山田線内にある秘境駅のひとつ、浅岸は元々はスイッチバックの駅だがかつての引込線の方にレールは一切残っていない。林道に向かっていくとスイッチバック時代のホーム跡が辛うじて残っていて車窓からでも確認ができる。
車窓からはスイッチバック時代のホームと同時に離れの作業場を持ち、薪を蓄えてある立派な民家が見えるが実際に近づいてみるともう誰も住んでいないのが分かる。そんな廃屋から少し盛岡寄りに行くと学校と思われるような大きな建物、さらに駅の真下にある木造の民家はいずれも使われていなかった。
乗用車1.5台分くらいの幅の狭い林道を歩いていたら駅の近くで作業をしていた人から話を聞くことができた。話によると浅岸の駅周辺は今は誰も住んでいないという。昔は炭を作ったり枕木の材料として木を伐採する人などでそれなりの人口があり、駅も木材の積出駅としての役割だけでなく今の林道が盛岡の市街地まで通じていなかったので旅客駅としての機能も果たしていたという。
浅岸に停車する列車は1日に5本のみで列車での訪問は16:30に盛岡を発車する列車に乗り、浅岸には17:25に出る列車に乗るのが最もオーソドックスな手段で滞在時間は約20分と行きやすい上に夏季は明るく、撮影が可能である。
駅ノートを見てみると列車だけでなく車での訪問も少なくないが、車だと1日に3本しか停車しない大志田よりも行きづらいという書き込みがあった。
駅の所在地は岩手県の県庁所在地である盛岡市だがケータイ(私のはドコモ)は圏外となってしまう場所である。
(2005.5.6)