(A) 岩手県一関市山ノ目にある繁殖池(面積は約1×1m; 水温5.9℃; 標高120m)で、クロサンショウウオの卵嚢26対とトウホクサンショウウオの卵嚢5対がみられた(1984年4月21日)。このとき池の周りには、所々に積雪があった。
(B) 水の入ったクーラーボックスで、池から採集したクロサンショウウオのオス5匹(大きいもの)とトウホクサンショウウオのオス5匹(小さいもの)が、中に入っている。前者の頭胴長(吻端から総排出口後端までの距離)の平均は81.56mm(標準偏差=2.29, n=5, 範囲77.9-83.8)で、後者の頭胴長の平均は61.56mm(標準偏差=4.73, n=5, 範囲56.8-69.4)であった。これら2種の頭胴長に、重なりは全くなかった。
クロサンショウウオとトウホクサンショウウオの混合産卵では、彼らが際立った水生型の形態を示さなくても、体の大きさを参照することで、これら2種を区別することが出来る。