鎧は鉄橋で有名な
餘部の隣にある駅である。この駅は2001年の冬の青春18きっぷのポスターに使われて、ポスターの中では一人の旅人がベンチの横で海を眺めていた。
実際に鎧の駅の海側のベンチのある所に行くと小さな入り江が見え、その入り江の海の水は底が見えるくらい非常に澄んでいてじっと眺めているだけで心が現れる風景であった。これは車窓からではなくて実際にこの鎧の駅に降り立たないと見られない風景である。
そんな鎧の駅も青春18きっぷだけでなく、宮本輝氏の「海岸列車」やかつて三倉芙奈・佳奈の姉妹コンビでお茶の間で話題になったNHK朝の連続テレビドラマ小説、「ふたりっ子」の舞台としても名高い駅である。
鎧の駅舎の待合室には駅ノートが設置されており、駅ノートの書き込みには「青春18きっぷ」、「海岸列車」や「ふたりっ子」のいずれかの名前が書き込まれていた。
私個人的には「青春18きっぷ」のポスターと「ふたりっ子」でたびたび鎧の駅が登場して印象に残っていたのでいつかは訪れたい駅の一つに挙げていた。
駅の前には見た感じからして木造といえる民家や、駅を降りて見える入り江のきれいな海、どこか今の時代から取り残された感のある鎧の駅の景色ではあるが、当時の「青春18きっぷ」のポスターのキャッチコピーである、「なんでだろう。涙が出た」の通り涙が本当に出てしまうくらいに素晴らしい駅である。
(2002.12.16)