杉原は高山本線の岐阜県最後の駅であると共に、JR東海管内および飛騨最北端の駅であり、駅舎を抜けたホーム入口の所にその北端を告げる標が建っている。
起点の岐阜からの距離はおよそ180キロ、料金も3000円を軽く超える位置にある杉原は、後に高原川と合流して神通川になる宮川の谷間にある山村の駅といった趣があり、道路から一段低い所に木造駅舎、ホームはスロープを下った低い位置にあって、いかに平地が少ない地形であるかを物語っている。
駅舎内の待合室の中には駅ノートが置かれていて、書き込みが何気にあって隠れた人気駅でもある。
駅前で目を引くのは杉原の貴重な観光スポットである飛騨まんが王国の看板だ。駅からは案内に従って左に進み、T字路の所で同じく案内に従って右に折れて道なりに進むと傾斜はきついが徒歩でも行ける場所に飛騨まんが王国がある。またまんが王国には宮川温泉の、おんり~湯も併設され、宿泊施設もある。日中なら立ち寄って温泉に浸かって行くというプランも悪くない。
駅周辺には必ず集落が存在して以外にも秘境駅が存在しない高山本線だが飛騨の山間部を走り抜けるシーンは見ごたえがある。しかし今のJR東海管内における高山本線の主力車両はキハ25のロングシート車両となっていて、鈍行列車の旅の醍醐味が若干薄れた感じが否めない。
(2016.11.26)