JRの駅名でいちばん短い駅名と言えば紀勢本線の「津」が思い浮かぶと思うが、ローマ字表記をした場合、最も短いのは加古川線の粟生(AO)、指宿枕崎線の頴娃(EI)、長崎本線の小江(OE)、そしてこの飯井(II)の2文字で表記される4駅である。
しかし文字の幅を見てみると飯井は最も幅をとらない「I」を2つ使っているため、ローマ字表記をした場合はこの飯井が最も短いと言う事になるであろう。
それはさておき、飯井は日本海の小さな入り江に面した小さな集落の高台の所にある駅で、ホームからも日本海が見え、集落も漁村といった雰囲気で実にのどかである。
駅の所在地は山口県萩市ではあるが、駅の坂道を下り終えるとそこは萩市と三隅町の境界線となっている。
実は私は高1の夏休みに鉄道で中国地方の旅行をしていた時に飯井の風景を見た時、山に囲まれた小さな入り江に面した小さな漁村と言うのがとても心が和み、その飯井の周辺の集落の風景がとても印象に残っていた。
そんな飯井の風景が忘れられずに今回この駅にやって来てしまった。ホームから日本海を眺めて、「やっぱりいい駅はいい」と洒落にもなっていないような言葉を思いついてしまった。
そしてこの駅を訪問するきっかけとなった飯井トンネル付近の所まで(もちろん線路の近くの道路ではあるが)行って、駅周辺の集落を眺めてみると高1の頃に見た瞬間の感動を思い出してしまった。
(2003.3.14)