Echigo-Nakazato
越後中里
跨線橋内に貼られている昔のポスター
越後中里の駅名表と休憩所用に置かれている客車
越後中里のホーム
越後中里の駅舎
 「改札口を出たら、そこはゲレンデ・・・」という大きなアピールポイントを持っているのが、上越線の越後中里。駅前にはスキー客をターゲットにした旅館や、貸しスキーのお店などで小振りな町が形成されている。ゲレンデは駅舎とは正反対の裏手にあるのだが、そこには休憩所の目的で置かれたブルートレイン風の客車がある。

 越後中里のホーム上には駅周辺のイラストのガイドマップがあり、そこには隣の土樽との間に造られたループ線も描かれている。ただし、このループは上り線のみで、ほとんどがトンネルなので湯檜曽のようにループを通っていると言う実感がなかなか湧いて来ないのが少し残念なところである。

 ホームから跨線橋に上がってみると、そこには中里スキー場の歴代のポスターの一部が掲示されている。平成時代のものもあるが、とりわけ目を引いたのが、昭和40年代のものだった。服装や写真に時代を感じさせてくれるが、その頃といえば上越新幹線がまだ開通していない上に関越道もなかったため、東京から電車でやって来るスキー客を取り込むのは難しくはなかったであろう。

 しかし今は関越道があり、新幹線の方もガーラ湯沢と言うスキー客目的の臨時駅まで造っている。電車の方も普通列車の運行しかなく、南側は群馬方面の山越えのため、この駅で新潟方面へ折り返す電車があるので高崎方面へ行く電車の本数がぐっと少なくなる。

さらに追い討ちをかけるかのように、この駅もスキーシーズンの冬季に限って越後湯沢から職員が送られてはくるものの、春から秋の間は駅職員を置かない無人化を行ってしまった。時が進み、交通網が良くなるにつれて駅、スキー場共に逆風にさらされている感が否めないのは皮肉なものである。

 ゲレンデ側ある建物にも行ってみたいという想いもあったが、そちらの方はシーズンのみの営業らしく、跨線橋の上にある扉で固く閉ざされている。扉の先の方からは静謐な空気が流れているのを肌で感じた。

                                                               (2007.10.9)


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