留萌本線の列車が留萌市から増毛町に入って最初に到着する駅が阿分である。学校の裏手に短い板きれホームがポツンと置かれたこの駅は元々は仮乗降場として開設されたのが始まりである。
学校があっただけに、周辺はややまとまった民家がある。なぜ「あった」という過去形で表現しているのかと言うと、阿分の駅のまん前にある阿分小学校は2015年の3月をもって閉校してしまったからである。
かつての阿分小学校は校舎には入れないが、校庭は広場として開放されている。しかしながら本来は小学生が放課後に遊んでいても不思議ではない場所にだれもおらずにがらんとしている光景を見ていると寂しさが否めない。
閉校された学校の裏手にひっそりと建つ阿分駅、現在廃止の危機に瀕している区間にあるこの駅は、仮に無くなってしまった場合、いち早く忘れ去られてしまう。そんな気がしてならなかった。
(2015.9.15)