板張りのホーム、プレハブ風の待合室に出入口の鉄製スロープという、あり合せのもので造った感じがしないでもない新栄野は元仮乗降場だった。人の気配があまり感じられず、背後の山のなだらかな稜線に手つかずの自然を感じる。
停車する列車は1日4本のみで、下りが朝1本、上りは午後3本で遠軽の学校に行く学生の為だけに設定されているので、列車での訪問が難しい駅である。この駅のアプローチとしては、隣の
瀬戸瀬から歩いてやって来るのがポピュラーな方法である。
瀬戸瀬から歩く場合は「社名渕」方面に向かって行けば自ずとたどりつく事ができ、所要時間は40〜50分見ておいたほうがよい。
新栄野の駅前には集会所と、待合所のついたバス停があるが、バス便も少なく使い勝手がよくない。駅前の道路は遠軽の中心地へ行く裏通りになっているせいか、時たま車が通過していく。
そんな通学生向けの新栄野だが、3月18日のダイヤ改正と共に廃止される事が決まってしまった。利用者が1人未満(ほとんどゼロ)と言うのが最大の理由で、この周辺にはもう学生がいないのかなと思った。新栄野の駅は雪よりも先に消えてしまう事となった。
(2006.2.19)