database ナレッジデータベース)」の必要度は高いのではないでしょうか。
 ネットから得られるのは、他人が考えた情報システムからの「与えられた情報」でしかありません。探し回っても常にそこに求めるデータや情報があるわけではなく、最後は、自分の脳内情報による主体的な思考と判断にかかってきます。重要なのは、ネット環境になくても、それを糧に、どう情報・知識を膨らませて整理し、自分自身にとって役立つ、内なるデータベースを自己のパソコン内に構築できるかどうかだと思います。
 かつてパソコンを外部脳といった人がいましたが、パソコン上に自分流の内部的な法情報蓄積・活用の「知のデータベース」を作っていくことは、IT時代における自分流の情報力の基盤構築でもあります。時間はかかりますが、こつこつと作り上げていけば、いずれ自身にとって最強の知のデータベースになるのではないでしょうか。


3 自分流「電子判例データベース」
 法律家としてのプロを目指せば、自分にとって有用な重要判例を選別保存し、必要なときにすぐ引き出して活用できることが求められます。必要の都度、商用の大量データベースの中から目当ての判例を探すのも、検索条件の設定と複数の検索結果からの更なる検索・選別だけでも、手間と時間を要してしまいます。専門的ながら日常よく利用する基本法令の範囲を中心に、これぞと思う資料がすぐ得られ、自分の考えや個性で、次に役立つデータベースに膨らませていくことが重要になります。
 そこでは、有能かつ忠実な相棒ともいうべき、優れたデータベースの知の友、知的情報支援システムが身近にあってほしいものです。プロにはプロの道具が必要であり、自分の眼で学び蓄積した「知のデータベース」、知的情報活用のツールを得たいと思います。
 自分流の「電子判例データベース」を作るには、判例情報を、いかに安く、効率的に取り込むかの問題があります。「安く」という点では、裁判所Webサイトの「判例検索システム」が無料で利用でき、重要な最高裁判例のほとんどは、ここで閲覧でき、電子データも取得できます。これを利用しない手はありません。
 このサイトからコピーして得られる電子情報を基に、判決の特定事項( 裁判年月日、判例集等巻・号・頁等)、判示事項、裁判要旨、参照条文をプログラムで自動抜き書きできるようにし、判決理由の抜粋を付加して、自分流に編集加工できるようにすれば、自作の判例データベースの構築は、それほど難しいことではありません。
検索システム

 その判例の原文データを直接閲覧したい場合には、そのアドレス(URL)を備考欄に一緒に登録し、設定ボタンのクリック一つで見られるようにします。また、根拠法条や関連の法情報を得たい場合は、画面にリンクを張り、e-Gov法令検索、又はGoogle等の検索サイトに直結できるようにしておけば、情報の収集・取得は一層幅広く便利になります。こうした知的なネットワークの構築が、IT時代に必要とされる情報リテラシー(読み書き計算の情報技術活用力)や幅広い法情報の取得、法的思考力の向上にもつながっていきます。
 そうした思いを念頭に、自作で、「電子判例データベース」を中心とした、知的情報活用のツールを自分で作ってみることとしました。
 なお、無料で最高裁判例等の裁判例データが検索・入手できるサイトとしては、ほかに、法務省の訟務重要判例集データベースがあり、こちらは、解説付きの判例集となっています。


4 「判例データベース」と著作権
 裁判例等からデータを得て判例データベースを作る場合、まず著作権との関係を押さえておく必要があります。
 著作権法上保護の対象となる著作物とは、「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」(著作権法1条1項1号)をいいますが、国の機関等が発出する判決(決定)文や法令、告示、通達等は、著作権法上、著作物としての保護対象ではないと定められています(同法13条)。
(権利の目的とならない著作物)
第13条 次の各号のいずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的となることができない。
一 憲法その他の法令
二 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第1項に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。)又は地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
三 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
四 前三号に掲げるものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの

 したがって、判決文や法令、通達等を自由に編集して利用することに問題はありません。しかし、判決や法令等についての解説やコメント文は、創作性が認められ著作権保護の対象となります。個人的利用の範囲を超えて、その部分を複製したり配布したりする行為は、それぞれ著作権者の複製権(21条)や譲渡権(26条の2)に抵触することになるので、ここは注意を要します。
 なお、「データベース」について、著作権法は、次のように規定しています。
第2条 10の3 データベース 論文、数値、図形その他の情報の集合物であつて、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。
第12条の2 データベースでその情報の選択又は体系的な構成によつて創作性を有するものは、著作物として保護する。
2 前項の規定は、同項のデータベースの部分を構成する著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない。


