日本一のモグラ駅として全国的に名が知られている駅、土合。トンネル内にある下りホームを降りて目の当たりにするのが上り階段である。この上り階段は長さ338メートル、462段もあり日頃から運動していない人には結構つらい物がある。しかも階段のてっぺんが見えているだけあって、心理的にも長ったらしく感じる。462段の階段を上りきって終わりと言うわけではなく、ここから143メートル、途中に24段の階段がある連絡通路を渡ってようやく土合の駅舎に到着する。ホームから駅舎まで歩くのに費やした時間は20代半ばの私でも8分強かかった。ここに駅員がいた頃は下り列車の発車10分前を過ぎると改札を打ち切ってしまった理由も致し方ない。
日本一のモグラ駅になった背景は湯檜曽と同じく、上越線の複線化で、下りの線路は土樽付近まで延々とトンネルを走るために途中の土合にはトンネル内に駅を作るしか他なかった。その下りホームも駅舎までの標高差は約70メートルあり、その2つを結ぶために長い階段が設置されたのである。階段の横には将来エスカレーターを設置するためのスペースが設けられているが、1日の利用者が微々たる物なので造られることはないと思う。
土合は周囲に民家があまり存在しないが谷川岳という観光資源があるために谷川岳の登山客に利用されている、登山客にとってここの階段は登山の第一関門であり、この階段で息を切らすと笑われてしまうのは言うまでもない。また近くにドライブインがあるのでここで休憩やお土産を買うのも一つの手とも言える。
電車の本数はないが車で簡単に行けるので、車で土合にやってくる人も多い。また駅ノートも置かれているので、旅の思い出に書いてみてはいかがでしょうか。(言うまでもなく持ち帰りは厳禁ですよ)