調査時に、流れ脇の陸上の水気のあるところで、ヤマアカガエルの卵塊1個を見つけた。卵塊は形が崩れていて、中には桑実胚が認められた。湿地帯では、陸上の倒木の下や落ち葉の中、流れの淀みなどのあらゆる場所を探したが、ハクバサンショウウオに関しては個体も卵嚢も一切、発見できなかった。本種は、15匹の雌雄の成体が観察された1992年までは実際に湿地帯に生息していたから、この個体群は既に絶滅してしまったのかもしれない。
同行した共同研究者(アルファベット順、敬称略): 懸川雅市(東京都立小松川高等学校)、岸冨士夫、齊川祐子(しろうま自然の会)。