倉岳山 北西尾根、北東尾根

大月市の秀麗富嶽12景9番山頂でもある、倉岳山990mは梁川または鳥沢駅から歩いて登れる山である。

昭文社の地図にある一般ルートは谷筋を通って立野峠、穴路峠を経るものであるが、
尾根筋を登降するバリエーションルートが幾つかあるようだ。
地形図のコピーに谷筋と尾根筋を色鉛筆で塗り分けてみると・・・

主に4つの尾根ルートが考えられる。  下のほうで枝分かれしているのを入れると2,3増えるが。
@梁川駅→・497→・747→倉岳山  
A鳥沢駅→小篠貯水池→・644→倉岳山
B鳥沢駅→下畑→・458→倉岳山
C鳥沢駅→下畑→・747→倉岳山




先ずは、あまり歩かれていないと思われるAとCの組み合わせで行ってみた。 (青のライン)
さすがに、Aは転げ落ちそうな急登の所もあるが、全般的には林相が美しい道で、殆ど誰にも会わない道である。
Cは北東尾根と呼ばれているようで一般には途中747m峰から右に下るが、直進すると結構なだらかな道だ。

2004/12/11(土)
10時。小篠貯水池の角で、貯水池の脇を南に上がっていく穴路峠、高畑山への登山道と別れ、東に向かう。

数分で、尾根の末端の傾斜の緩い斜面でしいたけのほだぎが並んでいる所がある。
ここが本来の北西尾根コースの末端である。

然し、小道はまだ続いており、少し右に回りこんでいる。数分で右の斜面に上がって行く道がある。
これも同じ尾根に上がるものだ。  多分、普通はここを上がるのだ。


もう少し行くと沢に突き当たる所で小道は尽きている。ここまで貯水池から5分位である。


沢の右側の尾根に、露岩の尾根の末端を右から回りこんで取り付く。
先ほどの尾根とは一つづれているが、同じく・644に達する 予定。

20分ほどのアルバイトで急登をこなし、尾根の末端の近くに上がる。本当の末端は大岩だ。
あとは尾根伝いにひたすら上がって行ける。

藪はあまり無いがアキレス腱の痛くなるような急登のあと、560m圏で右からの道と合流。
630m辺りのピークが小広く見晴らしが良い。11:30なのでここで昼食。 20分休憩。

・644には11:55に着いた。小さいが明瞭なピークだ。

一旦下って700mまでの登り返しはかなりきつい。
720m辺りで右から踏み跡が合流している。ヘソ水コースである。(下っていくと石仏→小篠→鳥沢)

そのあと、しばらくは、よく踏まれた、なだらかな道だ。


820mの辺りでは尾根の右を巻く道になっている。
840m辺りにヘソ水と謂われるらしい水溜りがある。よく見ると2本の大杉の東側の根の所から水がしみ出ている。
杉の間を抜けて 、左に廻り込んで行くと、大きなもみの大木があり、今度は尾根筋を行くようになる。
900mあたりから、またまた急登の斜面になる。

頂上の人声が聞こえる所で左・747からの道と合流する。20mほどで山頂の山名標柱の裏に出た。13:06。

30人位の人たちが居る。次々と人がやってくる。若い人たちも多い。
北側の 天気は全く雲が無い晴れであるが、南西の富士山は雲のため右稜線しか見えない。


13:19。今度は先ほど合流した道を下ろう。
と思ったら山名標柱の 、後ろで休んでいた若い女性二人が先に発って降り始めた。
15リットル以下のザックなど、どうみてもピクニックでやってきたらしい格好だ。

直ぐに声をかけてみる。どうやら自分がカヤトの間から上がって来たのを見て、てっきり梁川への下り道だと
思ったらしい。   普通の道はあちらですよと、指導標を見て立野峠に向かうよう戻って貰った。

何しろ自分は、何処へ出れるのか判らない尾根を下ろうとしてるのだから。

さて、・744への道を独りで行く。900mの辺りはかなり急だが、他はなだらかで明瞭な踏み跡の道だ。
大体が右が檜で、左が広葉樹の見通しの良い所が多い。
少し岩のある所の急坂を下って、痩せ尾根になった降りから登り返すと・744のピーク。
・744は明瞭なピークだ。13:44。ここまで山頂から25分である。


これを一段下ると平坦になり枯れ枝で遮断してある所にテープがあり、右の急な斜面にかすかな踏み跡がある。
これは梁川方面への降り口である。

地形図での本来の尾根通しに北に向かうルートを進んでみる。
枯枝を越えて尾根を直進すると大きな倒木があるがこれを迂回して進むと直ぐに 劣化したひらひらの白いテープが
北への行く手をさえぎっていて、右に下るようになっている。
3分ほど下ると大きな倒木が行く手をさえぎっている。このあたり白や赤のテープがやたら多い。


13:50。
写真左の、白テープで閉じたような感じの所を潜り抜けて北に向かう巻道を行く。踏み跡は明瞭だ。

この道にも、劣化ひらひらテープがときおり見えるが最近は誰も通っていない様子だ。


途中、踏み跡の薄い所、藪の生えた所もあるが、尾根を外さずに進むと、
最終的には桂川の見える所で寂れた作業道に降り立った。
作業道からの登り口には目印の青テープを巻いた棒杭がある。
14:40。・744下の分岐から50分である。

標高340m。右は沢の所で道は消えているようだ。沢の対岸の尾根は標高差3,40mの崖の上である。
前には急傾斜の中に獣道のようなものが続いているような感じだが、
地形図では川の手前は断崖なので、白テープが2本誘っている方向、作業道を左に進むことにした。

殆ど標高差の無い細い道で、 少し藪が生えているが踏み跡は明瞭だ。
10分程で金網の扉があった。ここはちょうど北稜線末端・458の真下(北)である。

扉を抜けて2分で下畑集落の端が見えたので作業道の途中から右に降りて、畑にいた住民の一人に挨拶する。
どちらからと聞かれたので倉岳山からと答えたが、怪訝な顔をしていた。

ここらの人は山の事は全く知らないそうだ。 ここを通る人には初めて会ったという。

親切に、梁川よりも鳥沢の方が近いと教えてくれた。
しもはた橋を渡って国道20号を左に進み、鳥沢駅には15時30分着。
切符を買って直ぐに31分発の臨時便:快速東京行きが来た。
山頂で見かけた7人のパーティーも乗り込んできた。

高尾7:47→8:18鳥沢8:26→9:06津成→小篠のイトヒバ→小篠貯水池10:03→・644
→13:08倉岳山13:20→・747→下畑15:00→15:30鳥沢駅15:31⇒快速東京行き

結局、
北尾根を含み、多くの尾根が、標高330-340mの辺りで下畑に通じる作業道に繋がって
居る事が判った。 また、集落に近い所で張り巡らされているフェンスには要所要所で扉がある。

従って、・458を通るいわゆる北尾根も、北西尾根の・644から北に分かれる尾根も同様に、
作業道で下畑集落に出られる事がわかった。 

他の倉岳山バリエーションルート
4/11/23 梁川〜立野峠〜高畑山〜大桑山北尾根〜津成〜鳥沢 こちら
4/12/17 梁川〜北東尾根〜倉岳山〜北西尾根(へそ水)  こちら
4/12/23 梁川〜北東尾根〜倉岳山〜北尾根       こちら

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