マグニチュード7.5 1964年(昭和39)6月16日 13時01分発震
< 「理科年表 2015」 より >
M7.5
新潟県沖:『新潟地震』:新潟・秋田・山形の各県を中心に被害があり、死26、住家全壊1960、半壊6640、浸水15297、その他船舶。道路の被害も多かった。
新潟市内の各所で噴砂水がみられ、地盤の液状化による被害が著しかった。石油タンクの火災が発生。津波が日本海一帯を襲い、波高は新潟沿岸で4m以上に達した。粟島が1m隆起した。[2]
最後の[ ]内は今村・飯田による津波の規模
新潟市では軟弱地盤による地震動の増幅、砂地盤の液状化などによって、地盤被害が顕在化しました。大地震の際に地割れから砂や水が噴き出すことは古くから知られていましたが、新潟地震で液状化による被害が大きかったことから、液状化現象が地震災害として注目されました。液状化現象により、昭和大橋の落橋や川岸町の県営アパート8棟のうち3棟が破壊を受けることなく全く無傷のままで傾いたり倒れたりしました。
液状化を起こしやすいような場所は、通常、水はけが悪かったり洪水に弱い場所であるため、以前は住宅地として利用されませんでした。液状化が起こっても被害として目立たない場所が都市の拡大によって被害が大きくなった例であり、現代の多くの都市は同じ問題を抱えています。
地震の発生により重油タンクに液面が大きく揺れるスロッシング現象が起き、同時に重油タンクが発火しました。消防車や航空自衛隊の航空機による消火活動にもかかわらず、半月の間重油が尽きるまで燃え続けました。
ライフラインが寸断され、都市型の被害として注目されました。
津波の発生
この地震でも津波が発生しましたが、新潟県以北、北海道西海岸に至る日本海東縁部では津波を伴う地震が発生しています。新潟地震の他に1940年の積丹(しゃこたん)半島沖地震、1983年の日本海中部地震がその例です。
新潟地震が契機となって、次のような対応がみられました。
参考資料
宇佐美龍夫 新編 日本被害地震総覧 東京大学出版会 1996
藤井陽一郎 日本の地震学 紀伊国屋新書 1967
編者 宇津徳治他 地震の事典 1987