■2005年5月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●モンサント社、第三世界で販売強化


 モンサント社が、路線転換を図り始めた。EUや日本・韓国など先進国での売上げ増が期待できないため、GM小麦の開発を中止し、遺伝子組み換え作物でない低リノレン酸大豆の開発に力を入れ、健康食品としての販売を目指すと表明した。〔ロイター2005/3/16〕
 他方で、第三世界では販路の拡大を強力に推し進めている。
 2月11日、フィリピン政府はあらたにモンサント社の除草剤耐性トウモロコシの商業栽培を認可した。同国では2003年より殺虫性トウモロコシの栽培が始まっている。
 3月2日、ブラジル下院は352対60票でバイオセーフティ法案を可決した。すでに上院を通過しているため、大統領が署名すれば発効し、モンサント社はGM大豆種子の販売が可能になる。同国政府バイオテクノロジー委員会は、3月に、GM綿の栽培とGMトウモロコシの輸入を相次いで認可した。また、ブラジル・モンサント社による線虫抵抗性大豆の開発計画も明らかになった。 〔AP 2005/3/03 ほか〕
 3月4日、インド政府GEAC(遺伝子工学認可委員会) は、殺虫性(Bt)綿6品種の商業栽培に関して、すでに栽培している6州に加えて、新たに北部のハリアナ、パンジャブ、ラージャスタン州での栽培を許可した。また、Bt綿8品種の試験栽培も許可している。〔ロイター 2005/3/04〕