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バックナンバー2003年2月
第12回 歴史博物館のヴァイキング展 (アイスランド)
2002年7月のアイスランド旅行の続きです。 レイキャヴィーク散策中に偶然出会ったラッキーな催し。 The Culture Houseという歴史博物館で“VIKINGS AND THE NEW WORLD”という企画展をやっていました。 |
大まかに言ってヴァイキングの遠征には3つのルートがあります。
おもにデンマーク人は南ルートでイギリスを含めたヨーロッパ大陸へ向かい、スウェーデン人は東方ルートでロシアやビザンツ方面に、ノルウェー人は西ルートでアイスランド、グリーンランド、北米大陸に向かいました。この展示会はこの“西ルート”に関するものです。
館内の様子です。 写真ではよく判りませんが、おじさんのむこうのマメ電球のキラキラしたのは北欧神話をイメージしたオブジェです。ここがまずエントランス。 |
レプリカですけど、こういうのうれしいんですよねー。(^O^) 朽ちた実物は色なんか残ってないのですが、使用当時はカラフルだったことでしょう。柄なんかピカピカ。周りに人がいないのを確かめ、こっそり剣を持ち上げて…みれなかったです。重くて。 |
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織機です。 布を織るのはヴァイキング女性の大切な仕事でした。家族の衣類用はもちろん、上質な布地は高く売れるのです。 余談ですけど、「世界の歴史」という学習マンガで、産業革命時の蒸気機関を使った紡績機や織機の変遷を扱ったのですが、こうしてみると1000年間で大きく進歩しましたねぇ、しみじみ。 |
ちょっとコワいのをひとつ。 グリーンランド植民は悲惨な末路をたどりました。政治的圧迫と飢餓と原住民の攻撃により、1500年頃に植民地は全滅したのです。 数10年後、偶然漂着したアイスランド人が見たのは、葬ってもらえなかった最後の1人の干からびた遺体でした。その人は骨だけになった手に小刀を握っていたとか。 これはリアル過ぎる再現の図。(T_T) |
北米大陸のほうはどうなったかというと、前回も紹介したレイヴル・エイリクソン以降、何度か植民にトライ、でも定着しなかったんですね。そのせいで長年「サガに描かれてるのはフィクション」と考えられてたそうですが、1960年代カナダのニューファウンドランドで遺跡が出ちゃいました。 おもしろいのがこちら、バイユー風*1「なんちゃってタピストリー」。もちろんレプリカ、ってか偽物。でもおおうけ。(^O^) サガのとおりに「ブドウがありましたぜ」「原住民と最初は仲良く物々交換」「攻めてこられてフレイディスが乳出して剣でピシャリと威嚇」(右端ネ)のシーンが描かれてます。*2 |
*1・・・「バイユーのタピストリー」はノルマン・コンクェストを描いたマチルド王妃指揮のもとに制作されたタピストリー(つまり壁掛け)のことで、フランスのバイユーにあります。1066年にこの方のダンナのノルマンディー公ギョームがイギリスを攻めてウィリアム征服王となった記念のしろもの。
*2・・・ご存知ない方には意味不明でスミマセン。いずれもサガに出てくるエピソードです。フレイディスってのは(たぶん)レイヴルの異母きょうだいで、烈婦。
訪れた日・・・2002年7月19日
次回はバスツアーでレイキャヴィークを出発します。