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2004年5月号
第16回 聖オーラブ野外劇 (ノルウェー)
「肥満王」と渾名されたオーラブ・ハーラルソン*1(Olav Haraldsson)はデンマークの支配からノルウェーを解放しキリスト教の布教に努めますが、1030年7月29日トロンハイムに程近いスティクレスタ(Stiklestad)で敵対する豪族・農民軍と戦い敗死します。死後、数々の‘奇跡’が起き、「肥満王」は北欧初の聖人――「聖王」とあがめられるようになったのでした。
ノルウェーでは7月29日は聖オーラブ(Heilag
Olav)の日で、各地でいろんなイベントが催されます。
本家本元スティクレスタでは、毎年ノルウェー最大級の野外劇場で聖オーラブ劇があります。 始まる数時間前からぞくぞくと観客が集まってお祭り状態です。 これは少女たちの民族衣装によるフォークダンス。 とても良い天気に恵まれました。 |
待ってる間に近くのスティクレスタ教会を見学。1180年創建の古い教会です。 | |
敷地内にはレストランや資料館(博物館)もあり、芝居以外でも楽しめます。 インフォメーションセンターでは聖オーラブ・グッズや資料本なども手に入ります。 |
いよいよ開演。満員の観客。 日差しがまぶしいですが、実は夕方6時です。 |
王の登場シーン。 ホンモノの馬も登場。走りまわります。 生ヴァイキングと空間を同じにするってだけでミ−ハーな私は大喜び。 内容はモチロン王の最後の戦いを描いたもの。 |
ダンスシーン。 ちゃんとオケ・ピットがあり、フルオーケストラなんですよ。 |
エンディングシーン。 聖王を称えて十字架型に整列。 え、と。 実のところノルウェー語による芝居なので何言ってんだかさっぱりだけど、迫力あって大満足です。(*^.^*) →さらにカッコいい画像をどうぞ。 |
帰り道、車窓から見たトロンハイムフィヨルドです。 やっと暮れてきたノルウェーの夏の夜。10時過ぎ。 この場所でヴァイキング時代のノルウェーの王や豪族たちの戦いのドラマが繰り広げられたと思うと感無量です。 |
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スティクレスタ野外劇のオフィシャルサイト→ http://www.snk.no/ |
*1・・・第4回の「トロンハイムのオーラブくん」で紹介したオーラブ・トリュグヴァソンとは別人です。彼は1世、聖オーラブは2世。実にヤヤコシイ。親子や兄弟でもありません。たぶんハトコに当たるのだと思われます。どちらもハラルド美髪王を曽祖父とします。
訪れた日・・・02年7月28日