施設内虐待
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障害者虐待関連情報・文献・リンク集


新聞記事

秋田

内規に反して金銭管理/県身障者更生訓練センターの女性職員

 秋田市新屋の県身体障害者更生訓練センター(小田部和男所長)に勤務していた50代の女性職員が、入所者との間で金銭管理協定を結ばず約1年半、入所女性の預かり金を管理していたことが30日、分かった。センターを運営する県社会福祉事業団(佐藤博身理事長)によると、預かり金から入所女性のために使った金額のうち、使途を証明できない4万7000円を入所者に返却する。同事業団は、この女性職員を別の施設に異動させたが、近く関係者を含み処分する。

 事業団によると入所者は13年秋、社会復帰のための作業訓練を目的に入所。所持金は当初、自身で管理していたが、家族の要請で身の回りの世話を担当していたこの職員が管理することになった。

 センターの内規では、入所者の金銭を職員が代行管理する場合、入所者とセンターが協定書を交わす決まりになっている。しかし職員は「サービスのつもり」で手続きは踏まなかった。

 ことし3月、入所者の家族から「これまでの預かり金収支を教えてほしい」との要請があり、センター側は職員が記した出納帳簿のメモなどを調査。その結果、入所者のために使用したとされる約14万5000円のうち、約4万7000円が、入所者の受領印や領収書がないなどで、支出を裏付けられなかった。

 センターは現在、入所者67人のうち10人と協定を結び金銭を管理している。

(2003/05/30 14:11)

2003年11月5日更新
「障害学級で手錠」
個人的な意見ですが、この記事では「手錠」より障害を理解していない定年間近な先生に障害学級の担当を任せた方が問題がある気がします。

中学教諭が手錠で生徒拘束 東京・八王子の障害学級


 東京都八王子市の市立中学校で、知的障害や情緒障害の生徒が通う心身障害学級を担当する男性教諭(59)が、1年生の男子生徒におもちゃの手錠をかけて拘束していたことが5日分かった。
 同市教委によると、教諭は10月22日の昼休みに、生徒が非常階段を滑って遊んでいたことを注意するため手首に手錠をかけ、木工室の工作機械に縄跳びのロープで結んで約15分間拘束していたという。
 手錠は、教諭が以前勤務していた学校で生徒から取り上げ保管していた。金属性で鍵がついており、自分でもはずせるようになっていたという。
 教諭は昨年度から同校に勤務。市教委によると障害学級を担当するのは初めてだった
 教諭は市教委の調べに対して「してはいけないことを分からせるためにやった」と釈明、以前も同じ生徒に手錠を使っていたことを認めた。
 10月24日に匿名の電話が校長にあり発覚。校長が保護者に謝罪、教諭は同月27日から休んでいる。
 市教委は「行き過ぎた指導であってはならない。今後は再発防止に努めたい」としている。(共同通信)

2003年12月9日追加
東京都葛飾区にある「ろうあ児施設」での職員による性的虐待が明るみにでました。今までは「虐待」といえば、体罰やいじわるでしたが、今回は職員の「性的虐待」とのことで非常に残念に思いました。普通学校で担任が児童に性的いやがらせをした報道がこのごろ増えましたが、福祉の色が強い部分でも同じようなことが起きてるみたいです。この事件は児童が退所後に相談したため発覚しましたが、もしインターネットでメールで相談できる組織があればより早く発覚したと考えられるし、今現在、虐待を受けている人の告白の場として機能するような気がしました。
読売新聞報道集(リンクさせてあります)

2004年1月25日更新
ホーキング博士に虐待報道
 世界を代表する宇宙学のホーキング博士は進行性の病気のため、全面介助で、意思の疎通もトーキングエードで生活を行ってます。6,7年前の結婚報道は「フライデー」などでも取り上げられましたが、今回残念な報道がありましたので紹介させていただきます。

難病のホーキング博士、妻から暴行?英大衆紙報道
 【ロンドン=土生修一】22日付の英大衆紙「デイリー・ミラー」は、世界的な理論物理学者のケンブリッジ大教授、スティーブン・ホーキング博士(62)が、妻(53)から繰り返し暴行を受けていると報じた。
 博士は難病のため車イス生活を送っているが、博士の世話をしていた看護師が暴行を目撃したという。
 同紙によると、95年に再婚した妻は、博士の手首を車いすにぶつけて骨折させたり、ヒゲそりの際に首にケガさせるなど、暴行を繰り返しているという。
 同紙は19日付で博士が多数の傷を受けており警察が捜査していると報じたが、博士は20日、「事実無根」との声明を出していた。(読売新聞)

