セキュリティ対策室に何人かいるうちの若い方が対応してくれたのだが「Macintoshは、よく分からない」とのことで、私と同じような試行錯誤を繰り返した後、一度、PC内の全ファイルにウイルスチェックをかけることを提案され、チェックをかけた状態で、理学部に持ち帰ることになった。全チェックが完了するまで1時間以上かかるようなので、試しに他のソフトを立ち上げてみると、今度は、ちゃんと動くではないか?メールチェックや講義用のパワーポイントファイルを更新しながら待つこと2時間半、全ファイルのウイルスチェックが完了した。結局のところ、ウイルス感染しているのは、Sophosが最初に検出メッセージを出したファイルだけで、他のファイルへの感染は確認されなかった。問題は「この後、どうするか?」である。とりあえず、もう一度だけウイルス除去を開始し、1時間くらい待ってみることにした。この間を利用して、先ほどの担当者への現状報告と、今後どうするかの相談である。
ここで担当者から勧められたのは、システムの再インストールであった。しかし、システムのアップグレードとは異なり、再インストールでは、これまで作成して来たファイルや購入後にインストールしたソフトが失われてしまうので、これらのバックアップをまずは取る必要があった。全ファイルのバックアップはUSBメモリでは対応しきれないので、外付けのハードディスクに移すのが現実的だと思われたのだが、これには時間が掛かるし、何より現時点ではUSB自体が反応せず、試しに差し込んでみたUSBメモリを認識できなくなっていた。それに、システムの再インストールをしてウイルスの除去が出来たとしても「一回こっきりのインストールしか出来ないことになっているOffice(主に、Word、Excel、PowerPoint)などのソフトの、再インストールが無償で可能なのか?」という疑問があった。これらの様々な疑問を担当者にぶつけても、納得の行く回答が得られなかったので「これは、もう自分で何とかするしかない」と思った。
担当者にお礼を言って理学部に戻ると、Sophosは、まだウイルスを除去している最中であった。幾ら何でも、これは遅すぎる。これは、もう「Sophosのウイルス除去能力が低い」と考えるしかなかった(ウイルスに感染してみて、初めて知る事実である)。もしかしたら、他の抗ウイルスソフトでは、このウイルス(/usr/lib/libgenkitsa.dylib)を除去できるかもしれない。幸いなことに、Safariを介してインターネットに接続することは可能なので、Googleに「mac 10.6.8 antivirus soft free」と打ち込んで検索をかけ、幾つかの適当な抗ウイルスソフトを見つけることが出来た。それらの中から「Avast Mac Security 2015 (Virus definitions version: 15100802)」というソフトをダウンロードし、Sophosと入れ換える形で試してみることにした(抗ウイルスソフトは、2つ同時には存在できないので、Sophosをアンインストールする必要がある)。Avastで、まずは全ファイルのウイルスチェックをすることにした。このソフトは良く出来ていて、チェックしているファイルが、現在進行形で総て表示されるようになっている。見ていて、飽きないソフトである。しかも、Sophosより速く、約1時間で(Scan duration: 1 h 1 m 57 s)チェックが完了してしまった(Scanned files: 529711 | Items: 529726 | Infections: 1 | Unable to scan: 18)。つまり、このAvastという抗ウイルスソフトには「ウイルスに感染したファイルを確実に選び出し、しかもSophosより処理速度が格段に速い」という利点があった。
さて、問題は、ウイルスを除去できるかどうかである。期待と不安が綯(な)い交ぜになった感情をかかえつつ、Deleteボタンを押すと、ものの1〜2秒で、ウイルスの除去が完了してしまった(驚いたが、これが正常な抗ウイルスソフトの姿である)。それからは、どんな不安定な動作もなく、私のPCは正常に動いている。
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