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ニュース
●北米事情
●カナダでGMリンゴ承認申請
カナダのオカナガン・スペシャリティ・フルーツ社は、茶色に変色しないように改変したGMリンゴ「Arctic Apple」の承認を求め、食品監視局に申請した。申請に対してブリティシュ・コロンビア州果樹栽培者協会は、GMリンゴは同州のリンゴのイメージを傷つけ、価格下落をもたらしかねないと、懸念を表明した。
〔The Globe and Mail 2012/5/23〕
カナダ先住民であるオカナガン族出身の政治家たちは、ブリティシュ・コロンビア州でのGM果実の禁止を求めるとともに、州政府や連邦政府に対して、このGMリンゴを認可しないよう求めた。〔Penticton Western News 2012/6/21〕
オカナガン・シミルカミーン自治区の協議会は、GMリンゴに反対することを満場一致で可決したが、執行する手段を持たない。 〔Penticton Western News 2012/6/11〕
●GMニンジンから作る医薬品、米国で認可
米国食品医薬品局(FDA)は、GMニンジンから作られる治療薬を認可した。アシュケナージ系ユダヤ人に主に見られるゴーシェ病の治療薬として、ファイザー社が開発したもので、商品名は「Elelyso」。
〔Food Freedom News 2012/5/22〕
●メキシコの農民が種子法改悪を阻止
メキシコ農民が、種子の独占を狙う多国籍企業に配慮した種子法改正を阻止した。3月14日、多国籍企業が求めていた、植物品種に関する法律の改正案が国会下院の農業畜産委員会に提出された。ただちに全国各地の農民が団結して議員に圧力をかけた。1996年に制定された現行法も、小規模農家の権利を軽視した内容ではあるが、今回の改正案はさらに改悪した内容であった。例えば現行法は、新品種保護の期間を15年として、企業に独占的利益を認めているが、改正法案はそれをさらに25年間まで延長するという。また、農家が種子を自家採種する権利も制限し、対象にはGM作物も含まれる。今回は提出が見送られたが、モンサント社など多国籍企業は法案提出の機会を窺っており、予断を許さない状態が続いている。〔Center
for International Policy 2012/5/19ほか〕
●乾燥耐性トウモロコシ、米国内各地で作付け
モンサント社の乾燥耐性トウモロコシが、今年初めて米国内の各地に作付けされ、その面積は250エーカーに達することがわかった。作付けされたのは、サウスダコタ、ネブラスカ、コロラド、カンザス、オクラホマ、テキサス州で、それぞれの地域での乾燥への抵抗性や生産性が評価される。〔Ag
Professional 2012/5/23〕
この乾燥耐性作物に対して、科学者団体「憂慮する科学者同盟」は、「このGM作物には明らかに欠陥がある」という見解を発表した。モンサント社による宣伝は誇大であり、このGMトウモロコシは、適度の水が少ない条件に対応できるだけで、干ばつ耐性が立証されたものではない、と指摘した。 〔Thomson Reuters 2012/6/5〕
●欧州事情
●Btトウモロコシによる牛の大量死、刑事訴訟へ
シンジェンタ社の殺虫性トウモロコシ「Bt176」を与えた牛が、2000年から02年にかけて不可解な死を遂げたことに関して、独ヘッセン北部の畜産農家ゴットフリート・グレックナーが、シンジェンタ社を相手取り刑事訴訟を起こした。前回、損害賠償を求めた民事訴訟では敗訴している。1996年に米国で行われた、シンジェンタ社が委託した Bt176の食餌実験で、実験開始から2日以内に4頭の牛が死に、その時点で同社は実験中止を命じていた。しかし、民事訴訟の際にこの事実を故意に伏せたことで、同社には65頭の牛を死なせた責任がある、とグレックナーは訴えている。〔Basler Appell gegen Gentechnologie 2012/5/2〕
●ハンガリーがGM作物栽培の規制強化
ハンガリー国会は、GM作物の栽培・流通を認可する場合の条件を厳しくする規則を可決した。規則はEUによって了承され、同国農業省は、今後GM作物栽培が難しくなるとして歓迎した。
〔All About Feed 2012/6/18〕
●アジア事情
●フィリピン最高裁、GMナス試験栽培の中止を命ず
フィリピン最高裁判所が、GMナス栽培に待ったをかける判断を下した。GM作物の安全性についてさらなる研究が行われるまで、国内におけるGMナスの試験栽培の中止を命じた。環境保護団体はこの判断を歓迎し、さらに現行のGM作物承認システムの見直しも求めている。なぜなら、2002年からこれまでに提出された67件のGM作物の輸入・摂取・繁殖に関する申請がすべて承認されており、システムが充分に機能しているのか疑われるためである。〔Gulf
News 2012/5/14〕
●インド、Btナス開発者をバイオパイラシーで提訴へ
インド生物多様性局(NBA)が、バイオパイラシー(生物学的海賊行為)にあたるとして、Btナス開発者を生物多様性法違反で刑事訴追する準備を進めている。Btナスはインドで初めて認可されたGM食品だが、その後、商業栽培禁止措置がとられている。ダルワールにある農業科学大学がモンサント社の現地法人マヒコ社と共同で、インド原産のナス品種6種を用いて開発した。カルナタカ州生物多様性委員会が法的措置をとることを決めていたが、同州環境省が圧力をかけ
2012年1月に中断されていた。〔Environment Support Group 2012/5/24〕
●GM汚染
●スイスで広がるGMナタネ汚染
GMナタネ汚染は、日本だけでなく世界中に拡大している。その1つが、スイスでの拡大である。スイスでは2005年からGM作物の栽培も輸入も禁じられているが、バーゼル州の鉄道の線路沿いや港で、野生化したGMナタネが見つかった。136件のサンプルのうち29件が陽性で、すべてモンサント社の除草剤ラウンドアップ耐性ナタネだった。EUはGMナタネの商用栽培を認可していないが、GMナタネ汚染はEU域内で拡大している。〔Greenpeace
2012/5/31〕
●2003年に検出していたGMアルファルファ汚染
米国農務省(USDA)は約1年前にモンサント社の除草剤耐性アルファルファの規制を解除したが、その何年も前の時点ですでに、このGM作物が野生環境に放出され、USDAもそのことを知りながら何の対策も講じなかったことが明らかになった。カリフォルニア州の種子会社がUSDAに送った書簡によると、2005年の時点ですでに、モンサント社のGMOが、従来品種アルファルファ種子から検出されていた。少なくとも2003年から、こうしたGM技術が使われていたことになる。USDAは2010年12月付の最終環境影響評価報告書で、この書簡に触れ、2003年には非GMアルファルファへ汚染が拡散していたことを認めた。〔Natural
News 2012/5/22〕
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