稲尾と言うと往年の野球ファンなら西鉄(現:西武)ライオンズの大エースの名前を思い浮かべるかも知れないが、大糸線の稲尾は国道148号線沿いにあるホーム1本と待合室だけの駅である。
この辺りは車窓から木崎湖が見えてくるが稲尾の場合は駅と湖の間は田んぼだけで遮るものが何もないので湖とその背景が非常に素晴らしい。
その稲尾は「おねがい☆ツインズ」の第2話に登場し、ヒロインの宮藤深衣奈(みやふじみいな)と小野寺樺恋(おのでらかれん)が主人公の神城麻郁(かみしろまいく)の忘れ物を届ける為に麻郁の学校へ行き、その後の帰り道で雨に降られ、深衣奈と樺恋が雨宿りをしていたのが稲尾の待合室だった。
また「おねがい☆ツインズ」のエンディングでホームの先端部の写真が登場するがホームの左横に道路が見えていると言う特徴から稲尾の駅が描かれていたのが分かる。
稲尾にも「おねがい」シリーズファンが駅ノートが置いて行き、クリアファイルの中にノートとシャーペンと消しゴムを入れてあると言う様な徹底ぶりだ。しかもこの駅に駅ノートが置かれたのが「おねがい☆ツインズ」の第2話が放送される前だったからすごいとしか言い様がない。
国道148号線から見たら稲尾はかなり寂しげな無人駅に見えるが、近くには国民宿舎「いろり荘」を初め、何軒か旅館がある。また「おねがい」シリーズのファンは放送された風景を訪ねているのが後を絶たないと言う。この稲尾も例外ではなく「おねがい☆ツインズ」で登場して以来、多くのファンがやって来ており、今後もこの様な光景が続くであろう。
ただ稲尾は国道沿いに位置し、車を止めるスペースがあまりない上に観光のシーズンは車通りが多いので車での訪問時にはあまり迷惑にならない様に注意しなければならない。「おねがい」シリーズのファンは海ノ口の駅を掃除するくらいモラルが高いので大丈夫だとは思いますが・・・
(2003.7.28)