吾妻線の終着駅、大前。ここは1日に5本しか電車がやって来ない駅として有名である。大半の電車が手前の万座・鹿沢口で折り返していることもあり、ひっそりとした雰囲気を漂わせている。
駅前には団地と日帰り入浴が可能な温泉旅館がある。だが本数が少ないので大前乗降による温泉の日帰り入浴はかなり困難な状況と言える。駅の標高は840.4メートルという高原の駅で、この時期は雪に埋もれて見えなかったが、この吾妻線は駅名標の足元の部分を見てみると駅の標高が書かれている。
今回の訪問は、過去に2回ほど電車で大前を訪れている事と電車が停まっていない大前の雰囲気を味わってもらいたいが故に、
万座・鹿沢口から徒歩でやって来た。行き方は非常に単純で、長野街道をひたすら進み、嬬恋村役場の先の脇道を下って行って吾妻川の橋を渡ればたどりつく事ができ、タクシーでも2〜3千円くらいあればより速くそして楽に行ける。
万座・鹿沢口〜大前間は1日5往復という閑散路線で周囲も寂しいのではと思われるかも知れないが、長野街道沿いは民家やお店がそれなりにあるし、何よりも吾妻村役場から一番近い駅がこの大前である。また1988(昭和63)年のカルガリーオリンピックでスピードスケートの黒岩彰氏が銅メダルを獲得した当時はこの嬬恋村に黒岩姓が多いことで話題になったが、歩いていて実際に黒岩の苗字がいくつか確認ができた。別の角度で見ると意外なものが見つかるのが改めて実感した。
(2005.1.18)