5 「電子判例データベース」構築の隘路
(1) 判例特定の書式
 電子判例検索システムを作る場合、次に、判例の特定方法とこれを前提にした検索の入力方法を考える必要があるように思います。
 最高裁判例の判文を見ると、全角を用いて、通常「最高裁平成29年1月31日第三小法廷判決(民集71巻1号63頁)」のような形式で特定されています。現在の多くの判例検索システムでは、検索入力画面で、裁判所を特定し、裁判年月日として元号、年、月、日の各選択リストから選択入力するようになっています。
 判例の書き表し方では、「法律編集者懇話会」がまとめた「法律文献等の出典の表示方法」(2005年)があり、裁判年月日は「○年○月○日」とするが「○・○・○」でもよいとし、全角の「・(中黒)」を使うことになっています。書籍等では、これに準拠しつつ、スペース節約のため半角数字を使い、間に全角又は半角の「・」を打っているものもあります。全角「・」を用いているのは、おそらく縦書きの漢数字表記を、そのまま横書きにした紙媒体時代の名残りと思われます。
 この書式を前提として、検索システムの検索入力画面で、裁判年月日を元号、年、月、日と分けて入力する方式を採用する限り、「・」を入力する必要はなく、何の問題もありません。
 しかし、これからは、訴訟書類等は全てデジタル化される時代になります。民事裁判のIT化計画では、既に一部の庁で民事裁判書類電子提出システム(mints)(情報処理基幹システム)の運用が開始され、訴訟書類がオンラインで交換されるようになっています。法律書籍も徐々にデジタル化が進行するものと考えられます。これからは、紙ベースの訴訟書類を読むのではなく、パソコン画面で文字を読み、書き、計算する時代になります。
 そんな時代に、パソコン画面の裁判年月日を見ながら、改めて裁判の元号・年・月・日を一々手入力して検索していたのでは、面倒臭くなり、非能率極まりないということになります。法廷メモについて「最大判平成1.3.8 民集43巻2号89頁」という検索結果を出そうとするとき、検索に、連続して「1.3.8」と入力すれば足りるのと、元号・年・月・日ごとに入力するのとを比較してみれば、理解は早いと思います。IT時代には、最小のInput作業で最大効果(Output)が出力されることが求められます。

(2) 裁判年月日の検索入力方法
 IT時代には、デジタル判決書や訴訟相手の準備書面等に記載された裁判例が、元号・年・月・日をそのままコピーして、検索ワードとしてすぐ検索に使用できれば、はるかに効率的になります。
 しかし、検索用語欄に「平成29・1・31」のように「・(中黒)」を使用してキー入力するとした場合、数字の入力途中で「・」を打つのは使いがたく、また、半角の「・」を入力するにも特別のキー入力方法が必要となって、効率的な入力方法とは言えません。
 書籍を見てみると、裁判年月日の記載では、全角又は半角の小数点「.」(ピリオド、ドット)を使用して「最三小判平成29.1.31民集第71巻1号63頁」と表示している例もあり、また、小法廷の区別をなくして「最判」としたり、元号の「平成」を「平」の1字にしたりしているもの、年月日を「29.01.31」のように1桁には「0」を加えている例もあります。日本の官公庁は和暦の使用を基本としていますので、法律書に西暦だけを表記しているものはありませんが、和暦の表記法は必ずしも統一されていません(「判決引用の表示方法」)。いずれ西暦で、4桁の年数を2桁で表記し、「17/1/31」が使用される場合も出てくるかもしれません。
 種々の書き方を許容していたのでは、電子システム利用の時代、効率的な判例の検索はスムースに進みません。
 細かな技術上の話と思う人もいるでしょうが、求められるのは「標準化」です。情報検索では、得たい情報の検索・検出の即時性、即効性も、重要な要素です。「最小のInput作業」には、特別の入力方法や種々の入力方法の許容も有害になります。対面又はリモートで互いにパソコン画面を見ながら情報交換をし文章を読み書きするときに、判例検索に30秒かかるのと3秒で済ませるのとでは、大きな情報処理力の格差となります。

