典型的な水生型の雄

Aquatic-Phase Male
3月の繁殖期の池にみられる、性的に活発な水生型のクロサンショウウオの雄(背中側から見たもの)。スケール=2cm。

サンショウウオ科以外の有尾両生類では、このような頭幅の増大(矢印)は知られていない(Hasumi and Iwasawa, 1990)。雄の頭は陸上にいる間は雌の頭と同じ形状だが、水中にいる間は体や尾と同様に水で膨潤する。クロサンショウウオの雄の体重、頭幅、尾高は季節的に変動するから、これらの形質は分類目的には適用できない。総排出口前端にある生殖結節は、クロサンショウウオの雄の成体では、腹腺が未発達の5〜7月を除けば一年を通して明瞭に見られる(Hasumi et al., 1990)。しかし雌の成体では、この構造体を常に欠いている(Hasumi, 1996)。新潟県岩室村の個体群では、雄の体の大きさ(体長=頭胴長: 吻端から総排出口後端までの長さ)は96匹の平均で約84.0mmで、有意な雌雄差は認められない(点と線。前端か、後端か?)。


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