大糸線の列車が新潟県に入って初めて到着する駅がこの平岩である。大糸線の非電化区間内では最後の有人駅として頑張っていたが、列車の本数と駅の利用者の減少、さらにここ数年ではスキー用の臨時列車もこの区間を走らなくなるなどといった現状もあり、平成14(2002)年3月23日にこの駅も無人化され、大糸線の非電化区間の全ての駅が無人駅になってしまった。
かつての改札の窓口も板で封鎖されてしまって、駅舎内の待合室はつい最近まで駅員がいた駅だとは思えないくらい味気のない空間を感じる。駅舎からホームへ行く途中の廊下みたいな所には駅員が使っていたと思われるロッカーや、除雪用の道具が置いてあったり、またある所には駅長の名前が書かれているものがあったりと、駅の中をくまなく調べてみると有人駅だったことが次第に分かってくるであろう。また県境の駅ということもあって糸魚川からやって来る列車の中にはこの駅で折りかえすのもある。
ホームは雨よけの屋根などは一切ない。駅の構内には白馬(しろうま)岳・雨飾山の登山口や姫川・白馬(はくば)・蒲原・蓮華の各温泉の案内板や駅の出口には温泉旅館の案内板がある。
駅からすぐ行けるのが姫川温泉で歩いて5分位の所にある。駅から糸魚川方面へ歩いてすぐに橋があるのでその橋を渡って道なりに歩くと温泉旅館がある。旅館とは言っても日帰り入浴ができる所があるので日帰り入浴ができるかどうかはあらかじめ調べておいた方が良いであろう。平岩の駅は新潟県糸魚川市に位置するが、駅のそばを流れる姫川はこの辺りでは長野県と新潟県の県境の役割を果たしている。姫川温泉に行く途中で橋を渡るがその橋を渡った時点で長野県に入るという少し変わった経験ができる。
(2003.10.9)