(3) システム利用の知的入力法
 文書中の年月日をそのままコピー&ペーストして検索可能なシステムにしようとする場合、パソコンは文字列の符号の違いを厳密に区別しますから、不統一な表記法では検索不能となってしまいます。その都度、パソコンが受付可能なように修正していたのでは、これまた大変です。
 年月日の記載方法は、事実上横書きに統一されているにしても、法令文書は縦書きであり、次のような書き方が考えられます。  その書式のいずれにも対応できるプログラムを作れば問題は生じませんが、どのようなプログラムを組めばよいのか考えなければなりません。
和暦入力で
(縦書き文書の元号入り、十入り漢数字で)       平成二十九年一月三十一日
(縦書き文書の元号入り、単純漢数字で)        平成二九年一月三一日
(元号&全角数字で)                 平成29年1月31日
(全角数字&中黒で)                 平成29・1・31
(全角数字&中黒で)                  平29・1・31
(全角数字&半角中黒で)                 29・1・31
(全角数字&全角ピリオドで)               29.1.31
(全角数字&半角ピリオドで)               29.1.31
(半角数字&半角中黒で)                 29・1・31
(半角数字&半角ピリオドで)               29.1.31
(半角数字&半角ピリオドで0使用)            29.01.31
西暦入力で、
(半角数字&年月日区切りに「/」を使用)          17/1/31(2017/1/31)
 自作のソフトでは、手入力あるいはデジタル文書からのコピー&ペーストであっても、いずれの入力方法でも、
検索結果として「最三小決平成29.1.31 民集71巻1号63頁」を返すようにします。
 パソコンで、予想される表記法のいずれにも対応できるプログラムを作成することは、システムエンジニアであれば、それほど難しいことではないのですが、一般にプログラムは複雑になれば、その分バグ(プログラム動作の不具合)も生じやすくなってしまいます。
 それより前に、本格的なIT時代を見据え、パソコンという知的ツールの効果的な利用を考え、早期に、判例の表記法の標準化、パソコン入力の省力化はできないものでしょうか。文字表記の多様性と柔軟な表記の許容性は、コンピュータには解読困難と処理の不正確、誤作動を招く原因にもなります。

(4) ユーザーにとって使いやすいソフト開発
 多くの法律実務家はプログラムを作ったことはないし、プログラマー(システムエンジニア)は法律実務のユーザーが何を欲しているのか細部まで知らないのが普通です。
 上記のように、年月日入力方法如何にかかわらず柔軟に対応するソフトの開発を発注するとなると、メーカーの開発コストはその分かさむことになります。システム導入効果をあまり考えない管理者が、「検索の目的と効果さえ達成できれば、普通に年月日を1つずつ入力する方法で足りるじゃないか」と考えると、そのレベルでIT技術、情報リテラシーの進歩は止まり、使いづらいソフトになってしまいます。
 民事裁判のIT化計画では、オール電子化、ペーパーレスを目指すとされていますが、そうであれば、従来の紙媒体を基本にした表記や仕事の処理方法も、入力操作の負担のない電子処理方式に早期に変えていかなければなりません。基幹システムができても、こうした個々人の旧来の考え方や処理方法が変わらない限り、十分な効果は発揮されません。
 これからは、コンピュータソフトや科学技術力が国力を左右し、日々の仕事の処理方法如何がそれを支えます。法律実務家とシステムエンジニアとの密なる連携とコミュニケーション、IT開発担当者、現場管理者や実務担当者のシステム思考やスキル、情報リテラシー、先見力と熱意と工夫等が、今以上に重要になってきます。

ーーーーーーーーーーーーーーーー ☆ ーーーーーーーーーーーーーーーー

6 法律実務家のための情報処理機
 Windows95が発売された1995年、米国ロスの裁判所を見学したことがありますが、日本ではワープロが使われている時、既に法廷や事務室の机の上にはWindows95以前のデスクトップ型パソコンが置いてありました。彼我の落差を感じました。
 技術は一度カタチ作られ、その効果が大きいと意識されると、その後に傾注される英知と熱意で、その進歩は後続の者が容易に追いつかないほど急激に進みます。当初のIT技術力の落差は、その後ますます広がっていきます。
 その約5年後の平成12年(2000年)前後に、日本の法律学インターネット時代の幕開けを告げるように、相次いで次のような書籍が発刊されました。
法情報

