炭鉱で栄えた夕張は、石炭を運ぶ貨物列車で賑わっていたが故に、鉄道の町だったといっても過言ではない。鹿ノ谷は、かつては室蘭本線の栗山を経由して、函館本線の野幌を結ぶ夕張鉄道が分岐していて石炭輸送の拠点駅の一つだった。
夕張鉄道は1975年に廃止され、今は線路が1本のみの棒線駅となった。ホームから見える異様に長い歩道橋、その歩道橋からは無駄に広い敷地が見渡せるが、冬季の構内はそのほとんどが雪に覆いつくされていた。
無人となった鹿ノ谷の古い駅舎の中は、真ん中にベンチがポツンと置かれているだけで、広い空間を持て余し、ホーム側の出入口は頑丈な鉄扉を開閉しなければならず、扉を閉めている時は、まるで何かを拒んでいるかのような雰囲気だ。
列車の本数は1日5往復しかないが、終着駅となっている、隣の
夕張の停車時間が短いために、一度降りたら、すぐに折り返しの列車がやって来るため、訪問の条件は比較的楽である。
経営難に陥っているJR北海道に対して、若い夕張市長が早々と夕張支線の廃止を打ち出したため、鹿ノ谷のみならず、他の夕張支線の駅も早めに訪問しておいた方がいいと思う。
(2018.3.4)
2018年3月23日に夕張市とJR北海道との間で石勝線新夕張~
夕張間の廃止が合意され、26日に廃止届が提出されました。