無人駅としては日本最北端に当たるのが宗谷本線の抜海である。駅名の由来はこの駅の近くの丘に子供を背負った大きな石があり、この石のアイヌ語が「パッカイ・シュマ」と言う意味から名付けられたものである。
駅の周辺は民家が1〜2軒程度で周りは原野で海が見える道の交差点までは15分くらい歩く、ただし何もない原野を15分歩くのは心理的にはかなりの距離を歩く感じがする。歩いて海が見渡せる交差点(信号はない)所まで行けたとしても集落までは歩いて1時間(もしくはそれ以上)ありそうなくらい遠い所にあるのでほとんど原野の中の最果ての駅と言うのを感じてしまう。
ただ何もない原野の中の駅と根強く残っている古い駅舎が雰囲気として素晴らしいと思っている人が結構いるようで、駅に置いてある駅ノートに旅の思い出を書いていたり、駅舎内には来たという落書きがされていたり(本当は好ましくない行為です。)、中にはレンタカーで北海道巡りをしている人がこの駅を訪問して記念写真をしている光景もあった。
また抜海と南稚内の間の景色は宗谷本線の最大のハイライトで、海に浮かぶ利尻富士が見え、天気がいい場合は礼文島も見える。この景色の良さを利用して夏にはトロッコ列車が走り、抜海では記念撮影用の看板が用意されている。
トロッコ列車で観光客が訪れる事が予想される駅としては駅舎の中はきれいに掃除する必要があるのではないかと感じた。
(2002.7.18)