左から、
1 高野真人ほか『法律実務家のためのパソコンによる文書作成術 法律文書作成・保存・交換のノウハウ(CD-ROM付)』(ぎょうせい・1999年10月)
2 加賀山茂『法情報学 ネットワーク時代の法学入門(CD-ROM付)』(有斐閣・1999年11月)
3 指宿信『法律学のためのインターネット2000(CD-ROM付)』(日本評論社・2000年1月)
 この後、法情報の在り場所と探し方をまとめた、いしかわまりこ外『リーガル・リサーチ』(日本評論社・2003年)も出版されました。また、平成15年(2003年)には、田島裕『法律情報のデータベース 文献検索とその評価』(丸善)も出版されており、ここには、著者自ら、パソコンを購入してベーシック言語を使い、データベースのプログラムを組んだ経験が述べられております。
 これらの書籍から、この時期、日本でも21世紀にはパソコンによるネット情報庫の活用により、法令情報や判例も容易に取得でき、法律学も大きく変化していくだろうと思われました。ITやネットワークにかける法律関係者の期待と熱意が大きかった時代でした。
 「実務の友」は、これまで、法律実務家の@「調べる(情報収集力)」、A「書く(文書起案力)」、B「計算する(計算力)」の基本的な仕事の要件を、パソコンにより効率的に実現する利用術と工夫を、日曜画家のように個人的に趣味を兼ね、研究してきました。
 ところが、現実の法律実務の意識と仕事の態勢、処理方式は、そう急に変わるものではありませんでした。
 情報の活用は、情報の収集(入手)ー整理ー保存ー検索・取出しー活用の過程をたどるものですが、確かに法令や判例の法情報を「探す」という、検索・入手の点では便利になりました。法律実務では、事件管理システムも工夫され、情報革命といわれるほどの威力を発揮しました。
 しかし、情報の受け手、活用する側の個人主体の情報処理・活用の点で、システム化と情報リテラシー、法的活用能力は進んでいるのでしょうか。得られた法情報の整理・保存と情報のアウトプット、活用の面で、パソコンは、ワープロの機能以上に活用されているのでしょうか。日本は、パソコンやコピー機等のハード面では優秀な成果を得ましたが、法律関係の実務処理や情報交換を促進するようなソフト面の発達は進まず、今では、日本はITに関し後進国とまで言われるまでになってしまったようです。
 あの平成12年(2000年)から20年以上が経過し、今、ようやく民事裁判のIT化が急速に進んでいく中で、上記のような問題意識を新たにして、原点に立ち返り、IT時代の法情報学の一層の発展と実務的な活用の進展を望み、より早く簡単に利用できる「判例データベース」ソフトを個人的に考案してみました。
 判例データベースとして、当実務の友では、拙著『簡易裁判所における 交通事故訴訟と和解の実務』と連動した交通事故判例のデータベース、「判例サッと 交通事故電子判例集」を公開しましたが、これは、ハイパーテキスト方式で、関連したデータへジャンプできる仕組みを利用したものです。
 しかし、この仕組みではデータは固定され、利用者が自由にデータを加除修正したり、データを並び替えや抽出したりして、情報の編集・加工をすることはできません。これでは自分の電子情報と紐付けした知のネットワーク、知的活動の幅も育っていきません。
 そこで、今年6月に、若い頃学んだ岩波全書の鵜飼信成著『憲法』が岩波文庫から復刻出版されたことを知り、どうせ判例検索システムを作るのであれば、これから法律学を学ぶ人に役立つようにと、憲法について改めて目を通し、判例を収集して憲法中心の電子判例検索システムを中心にまとめてみることにしました。
 これから法律実務家として知識と経験を積もうとする、あるいは、素早く最近の判例の傾向をみようとすれば、IT技術を活用し、自分流に法情報を検索収集し、蓄積し編集加工ができる、「自分で作る、自分のための、自分に役立つ知のデータベース」システムを考えた方がよいと思います。
 判例検索システムにより、大量のデータから目当ての判例を素早く引き出すためには、データそのものの形を標準化、定型化し、迅速な情報検索と相互の関連付けの仕組み(システム)作りをしなければなりません。


