南下沼は停車する列車が1日に2往復しかなく、宗谷本線内で列車による訪問が最も困難な駅である。国鉄時代は仮乗降場で列車1両分の板張りの非常に短いホームとバラック風の待合室の駅である。
ホームからは線路を跨ぐ橋が見えるがこれは国道40号線で、この橋から駅を眺めてみるとポツンとどこかに取り残されてしまった様な佇まいをしていて哀愁感を漂わせている。冬場はほとんど雪と同化してしまっており、遠方から見てみると運転士が後方確認をする時のミラーが駅の場所の手がかりになる。
冬場の駅の出口は向かいにある下沼農道側になりそこから歩いて3分の所に牧場が1軒存在する。国道に出てみるとかなり遠方に民家が確認できるが残念ながらこの駅を利用しそうな気配を感じなかった。
バラック風の待合室には木製のベンチ、駅ノート、雪かき用のスコップとホウキがあった。木製の扉は引き戸になっているが少し開け辛い上に下手をすると外れてしまう。ただし待合室の入口の上と下の高さに合わせてくっつけただけなので、落ち着いて対処すれば簡単に取り付けられるのでご安心を。
ここから隣の
下沼までの距離が1.6キロと北海道にしては短い駅間距離のため、ここで下車をして
下沼まで歩いて行ったり、逆に
下沼で下車をしてこの駅まで歩いてやって来る駅訪問家もいる様だ。
(2004.2.28)