南美深の駅名標。
畑作地帯が広がる南美深の駅前。民家のある所まではちょっと離れている
Minami-bifuka


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 名寄市と美深町の境となるペンケニウプ川を渡ってすぐに到着する駅が、極端に短い板張りホームの南美深である。

 地元の請願によって仮乗降場として開業し、わずか3年で正式な駅に昇格した。開業当初はそれなりの乗降客数がいたという記録もあるが、2000年以降は乗降客は1人から、それ以下という非常に厳しい数字となっていた。

 南美深は2017年春のダイヤ改正で廃止駅の対象となっていたが、将来的に有望な土地として町が存続を要請して生き長らえることができたが、除雪費用の負担が重いのと、名寄から恩根内の間にはバスが走っていて代わりが利くという理由で2021年春のダイヤ改正で駅の廃止を容認する形となった。2021年に廃止との噂がある宗谷本線の駅の大半は民家が点々としていて農地が広がり、生活利用をする上では徒歩以外の足がなければ駅へのアクセスが難しいという印象を受けた。

 駅の待合室はホームの裏手に隠れるようにして佇んでいる。外壁はトタンで覆われているが、中は年季の入った木造の建物になっていて、窓は待合室の裏側にきちんとあって開けることもできるので、入口の扉も開けておけば今のご時世で必要な換気も行うことが可能だ。

 南美深に到着する列車は案の定ホームからはみ出して停車する。しかしJR北海道の普通列車の乗降は運転席後ろのドアのみ。そんなことはお構いなしだ。

                                                        (2020.9.1)
南美深に到着したキハ54。停車時はホームからはみ出ている。
南美深の駅前の道路。ホームに隠れるようにして待合室がたたずんでいる。
非常に短い南美深の板張りホーム
南美深