備後落合は芸備線と木次線の接続駅で、陰陽連絡線の要所の一つになっている駅である。駅の構内の広さを示す通り列車の滞泊線だけでなく、給水塔や職員の宿泊施設などもあり、駅には駅そばなども売っていて活気があったそうだが今ではCTC化による合理化などの影響で、何本もある側線やSLの方向を変えるターンテーブルも使われなくなり、ここまで走っていた「たいしゃく」や「ちどり」と言った急行も廃止されて駅舎の中はすっかり無人になってしまった。
3方向からやって来るキハ120の気動車はすべてこの備後落合止まりである。理由はこの駅はJR西日本の備中鉄道部(岡山支社)、三次鉄道部(広島支社)、木次鉄道部(米子支社)の境界駅であり、それぞれカラーリングが異なっており、「キハ120三役揃い踏み」と言った光景も見受けられる。
この駅には駅ノートも設置されているが、列車の接続時間が短いため次の列車に乗り換える時はあまりゆっくりとカキコができない。ただし次の列車を待とうとするとかなり長い時間待つ事になるので、どちらを取ると言うとかなり迷う選択を迫られる。
中国山地内にある駅なので、民家が少ない。また駅舎内の待合室には長椅子が設けられ、ホームには蒸気機関車が走っていた頃の名残を示す洗面台があるので駅寝には向いていそうである。
備後落合は鉄道の栄枯盛衰を感じてしまう駅であった。
(2003.3.26)