7 Excelを利用した法情報の整理・活用
基本フォーム
検索システム

(1) ベース利用のソフト
 このソフトは、マイクロソフト社の表計算ソフトExcelのVBA(Visual Basic for Applications)機能を高度に利用してプログラムを組んだものです(Windows10以上、Excel2016以上で操作可能)。VBAは、パソコン操作の自動化を図るマクロに似ていますが、それ以上に細かな高機能の情報処理を可能にするプログラム言語です。
 Excelというと、数値を元にした表計算やデータ処理が得意分野のように思われますが、プログラムの組み方で、文章・文字列の加工処理も行えます。画面上のフォームにテキスト(文字)表示欄を作り、これをカードのように使えば、一定の制約はあるものの、検索や並び替え等のデータ処理は、高度な機能性を発揮します。
 データベースを作るのなら、Excelではなく、データベース管理ソフトAccessを使用すべきとの声も聞こえますが、個人的に扱う通常のデータ量の範囲では、一般的に普及しているExcelで、十分機能が発揮できます。現在の自作システムでは、サンプルとして憲法判例を中心に500件を超えるデータを収録していますが、判例の検索、抽出、並び替え等、複雑なプログラムで大量のデータを処理しても、一瞬で処理してくれます(データ量はパソコンのメモリー量に制約され、処理速度はCPUに依存します。)。

(2) 判例の表記法の工夫
 先に問題にした判例の書き表し方については、自作ソフトでは、大法廷判決は「最大判」、小法廷判決は「最三小判」のように明示し、元号を省略せず、年月日は全て半角にして「.」(半角ピリオド、ドット)を用い、「最三小判平成29.1.31民集71巻1号63頁」のような書式を基本とすることとしています。
 「平成元年」、「令和元年」は、正式にはこのように記載するのが正しい表記法ですが、検索目的のシステムですので、このソフトでは、それぞれ元年は「1年」と数値で表記し、検索入力しやすいようにしています。
 なお、このソフトでは、和暦が西暦何年か、和暦=西暦の対照表は、ボタン1クリックで備え付けの電子「年齢早見表」を表示させ、これにより確認することができます。
年齢早見表


(3) 判例の検索方法の工夫
 裁判年月日からの検索では、上記のように年月日の入力形式が違っていたとしても、プログラムで上記の基本書式に自動修正し、○年○月○日でも○・○・○でも、いずれの書式でも検索可能なように自動変換することとしました。憲法判例では、裁判年月日が同一のものの数は少ない(加えて、昭和年代は22年以前の判例はなく、平成年代は31年4月末までで、40〜64年の判例はない。)ので、ほとんど元号を付けずに年・月・日の入力だけでも検索ができます。
 また、このソフトでは、裁判年月日等を入力して検索をかける検索方法のほか、パソコン上に電子「判例索引」を表示させ、データの全体を俯瞰して、目当ての判例リストをクリックすれば、その内容をすぐ画面に表示させることができるようにもしています。
 番号・項目順を基本にして、時系列で年月日昇順(古いもの順)、あるいは年月日降順(新しいもの順)に索引を瞬時に作成し、この一覧表のリストから、目的の判例をクリックして該当判例を呼び出す仕組みです。
判例索引
(番号・項目順)(年月日昇順)(年月日降順)
検索システム 検索システム 検索システム
各画面をクリックすれば判例索引が拡大表示されます。拡大画面の背景黒字部分をクリックすれば、元の画面に戻ります。

(4) 最高裁判例を音声読み上げ
 このソフトでは、ExcelのVBAによる機能にHTML(Hyper Text Markup Language)のプログラム技術を加えて、ネット情報の入手、活用を図る一方、HTMLに関する知識と興味のある人向きのものかもしれませんが、Excel上の判例文書について、HTMLで重要部分の文字列を好みの色にしたり、太字、下線付き等に編集してファイル保存、呼び出し再編集ができる、HTML簡易エディタ(ソフト)も組み込んでいます。
 当初、このソフトの開発段階では、Internet Explorerを使用してネット・アドレスを自動取得していましたが、2022年6月16日(日本時間)にサポートが終了しましたので、最高裁判例データを取得する場合には、ネット・アドレスのコピー&ペーストの操作が必要になりました。不便になった反面、音声読み上げ技術が相当進歩しておりますので、最新ブラウザ(Webサイト閲覧ソフト)の機能により、簡単な操作で最高裁判例の音声読み上げ(スピード調整可)ができるようにもしています。
 これにより、読み方の分からない漢字も読めるようになったり、自分が書いた文章も、この読み上げ機能を利用すれば、文字の書き間違いを発見したりすることもできます。また、目の不自由な人も、憲法判例の理解が容易になると思います。

