地震・防災関連用語集
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安山岩や流紋岩などの火山岩、花崗岩などの深成岩および新第三紀以前の堆積岩(新第三紀層、古第三紀層、中生層、古生層)が岩の状態で存在している地層を岩盤と呼び、岩石や岩が総称的に用いられるのに対して岩盤はある広がりを持った概念として用いられます。
一般に、平野は堆積物(土)に被われ、山地は風化土(土)に被われ、岩盤が直接露出している個所は標高の高い山岳地帯、滝や急流沿い、崖地などに限られます。これらのように岩盤が露出する箇所はいずれも侵食の激しい個所であり、地表を被っていた土砂が侵食・崩壊によって失われている個所です。平野や里山など、通常は岩盤が見当たらない個所でもその下位には岩盤が広く分布しています。
構造物の基礎として土であるか岩であるかによって地盤と岩盤に区別して対比的に用いられることもあります。
岩盤から試料として採集した岩石とこれを採集したもとの岩盤とでは強度が大きく異なります。ひとかけらの石としては硬質・緻密・均質であっても岩盤としてみれば破砕質・不均質ということもあり、岩盤の強度は岩盤に含まれている亀裂などの不連続面の性質に大きく影響されます。
ダムやトンネルなどの構造物の基礎としては、岩石自体の性質の他に岩盤に含まれている不連続面(節理や断層などの亀裂や地質境界)の性質が重要です。亀裂などの状態によって岩盤強度や透水性に大きな違いが生じることから岩盤の調査は不連続面の性質や分布状況に重きがおかれます。