清水沢は北海道最後の民間の炭鉱鉄道である大夕張鉄道の起点駅として夕張の石炭産業を支え、駅前通りも数多くの商店が建ち並ぶ石炭の町夕張の象徴的な駅の一つであった。しかし大夕張鉄道は炭鉱事故がきっかけで1987年に廃止。貨物営業も1990年に終了し、人通りがなく閉店した店が目立つ町は、皮肉にも今の夕張を象徴する場所になってしまった。
2015年までは駅員が配置されていたものの、無人化された今は窓口が板で塞がれている。石炭輸送の拠点だったため構内は広く、駅舎とホームが大きく離れている。昔は跨線橋があったが、今は取り壊され、工事に使われるような仮設の通路を通ることによって段差をなくしている。雪の時期は必要な所だけしか除雪を行っていないために、本来なら長いホームも雪で短く感じてしまう。
無人化されて静かになった待合室の壁には昔の清水沢の写真が貼られていて、駅には人、線路、列車の本数が今よりも断然多く、駅前の通りも賑わっていた時代が映し出されていて、石炭が全盛だった頃の夕張がいかにすごかったのかが良く分かった。しかし人が減り、財政が厳しくなった夕張において、市長が廃止に前向きになっているという噂になっている今、かつては石炭を積んだ貨物列車が往来していた駅はディーゼルカー1両が1日5往復するのみだが、それがすでに風前の灯火となっている。
(2018.3.4)