石見松原は1975年に三江線が全線開通した時に造られた駅の一つである。江の川の谷間の高台に片面のホームがあり、ブロック塀を積んで造られた無機質な待合室は建設を請け負った日本鉄道公団のお役所仕事と言った感じの単調な建物となっている。
ホームからは眼下に江の川の対岸にある集落が見えるために列車に乗っているだけだったら、あまり大したことのない無人駅に感じてしまうかも知れないし、ローカル線の無人駅名物の駅ノートもない。
しかしながらこの駅の特徴はちょっと写真の撮る位置を変えれば周囲には建物がない、秘境駅っぽい雰囲気になる。見方を変えると、魅力のある風景に様変わりすることができる。
2018年春に廃止が予想される三江線。本数が少なく途中下車は困難を極めるが、あまり話題には上がっていない駅に下車して魅力を見つけてみる。これも駅訪問の醍醐味だと思う。
(2016.10.10)