地震・防災関連用語集
カテゴリ:環境
環境に著しい影響を及ぼす恐れのある事業を決定する際に、あらかじめ当該事業が環境に与える影響を予測、評価することを環境アセスメントといいます。環境アセスメントは「環境影響評価実施要綱」により法制化されており、この実施要綱を受けて各官庁の要領により、道路建設、埋立て、干拓、土地区画整理事業等の実施に際し、環境アセスメントが実施されます。また、地方自治体においても独自に法制化を図る動きが活発であり、北海道、東京都、神奈川県、川崎市などが条例を制定しています。
大気汚染は、最初、石炭燃焼に伴うばい煙問題として顕在化しましたが、現在では地球規模の環境問題として、その内容が多種多様な範囲へ広がりつつあります。
地球規模の環境問題としては、地球温暖化、オゾン層破壊、酸性雨、砂漠化、海洋汚染、熱帯雨林の破壊などが知られていますが、これらの現象は地球規模での気象や海洋の動態、ならびに環境大気中における化学反応等が複雑に関連しており、その原因や対策に関して未知な点が多いとされています。
現在安全であると思われている物質や技術であっても複雑な過程を経て地球環境に悪影響を及ぼしている可能性も否定できません。アスベストによる健康被害は最近になってアスベスト製品製造工場周辺の住民や従業者の家族にまで悪性中皮種や肺ガンの発生が波及して深刻な問題を投げかけています。
これまで実施されてきている環境アセスメントが硫黄酸化物や浮遊粉塵の対策には大きな役割を果たしてきましたが、地球規模の環境保全に対しても対策を迫られており、大気汚染、水質、土壌、騒音、振動、地盤沈下、悪臭、廃棄物、動植物への影響、文化財の保護、自然景観等の評価だけにとどまらず、地域環境や地球環境に及ぼす影響等も含めた総合的な評価が重要であるとの認識に立つようになりつつあります。また、環境アセスメントの事後評価のシステムの確立が今後の課題とされています。