2004年2月4日更新
知的障害施設の女性2人「男性職員が胸触った」と訴え

社会福祉法人「福島県社会福祉事業団」(理事長・佐藤栄佐久知事)が運営する知的障害者更生施設「福島県矢吹しらうめ荘」(福島県矢吹町、遠藤昇園長)で、施設の50歳代の男性職員が昨年、入所者の女性2人に対し、胸を触るなどのセクハラ行為をしていた疑いがあることが4日、分かった。

 事態を重く見た同事業団は、職員に自宅待機を命じ、調査に乗り出した。職員は同事業団の聴取に対し、女性2人の体を触ったことは認めているが、「胸は触っていない。スキンシップだった」などと釈明しているという。

 事業団などの説明によると、昨年12月、20歳代の女性入所者から施設の別の職員に対し、施設内での作業活動中に、男性職員に胸を触られるなどの行為を受けたとの訴えがあったという。施設からの届け出を受けた事業団は職員を自宅待機とした上で、昨年12月末以降、全女性入所者40人から事情を聞いたところ、別の20歳代の女性も、胸を触られるなどの被害を訴え出たという。

 事業団の箱崎義家・副理事長は、男性職員が入所者の体を触ったことを認めた上で「利用者を守るのが福祉施設の役割。このようなことが2度とないように再発防止に努めたい」としている。一方、事業団を設置する同県自立支援領域障害者支援グループの七宮仁参事は「調査中で、一切答えられない」としている。

 矢吹しらうめ荘は1994年開設。福島県が1000万円を出資して設置し、事業団に運営を委託している。現在、知的障害を持った男性60人、女性40人が入所し、自立を目指し作業活動など訓練を行っている。

読売新聞ホームページより

2005年2月17日更新
「グループホームで職員が入所者を虐待死させる」

 石川県の高齢者グループホームでの職員による虐待で入所者が死亡するという信じられない事件がおきてしまいました。以下の記事は2月17日付け朝日新聞の社説です。
 入所施設の職員は日勤、夜勤の勤務を交互にこなすのが普通ですが、グループホームの職員は経費削減のためか、平日の日中は主婦のパートが中心で、夜勤は主婦の方がシフトが入るのは厳しいので若者を中心に夜勤専門の職員が担当するとこが増えています。
 介護保険が始まってから、在宅介護の時給がスーパーマーケットなどのパートより、時給が高いうえに時間の融通もきく(好きなときにできる)ので、有料の講習をうけ、ヘルパー2級になる方がどんどん増え、介護派遣会社(ニチイ学館コムスン日本医療事務センター三幸福祉カレッジ関連ページへリンク)にとっての講習会がとてもおいしい商売になっています。(介護保険の有料介護者として入るにはヘルパー2級の取得条件が必要最低条件になっています)。ただ残念なことにお金を払えば簡単に取れる資格の上、高額な時給に引き付けられ始める方が多いので、福祉職員の象徴の「優しい心」が持ち合わせていないというか・・。以前のように人と接するのが大好きで、独特のオーラを放つ方が明らかに減ってきています。最近大学で福祉を勉強した方が増えていますが、その背景には少子化対策のため、福祉科を増設する大学がただ増えているだけで、人と接するのが好きで福祉科にはいるというよか、たまたま福祉科しか受からなく仕方なく、福祉を勉強するという学生がたくさんいます。(六大学卒の肩書きがほしいために、政治経済学部、商学部、文学部など手あたりしだい受け、たまたま受かった社会学部が受かり、勉強している学生もなかにはいます)入所施設での職員の質の低下も否めなくて、知的障害者施設でボクシンググローブを使っての虐待が長く続けれれた施設の存在が最近報道されたりもしました。ごちゃごちゃ書きましたが、職員一人一人の質の低下の上、職員同士のモラル、施設でに倫理の低下も明らかなので、今回の報道は氷山の一角でこれからもこのような虐待報道は続くことでしょう。

■介護殺人――何が悲劇を招いたか

 石川県かほく市のグループホームで、入居者の84歳の女性が夜勤をしていた職員に殺された。石油ファンヒーターを服の上から押しつけられ、やけどによる熱傷性ショック死だった。

 女性は老いて、重い認知症(痴呆(ちほう)症)を患っていた。長い人生を生き抜いてきた末の、何という悲しい最期だろうか。多くの人が事件を自分の老後に重ね合わせて憤り、不安をかき立てられたに違いない。

 女性を死に追いやった職員は28歳の青年だ。「介護が必要な祖母の世話をするため技術を習得したい」と思い、このグループホームに勤めた。週3回、夜勤だけをするパートである。ホームヘルパー2級の資格をめざし、昼間の勤務もしたいと意欲を見せていたという。

 そんな青年が、なぜ、取り返しのつかない暴力をふるったのだろうか。警察の調べに対し「自分の思いと現実のギャップに爆発した」と話しているが、まだ詳しい事情はわからない。