(5) 憲法条文の同時表示
 判例を読む場合、そこに引用された憲法や法律の条文を確認する必要があります。手元に「六法全書」を置いて、その都度条文を確認することが大切と思いますが、単に条文表現を確認したい場合には、判例を見ている画面で、すぐに憲法条文が確認できれば便利と思われます。
 「憲法条文」のボタンをクリックすれば、当初は画面一杯に憲法条文が表示されますが、横幅を狭めて表示すれば、次回以降は、そのサイズで表示されるようになります。
検索システム

(6) 自作資料ファイルの呼び込み表示
 このソフトでは、フォームの備考欄に判例検索元のアドレス(URL)を記入しておけば、後にこれをクリックするだけで、直接該当判例の情報源へ自動アクセスし、その判例の詳細を閲覧することができます。
  情報源はオンラインのネット情報に限らず、自分のパソコンのフォルダ内にある参考資料ファイルについても、そのアドレス(ファイルパス)を登録しておけば、見たいときにボタンをクリックするだけで、そのファイルを起動させ、関連づけて閲覧(学習)することもできます。
  その登録は、「ファイル設定」ボタンで開くファイルリストから選択し、備考欄に表示させ、登録します。
  備考欄に登録された情報源へアクセスして閲覧するには、「ListUp」ボタンをクリックし、対象リストを指定(反転)させて、「Go」ボタンをクリックします。

法情報

  自己のパソコンフォルダ内に蔵置して、資料欄から起動できるファイルは、次のようなものです。ただし、そのアプリケーションソフトがインストールされていることを要します。()内は拡張子。
  [1] HTMLファイル("htmlファイル")    [2] テキストファイル ("txtファイル")
  [3] pdfファイル ("pdfファイル")       [4] Wordファイル ("docファイル")
  [5] リッチテキストファイル ("rtfファイル")   [6] Excelファイル ("xlsファイル")
  [7] パワーポイント ("pptファイル")      [8] 一太郎ファイル ("jtdファイル")

(7) データ蓄積型ソフトの開発
 ここでのソフト紹介の重点は、単なる判例データの紹介というよりも、法律初学者が個人的に学習し、あるいは法曹・法律実務家が憲法判例を再確認するのに役立つ、敏速で機能的な「知のデータベース」の構築と実践的なシステムの在り方の考究と開発にあります。ソフト開発の専門家・システムエンジニアの方からすれば、未熟なソフトではありますが、法律実務家の観点からどういうソフトが望まれるのかを知る上では、参考にしていただけるかもしれません。
 法律実務家が議論すると、よく問題点を指摘し、理想を描く論は多くありますが、具体的にどういうソフトが望ましいのか、実物を示して論じた人は皆無と思われますので、一つのソフトを提示して、ご意見、ご批判を仰ぐものです。
 ここで紹介するソフトの仕組みは、必要に応じて、民法や刑法、訴訟法等の判例データベースも、同様の方法で実現することができます。
 また、このソフトの使い方では、授業や講義の整理ノート、紛争の出来事を時系列整理、レポート・論文作成の資料整理、論文・エッセイの資料集め等にも利用できます。答案練習で書き込みをし、音声読み上げで点検したりすることなどにも応用できます。
 このシステムでは、判例に限らず、有益な情報、データについて、利用者のおいて、自由に加除修正し、蓄積していくことができます。
 こうした、「すぐ引ける憲法判例検索ソフト」、「自由に情報・データを加工・蓄積、検索できるソフト」は、高校生くらいから使い始めていたら、将来の為になるのではないかと思います。憲法判例の中身を昭和23年からたどっていけば、戦後日本が歩んだ占領時代の歴史と国家の基本原理、この世の仕組みと国政の問題点、社会の掟が何であり、今後どう考えるべきか等が、具体的な事件を通して理解できるのではないでしょうか。

