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ニュース
●欧州事情
●仏大統領がGM反対姿勢維持
フランスは、2012年にGM作物栽培の禁止期間が終了する。そのためGMトウモロコシ栽培の可能性があるとみられていた。しかし、サルコジ大統領は南西フランスを訪問した際に、「政府はGM作物の作付け反対の姿勢を維持する」と述べ、GMトウモロコシ作付けの可能性を否定した。
〔Thomson Reuters 2011/11/29〕
●GM汚染
●野生種綿へ拡大する遺伝子汚染
メキシコで相次いで原生種や野生種への遺伝子汚染が見つかっている。同国では以前、トウモロコシの原生種への汚染が確認されたが、今回はGM綿の遺伝子が野生品種から検出された。
メキシコの研究グループによる調査で、270品種の野生の綿種子を調べたところ、その約4分の1からGM綿の害虫・除草剤・抗生物質耐性遺伝子が見つかったという。GM栽培畑から755キロ離れた地点に生育していた野生品種でも見つかっている。長距離輸送トラックなどから種子がこぼれ落ちたり、鳥や動物に摂取されて運ばれたりして拡散した可能性があると研究者は見ており、対策を講じる必要があると警告している。〔SciDev.Net 2011/10/13〕
●輸入禁止のGM亜麻、混入いまなお続く
2009年、EUの少なくとも36カ国で、カナダから輸入された亜麻種子(食品)に輸入禁止のGM亜麻(CDCTriffid)が混入しているのが見つかり、カナダ産亜麻の輸入が停止された。このGM亜麻は、2001年にカナダで小規模で栽培されたが、その後、栽培禁止になっている。種子は破棄されるはずだったが、現在でもカナダ産の亜麻を調べると25件に1件からCDCTriffidの除草剤耐性組み換え遺伝子が検出されるという。食品の輸出は現在も禁止されたままだが、工業用亜麻のEUへの輸入は再開されており、消費者団体が懸念を表明している。〔GM
Freeze 2011/10/17〕
●豪州で雹によるGMナタネ汚染
オーストラリアの西オーストラリア州クンダーディン近郊で雹が降り、栽培中の約100トンのGMナタネが倒れて種子が流出し、道路の側溝周辺や非GM畑を汚染しているという。現在議会では、緑の党が農家をGM汚染から守る法律の制定を求めている。非GM農家は出荷の際にGMフリーであることを確認する書類に署名しなければならないが、種子の流出により汚染された可能性がある区域の農家は、GMの混入がないと言い切るのが難しくなっている。〔Lynn
MacLaren MLC 2011/11/11〕
●GM昆虫
●米国フロリダ州でGM蚊放出へ
米国フロリダ州の南端島部でGM蚊が放出される可能性が出てきた。イギリスのオキシテック社が開発したデング熱対策蚊で、子孫が残せないようになっているが、環境中に放出した場合の安全性や効果は確認されておらず、放出は危険で無責任だという声が上がっている。〔Sun
Sentinel 2011/12/5〕
●モンサント
●米国環境保護局、Bt作物の効力低下認める
11月30日、米国環境保護局(EPA)は、モンサント社の殺虫性(Bt)作物が効力を失いつつある、という見解を発表した。すでに多くの研究者が、Bt作物に耐性害虫が増大して効力が失われていることを明らかにしてきたが、EPAもそれをやっと認めたことになる。見解では、主にアイオワ、イリノイ、ミネソタ、ネブラスカ州の中西部4州を中心に耐性害虫が問題になりつつある、と述べられている。
〔EPA 2011/11/30〕
●ラウンドアップによる出生異常が急増
アルゼンチンの医師グループが、除草剤ラウンドアップ耐性GM大豆の栽培拡大と、出生異常の急増との関係に注目した報告書を発表した。ラウンドアップの主成分グリホサートとその分解産物AMPAによるDNAの障害や、神経発達障害などに関する内容を含むもので、2010年8月にコルドバ国立大学で開かれた第1回農薬散布実施市町村医師会議で報告された。1996年以来、アルゼンチンでは耐性雑草の拡大とともに、ラウンドアップの散布量が増加しており、当初1ヘクタールあたり2リットルだったものが、現在、多いところでは10〜20リットル散布され、市民が暮らす地域にも農薬が飛散している。そうした地域で診療している医師たちによれば、癌、先天性異常、生殖異常が急増している(人口1万人あたりの出生異常が、1997年には10人以上、2001年には20人以上、2008年には80人以上)。
〔National University of Cordoba 2011/10/28〕
●モンサント社が新たなBt綿開発へ
Bt綿が効力を失いつつあることから、モンサント社は新たに「ボルガード3」の開発を進めている。このBt綿は、オオタバコガ、アワヨトウ、ワタキバガのいずれも幼虫に対して抵抗力を持ち、同時に除草剤耐性の性質も加えられている、と同社のGM綿担当Dr.Roy
Cantrellは述べている。 〔The Hindu 2011/11/17〕
●モンサント社がパキスタンに農民教育機関設置
モンサント・パキスタン社は、GM作物を浸透させるため、農民向けGM作物学習センターを設立する計画を明らかにした。計画によると、マンガ・マンディ研究用農場内に設置し、同時に流通業者の教育機関「ディーラー大学」も併設する。
〔Business Recorder 2011/11/2〕
●ゲノム
●フェロー諸島で大規模なヒトゲノム解析計画
デンマーク領フェロー諸島に住む約5万人の住民すべてのDNAを解析するという、大がかりなヒトゲノム解析計画が、まもなくスタートする。この計画を行なうのは米・英・デンマーク3カ国の研究者で、収集された健康情報ファイルにゲノム情報を重ね合わせていく。
〔Deutsche Welle 2011/10/26〕
●クレイグ・ベンターが作物開発会社設立
合成生命を開発したクレイグ・ベンターのシンセティック・ゲノミクス社と投資会社プレナスは共同で、農業ゲノミクス分野に進出するために、新会社アグラディス設立を発表した。新会社は本拠地をカリフォルニア州サンディエゴにおき、ゲノム解析を応用した作物の開発と、微生物を応用した作物保護と成長促進という2つの分野で商品化を目指す。微生物の応用では、合成生命の活用も視野に入っていると思われる。〔Genome
web 2011/10/24〕
●GMO承認情報
表1 GM作物野外栽培承認(第1種使用規定)一覧
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生物多様性影響評価検討会総合検討会 |
作物 |
性質 |
申請(開発者) |
名称 |
認可日* |
ワタ |
除草剤ジカンバ及びグルホシネート耐性ワタ |
日本モンサント株式会社 |
MON88701, OECD UI: ON-887013 |
2011年12月1日 |
トウモロコシ |
コウチュウ目害虫抵抗性トウモロコシ |
シンジェンタジャパン株式会社 |
Event 5307, OECD UI: SYN-053071 |
2011年12月1日 |
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*正式にはパブリックコメントの後に認可される。
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