 事件の舞台になったグループホームは、高齢者のための介護施設だ。そこでは少人数の入居者と介護スタッフが普通の民家のような住宅で生活をともにしている。自宅とあまり変わらない環境で、いつも顔なじみのスタッフに見守られる。それが成果をあげて、認知症ケアの切り札とも考えられている。介護保険の対象になったことで一気に広まり、いまでは全国で6千カ所以上になった。

 環境は家庭に近くても、職員には高い専門性が求められる。認知症の患者は意に沿わない扱いを受けるとパニックになったり、乱暴になったりする。逆に物忘れへの不安や、思うことをうまく表現できないいらだちをくみ取って寄り添うような介護をすれば、妄想や徘徊(はいかい)をなくすこともできる。専門知識と技術、人間への深い理解が必要な仕事なのだ。

 高齢者福祉の先進国デンマークでは、認知症の症状や患者への対処に精通したコーディネーターがグループホームを巡回し、職員の相談にのったりアドバイスをしたりしている。

 夜勤専門のうえ、ヘルパー2級の講習を受けていた青年は、入居者の対応にとまどうことも多かったにちがいない。職員同士が患者の情報を共有し、悩みを打ち明けあうような仕組みはあったのだろうか。

 この春からは、市町村がグループホームの運営に目を光らせることになっている。まず職員の専門性を高める研修に取り組んでほしい。介護施設の職員が引き起こす虐待の多くは、認知症に対する知識の乏しさによるものだからだ。

 住民も認知症への理解を深め、グループホームを地域の財産として見守り、かかわっていく必要がある。

 福岡県大牟田市では、認知症のお年寄りを地域で支えるために学習会を重ねている。小中学校でも絵本を使って認知症への理解を深めている。一人ひとりの関心が良質な介護につながっていく。

2005年4月8日更新
毎日新聞社説より。福祉施設職員の現状、今、問題になっている身体拘束についてかかれています

社説:
介護施設と職員 憎しみ生み出す悲しい現実

 高齢の入所者を車椅子に縛る、拘束衣を着せる、あばれたりしないよう睡眠薬で眠らせる。勤務は肉体的にきつい、感染症の危険を感じる、賃金が安い、勤務が不規則……。

 介護労働従事者と施設の実態が連合の調査で明らかになった。介護現場が「きつい、汚い、危険」の3K職場になっていること、大半の施設で高齢者の身体拘束を行っている事実が浮かび上がった。

 00年春にスタートした介護保険制度の施行から5年、国会で見直しの議論が始まっているが、介護職員の厳しい職場実態については手付かずの状態になっている。

 調査は介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設163カ所と介護職員2749人を対象に行った。介護職員の4人に3人は女性で平均年齢は40歳くらい、半数が結婚している。

 職員らは働きがいを感じてはいるが、変則勤務や週に1〜2回の深夜・宿直勤務があり、腰痛(41%)、疲れやすい(36%)、イライラする(26%)など問題を抱えている。職場課題としては、7割が人手不足を訴え、肉体的にきつい(58%)、感染症の危険がある(41%)、低賃金(40%)が上位を占めた。賃金の低い非正規職員への切り替えも進んでいる。

 口腔(こうくう)内のかき出しやたんの吸引など、法律で禁じられている医療行為も職員の65%が日常的に行っている。また、9割の施設で入所者の身体拘束が行われ、6割の職員が「行った」と答えているのも驚きだ。点滴をしやすいように、ペットボトルの両端を切り取って腕にはめ続け、ひじの関節が曲がらなくなったケースもあった。

 「拘束した方が入所者は安全だ」「拘束しないと介護できない」「人手不足」などが主な理由だが、こうした回答から介護現場の厳しい現実が見えてくる。

 深刻なのは、職員の3割が「入所者への憎しみ」を感じていることだ。介護職員はまじめで、介護への熱意もあり良心的な仕事ぶりには好感をもてる。それなのに心の中に「憎しみ」が芽生えてしまう。悲しい現実だ。調査では、疲れている人や人手不足を訴えた職員のなかに「憎しみ」を感じている人が多かった。

 介護の現場の現実を前にし、何から手をつけるべきかと考えると、あまりの問題の多さにがく然とさせられる。こうした実態把握は行われてこなかった。それが問題を広げ、深刻にしている。

 厚生労働省は全国の施設と職員の職場実態について早急に調査を始めるべきである。同省はすでに「身体拘束ゼロ作戦」などを実施しているが、正確な事実把握をもとに、身体拘束や違法な医療行為、職場環境や労働条件の改善、さらには介護職員の研修など、総合的な対応策を示すべきである。

 人口の高齢化は速いスピードで進んでおり、介護ニーズはこれから確実に増えていく。介護施設や職員が直面する課題をすべて洗い出し、社会全体の問題として対応策を作り実行に移すときだ。国の怠慢は許されない。

毎日新聞 2005年2月20日 東京朝刊