知的活性化

8 収録した憲法判例の参考文献
 下記の文献に掲載された憲法判例のほとんどは、この判例検索システムの憲法判例に収録済みです。
 この自作ソフトの憲法判例には、備考欄で、ネット資料及び自作の資料に容易に照アクセスできるようにしているので、憲法概説書等を読む場合、必要な都度利用していただくと、判例の一層の理解が深まると思います。ただし、この自作ソフトの判例には、原則として、判例の解説や評釈は掲載していません(判例変更があったものについては、参考資料を一部添付した。)。
 自作ソフトの判例集を閲覧すれば、判例内容の概要は理解可能ですが、判決理由抜粋の部分では、初学者用に、憲法条文の目的・趣旨、法的なものの考え方を明らかにした部分を重視して抜粋しています。
 「判例の要旨」を読んだだけでは、判例を理解したことにはなりません。判例の理解には、事実関係と論点、これに対する裁判所の法的判断を理解することが重要になります(前記「判例とその読み方」参照)。
 ただし、このソフトでは、全ての判決全文を示すことを目的とするものではありませんので、その判文又は裁判要旨から理解が可能な限り、前提となる事実認定部分はカットしたり簡略記載にしたりしています。その判決内容の全部を閲覧する場合には、備考欄に示したネット・アドレスからネット先の原文にアクセスして閲覧します。
 なお、学習・研究等のため自ら収集又は作成した参考資料がある場合には、所定フォルダのアドレス(ファイルパス)を登録しておけば、クリックしてすぐ閲覧することができます。

 1 渋谷秀樹『憲法判例集〔第12版〕』(有斐閣新書・2022年)
 2 長谷部恭男『憲法講話 24の入門講義〔第2版〕』(有斐閣・2022年)
 3 木下昌彦『精読憲法判例ー統治編』(弘文堂・2021年)
 4 芦部信喜『憲法〔第7版〕』(岩波書店・2019年)
 5 長谷部恭男ほか『憲法判例百選T・U』(有斐閣・2019年)
 6 戸松秀典・初宿正典『憲法判例〔第8版〕』(有斐閣・2018年)
 7 木下昌彦『精読憲法判例ー人権編』(弘文堂・2018年)
 8 西村裕三『判例で学ぶ日本国憲法〔第2版〕』(有信堂・2016年)
 9 小山剛・畑尻剛・土屋武『判例から考える憲法』(法学書院・2014年)
10 井上典之『憲法判例に聞く』(日本評論社・2008年)
11 植野妙実子・佐野信行『要約憲法判例205』(学陽書房・2007年)



 9 自作の「知のデータベース」ソフトの機能
 前述の思いをかけた自作の「知のデータベース」ソフトには、当初「e-サッと判例検索」と名付けてみましたが、その後、判例検索に限らず、知的情報の活用庫として、幅広く利用していただければと考え、ソフト名を「JP-リーガルデータベース」に変えました。

