近年、北海道内の相次ぐ秘境駅の廃止に伴い、繰上りでランクインしてくる秘境駅が登場してきた。身延線の旅のお供である富士川から外れ、ホームの先に森が迫り、そこを進んでいくと線内最長の勝坂トンネルがある市ノ瀬もそのひとつである。
ホーム上には待合室と昔ながらのトイレと流しが別個に設置されている。また駅を出た踏切を挟んだ向かいに石材屋があり、敷地内には石灯籠や石彫りの仏像が所狭しと並んでいる。
駅周辺には石材屋しかないと思ったが、駅裏の高台に照明設備があったので、上ってみたらグラウンドと体育館、石材屋と逆の方向へ下ってみたら室内のゲートボール場が見つかるなど、市ノ瀬の駅周辺は小さな町ながらもスポーツ施設が整った場所といえる。
訪問したのが夏の暑い盛りだったので、日差しの下にいるのは非常にきついものがあったが、駅前に自販機が設置されているのが、せめてもの救いだった。市ノ瀬が秘境駅にランクインされたのが最近で、ポイントも低く、足を運んでくる人はそんなにいないため、ちょっとした穴場スポットでもある。
(2020.8.11)