飛脚メール便
950-2181
この荷物は佐川急便が配達しました
お問合せ店: 佐川急便(株)
成田店 TEL 0476-35-1421
新潟市五十嵐 二の町 8050
NIIGATA UNIV/FAC OF SCIENCE
ハスミ マサト
前者のラベルには「成田店」の文字があり、それまでの「名東店」ではなかった。これは「雑誌が成田国際空港を経由している」ということを意味するようであった。後者のラベルには「950-2181」の郵便番号が書かれ、これまでの「950-2102」に比べれば、改善の跡が見られるようであった(というより、単に取り次ぎ店の違いに起因するものなのかもしれないのだが......)。しかし、私の名前に敬称の「様」を付けないのには正直、違和感が残った。また、右上には鉛筆書きで「理」の文字があったので「いったん新潟大学の本部に配達されてから、学内便で理学部に転送されたのだろう」と推測される。この件では毎回、思うのだが、宅配便業者が配達する雑誌は、最初から理学部に届けられても良さそうなものである。ちなみに、英文の宛先は、以下のようなものである。
MASATO HASUMI
BIOLOGICAL INSTITUTE
FACULTY OF SCIENCE
NIIGATA UNIVERSITY
NIIGATA 950-2181
JAPAN
10月12日(火曜日)、今度は「Journal of Herpetology 38(3)、2004年9月号」が届いた。これで「Journal of Herpetology 38(2)、2004年6月号」も、どこかに消えてしまったことが明白になった。今回、届いた雑誌の国内配達を受け持ったのが「日本郵政公社」で、新潟大学理学部の事務室まで届けたのが「新潟西郵便局」の郵便配達員であることは、間違いない。雑誌には英文による宛先以外に見当たらず、日本語のラベルも貼られていなかったからである。
このまま手をこまねいていても埒(らち)が明かないし、日本国内の他の研究者からも「羽角さんのところに、雑誌は届いていますか?」という質問を何度か受けるようになったこともあり、各学会事務局に「雑誌が届いていない」旨の電子メールを送り、善処するよう促した。
11月11日(木曜日)、待望の「Journal of Herpetology 38(2)、2004年6月号」が届いた。9月21日に私が送った「雑誌の9月号が届いているのに、6月号が届いていない」という電子メールに応じた学会事務局が、船便で郵送したものである。米国ユタ州ソルトレークシティーの2004年9月23日付け消印が押され、パッケージの表面には「SURFACE, Economy Mail, Letter Post」の判子があった。この雑誌の郵送料は「US$4.05」ほど、掛かっていた。船便であるから、これは当然、郵便局が取り扱ったものである。
11月16日(火曜日)、今度は「Herpetologica 60(2)、2004年6月号」が届いた。これもまた、8月26日に私が送った「雑誌が届いていない」という電子メールに応じた学会事務局が、船便で郵送したものである。米国イリノイ州キャンペーンから2004年9月14日付けで発送されたことを示すラベルが貼られ、パッケージの表面には「SURFACE MAIL」の赤い判子が捺されていた。この雑誌の郵送料も、前述の雑誌と同じく「US$4.05」であった。
11月18日(木曜日)、残りの「Copeia 2004(2)、2004年5月号」が届いた。これもまた、9月21日に私が送った「雑誌が届いていない」という電子メールに応じた学会事務局が、船便で郵送したものである。但し、パッケージの表面には「MIXED FOREIGN」のラベルが貼られているだけで、発送場所・日付け・郵送料を示すラベルが、どこにも見当たらなかった。また、雑誌のパッケージには、雑誌が荷揚げされた郵便局のラベルが貼られ「KAWASAKI PORT, 16 XI .04, JAPAN」という消印と共に、以下の文面が見られた。
この郵便物は川崎港郵便局に到着した時点で外装が破損していました
ので、十分とは言えませんが補修させていただきました。
大切な郵便物をこのような状態でお届けしますことを、深くお詫び申し
上げます。
川崎港郵便局第二国際郵便課
担 当 通 常 到 着 係
電 話 044-329-5178
こういった、きめ細かな対応は、郵便局ならではのものである。たとえ雑誌の外装が破損していたとしても、宅配便業者が適切な対応を採るとは、どうしても思えない。これ幸いと、捨ててしまうような、そんな気がしてならない。
これで、配達されなかった全部の雑誌が、漸く出そろった。各学会の事務局へ送った電子メールでは、現在の日本の郵便事情を簡潔に説明してある(1)。何度も言うようだが、新たに生じる郵送料も代替の雑誌も、全部が全部、学会の負担である。学会の負担は、すなわち会員の負担である。学会は、配達されなかった雑誌の号に「発送済み」のチェックを入れながらも、こうやって真摯に対応してくれるのである。翻って日本では、仕事に誇りを持って、雑誌の配達をおこなっている宅配便業者は、どれほど在るというのだろう? ほんの少しでも、雑誌が届かないことを「恥だ」と思う心があれば、決して安穏としてはいられないはずなのだが......。
私は、市場に競争原理を導入することを否定するものではないが「国際専門誌の国内配達に関しては、安さよりも信頼性、確実性が欲しいものだ」と、切に願うものである。