 このソフトの機能を一覧的に書き表せば、次のとおりです。
 これらの機能を発揮させるために、Excelのあらゆる機能を駆使してシステムを作ると同時に、多くの判例集により判例検索を可能にしています。
 このソフトでは、法令や判例にある漢数字をアラビア数字に、カタカナ文字を平仮名に変換することが、ボタンのクリック一つでできるようにしていますが、あくまで機械的な自動変換ですので、すべて正確に変換されるものではありません。変換後には点検が必要であることに注意をお願いします。
 なお、このソフトのデザインや機能、判例の収録内容は、今後予告なく変更になる場合があります。
1  データは、フォーム(データの入力・表示画面)に分類、項目(裁判年月日等のインデックス)、内容(判示項目、裁判要旨、判決理由抜粋等)、備考(ネット・アドレス、参考資料等)に区分して入力、表記する。
2  最高裁判所の判例は、裁判所Web判例集からコピー&ペーストして取得し、必要部分を自動抽出して簡単な操作で保存できる。
3  収録(取得)済みのデータは、自由に加除修正ができる。
 なお、法令の条文番号(漢数字)や平成13年以前の判例に入力されている漢数字(例:「二十三」の表記)はアラビア数字「23」 に自動変換し、法令の条文番号(漢数字)も同様に自動変換し、読みやすくしている。
4  フォーム画面に記載のデータは登録操作によりシートに記載(保存)され、シート上のデータをダブルクリックすればフォーム画面にそのデータ内容が表示される。
5  カタカナ表記の文章は、全文指定、平仮名表記変換ボタンで自動変換し、その他、全角・半角、句読点の変換等もボタンのクリック一つで実現できる。
 収録のポツダム宣言、明治憲法条文は、カタカナ表記であるが、平仮名表記に自動変換が可能となっている。
6  裁判年月日、キーワードによるシート内検索のほか、全シート検索も可能であり、ページ内の検索文字を反転表示する。
 例えば、「憲法判例」で「立法不作為」を検索すると、現在の収録データでは8件がヒットし、その判例がいつの、どのような内容のものなのか、調べることができる。
7  検索文字の裁判年月日の入力は、最小限の文字数で○.○.○と入力するか、他文書からの年月日のコピー&ペーストでも入力可能である。
 最小限、月・日の入力だけでも検索可能であり、検索結果が複数個ある場合は、そのまま次候補の検索をする。
8  検索結果は別シートに書き出し、印刷もできる。
9  オートフィルター機能により、分類区分の内容ごとに判例データを抽出表示することもできる。
10  収録の判例データからボタン一つで一瞬に「索引一覧」(年月日昇順・降順、登録番号順で自動並び替え)を自動作成し、目当ての判例リストをダブルクリックするだけで、そのデータ内容がすぐ閲覧できる。
11  シート(種類)は、「憲法判例」をサンプルとして収録しているが、ほかに憲法条文、明治憲法条文、裁判所土地管轄等を用意している。これを見習って利用すれば、判例データ以外の民法、刑法、訴訟法等の判例データベースも作成可能である。
12  シートの保存データは、フォーム画面から、必要に応じて追加、挿入、複写、削除、入替えの操作ができる。
13  フォーム画面表示の判例は、項目別に、又は指定範囲のみ、あるいは複数ページを連続して、それぞれ印刷が可能である。
14  類似判例を比較検討するため、2連、3連の表示が可能。
15  情報源(アドレス=URL)を備考欄に記録しておけば、これを指定しボタンをクリックすれば、裁判所Web判例集、関連のネット情報に直結してすぐ表示させることができる。
 また、パソコン内部に存知した自作又は参考保存のファイル(.docx、.xlsx、.pptx、.pdf、.txt、html)も登録しておけば、同様にクリックして見ることができる。
16  フォーム画面に表示した判例は、見出し、内容、備考欄の区別なく全文を一括表示させ、これをブラウザ(マイクロソフト・エッジ等のWebページ閲覧ソフト)の最新機能により、音声読み上げをさせることもできる。
 また、憲法判例では、憲法条文を表示させながら、その内容を理解することができ、これも音声読み上げ機能を使うこともできる。
17  このソフトの終了時には、「バックアップを取る」にチェックを入れておけば、ファイル名末尾にタイム表示のコピーファイルを自動作成できる。
18  年齢早見表により、和暦・西暦の対応、年齢が確認できる。
19  このソフトでは、サンプルとして、現在、最新の判例を含め500件を超える「憲法判例」を収録しているが、これは、下記の参考文献に収録されている憲法判例で裁判所Web判例集等で確認できる判例を最大限収録したものである。
19  HTMLについて知識と興味のある人は、内蔵のHTML簡易エディタ(ソフト)を利用して、最高裁判例の重要箇所の文字を赤色などで表示させたり、下線を表示させたりすることができる。

 このソフトは、一定期間(1週間内)の試用期間は短いですが、正規のユーザー登録の申込みをしていただければ、500件を超える「憲法判例」、「明治憲法」の内容と新憲法への制定過程の資料、今日までの「違憲判例」集、その他の法情報が、制限なく使用可能となります。



JP_リーガル・データベース 案内

 ソフトの入手 2022年10月26日から、ソフト流通サイト「vector」から取得が可能になりました。
JP_リーガル・データベース(判例・法情報の快速収録・検索・活用の情報蓄積型ソフト)を取得

 民事裁判IT化を下支えすると勝手に予想する
「実務の友」の「法曹法務WorkUpソフト」の一覧


ソフト作成者への連絡先
ご意見・ご感想・ご照会
ただし,法律問題についての質問,相談には応じておりません。