片面ホームと外面を綺麗にした待合室があるだけの小さな駅、袋倉。秘境駅としてランクインはされているが、駅のすぐ近くに小さな集落、そしてその中に車の修理工場があるので、さほど秘境感は感じられない。ただ、1971年開業と昭和後期に造られた駅ながら集落に出るには踏切を渡らなければならず、遮断機が下りている間にホームにいる時のみ駅に閉じ込められて、周囲から隔離された不思議な感じを受ける。
駅を出ると、すぐ目の前に半出来温泉登喜和荘の看板がお目見えする。吾妻川の対岸にある一軒宿で、駅から徒歩で行くことが出来て、日帰り入浴も可能な温泉である。ただし温泉に行くには途中未舗装の獣道を下って、吊り橋を渡って行くためトレッキングに適した靴で行った方がよい。
温泉は男女別の内風呂から混浴の露天風呂につながっているシステムとなっている。長湯に適した温めのお湯で、ナトリウム単純泉で口にしてみると、軽い苦味と塩味でミネラル感が感じる。混浴と聞いてちょっとした期待が持たれるかも知れないが、宿の廊下で休憩していた時に温泉に向かっていったのは皆、自分よりも年上の年配夫婦や老人であった。
(2019.6.19)