上下線のホームの長さが異なる姫川は、元々は信号場として開設された駅で、正式に駅として承認されたのは、JRが発足した1987年4月1日のことだった。
列車1両分の長さしかない上りホームから階段を上った高台に待合室と作業員の詰所を半々にした駅舎があり、建物の横側に駅名の表札が掲げられている。
長い下りホームの裏側に国道5号線が走り、駅舎側から見ると何台も車が通り過ぎるのが確認できるが、この姫川のホームから直接国道に出ることは不可能であり、かなりの遠回りを強いられる。
駅からは雨や雪でぬかるんだら最悪のダートの一本道を通り、数軒の民家を抜けて、駅から徒歩約10分くらいになってようやく舗装された道路に出ることが出来る。そこにはダート道の沿道の住民が作ったと思われるような駅の案内のオブジェがある。立地が悪いだけに、駅を訪問する人のための優しい心配りをしていたことがよく分かる。
また駅ノートが設置されていて、ノートにも駅から国道に出るルートや最寄りのバス停を書き込んでくれている訪問者もいるが、バスや徒歩で訪問を試みる際には事前に調べておいた方が良いかもしれない。
駅周辺には駒ケ岳、駅舎やホームから様々な角度で列車の写真が撮れるスポットではあるが、特急が通過する路線のため、最低でもむやみに線路内に立ち入るのは危険である。
函館行きの列車は短いホームに入線して、構内の踏切を跨いで停車するため、反対側のホームに出れないじゃないかと思われるが、この姫川は普通列車同士で交換は行われないダイヤになっている。
(2016.3.2)