湿地帯(絶滅個体群?)

Wetland (Extinct?)
長野県北安曇郡白馬村北城にある湿地帯で、速い流れの枝沢(水温=13.0℃、pH=7.2)が幾つか在る(2005年4月29日撮影)。流れは、ちょうどトウホクサンショウウオの繁殖に使われる流れのようであった。たくさんの残雪で覆われた湿地帯の中の流れに沿って、ミズバショウが生えていることに注目。

調査時に、流れ脇の陸上の水気のあるところで、ヤマアカガエルの卵塊1個を見つけた。卵塊は形が崩れていて、中には桑実胚が認められた。湿地帯では、陸上の倒木の下や落ち葉の中、流れの淀みなどのあらゆる場所を探したが、ハクバサンショウウオに関しては個体卵嚢も一切、発見できなかった。本種は、15匹の雌雄の成体が観察された1992年までは実際に湿地帯に生息していたから、この個体群は既に絶滅してしまったのかもしれない。

同行した共同研究者(アルファベット順、敬称略): 懸川雅市(東京都立小松川高等学校)、岸冨士夫、齊川祐子(しろうま自然の会)。


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