乳腺の診断

転移・再発

1) 局所再発
乳房温存療法の残存乳房や、腋窩リンパ節の再発が起こった場合、局所切除、放射線治療、化学療法を行います。このような治療をしっかりとすれば、生命予後にはあまり影響がないといわれています。
2) 頸部リンパ節転移
頸部リンパ節は、M1aと定義され、遠隔転移に含まれます。局所処置や化学療法の対象となります。
3) 肺 転 移
血行性転移で、肺に小結節が多発します。そのため、摘出手術をすることは稀で、大体は化学療法の対象となります。
4) 肝 転 移
肝臓にリング造影効果を示す多発する結節を作ります。肺と同様に多発するため、手術の対象とならないことが多い。
5) 骨 転 移
骨髄に入る血流に乗って転移します。癌細胞は破骨しながら、増殖していくため骨がもろくなり、病的骨折を起こしやすくなります。大腿骨、上腕骨、肋骨、脊椎骨、仙骨に多く転移します。大腿骨だと歩けなくなり、脊椎だと脊髄・神経麻痺を起こすことがあります。治療には、化学療法、放射線治療、ビスフォスフォネート投与があります。
6) 脳 転 移
転移部位によって症状が異なるが、通常の化学療法剤は到達しにくいため、放射線治療、手術の対象となります。

 早い時期に見つかれば、生命に危険を及ぼす可能性は少ないため、決して諦めることなく、じっくりと治療を進めていくことが大切です。