青函トンネルを抜けて最初に到着する駅が、知内である。トンネルの開業時には新湯の里信号場として開設されたが、1990年に今の名前となって旅客営業を開始した。

 長い対抗式ホームに渡り廊下のような空間の先に、家では不要になったと思わせるような椅子がいくつも整然と並べられている。これといった待合室がない知内にとっては、ここで座って待っているようにという心配りなのであろう。

 知内の駅には道の駅も併設されていて、物産館には地元の特産品などが売られている。以前知内を訪問した時にはここから函館までの回数券が物産館で販売されていて、簡易委託という形で掲載を見送った。しかし2009年に回数券の販売が終了したという情報が入ったために、再訪問する形となった。

 知内に停車する電車は朝と夕方の特急が2往復停車するのみだが、駅訪問にはスーパー白鳥22号で下車して白鳥93号に乗れば駅の滞在時間が43分と効率が良いため、午前中に訪問するのが一般的である。

 久々に来た知内の駅構内は新幹線の建設に向けて準備を進めている印象を受けた。また物産館には廃止を惜しむかのように切符や駅名標をモチーフにした鉄道クッキーを販売していた。店の人に聞いてみたら、来年の3月にこの知内が廃止されるとの事だった。新幹線という在来線よりも高規格の車両を通す上では利用価値があまりない駅を残す必要がないという判断が下されたのであろう。

 知内を訪問した時はお盆休みの影響もあって、ここを下車するテツの人が数人見受けられ、乗る電車も同じだった。40分強の滞在の末、物産館で購入した鉄道クッキーとそれに合う飲み物を携えて函館行きの特急電車に乗り込んだ。

                                                          (2013.8.13)

知内の駅構内。北海道新幹線に向けて工事が行われている。
青函トンネルを抜けて、北海道で一番最初に到着する地上駅、知内
Shiriuchi
知内
渡り廊下のような通路状に電車待ち用の椅子が設けられている。
知内の時刻表と乗客への案内板。道の駅ではもう切符は販売されなくなっている。
道の駅の脇に申し訳なさそうにたたずむ知内の駅入口。
知内に停車する数少ない特急電車。この光景もいつかは過去のものとなる。


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